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中国の高速鉄道建設ラッシュと日本企業のビジネスチャンス

発行日 2007年2月9日

主席研究員 朱 炎

 

北京-上海の高速鉄道はいよいよ着工へ

  • 計画してから13年、中国の高速鉄道の象徴である京滬(北京-上海)高速鉄道は、いよいよ着工することとなった。
  • 昨年3月、国務院(内閣)は京滬高速鉄道の建設を認可したが、この1月、中国鉄道省は、京滬高速鉄道を年内着工、2010年完成と発表した。
  • 同鉄道は全長1,318キロ、中国経済の二大中心地である環渤海地域と長江デルタ地域を結び、沿線に21の駅を設ける。設計時速は350キロ、初期段階の運営時速は300キロ、ピーク時は3分間隔で運行でき、北京から上海に5時間あまりで到着できる。完成すれば、一方向で年間8,000万人の乗車が予測される。

資金と技術の問題

  • 京滬高速鉄道の総工事費は2,000億元(約3兆円)にのぼり、昨年3月の予算の1,300億元(約1.8兆円)を大幅上回った。中国で今まで最大級の建設プロジェクト、長江三峡ダムに匹敵するため、全人代(国会)で審議する必要があるかもしれない。2,000億元にのぼる巨額の資金は、従来の銀行融資や、債券発行、運営企業の上場などの方法では対応できないため、広範囲な民間資金の参入が奨励される。保険基金から400億元の出資はすでに国務院の認可を受けた。また、沿線の地方は、土地の収用費用と立ち退き費用を出資することも可能になり、20%の資本金を占める。
  • 技術面では、鉄道省は、高速鉄道で70%の国産化を目指す方針を打ち出した。車両の場合、10%は輸入し、20%は部品を輸入して国内で組み立て、70%は国内生産を予定している。このため、国内企業との技術協力、技術移転を前提に、日本の新幹線技術など、海外の高速鉄道技術が導入され、活用される。

高速鉄道の建設ラッシュ

  • 中国政府は第十次五カ年計画(2001~05年)期間中には、主要幹線鉄道のスピードアップを実施した。2006年末には、時速200~250の列車を走らせる総延長6,000キロの在来線の改造工事がすでに完成した。今年4月から、8本の幹線鉄道に時速200キロ、一部は250キロの運転が始まる。
  • 第十一次五カ年計画(2006~10年)期間中には、合計6本、総延長7,000キロ、時速300キロ以上、旅客専用の高速鉄道を新規建設することを計画している。上述した京滬(北京-上海)線のほかに、京広(北京-広州)線、京哈(北京-ハルビン)線、瀋大(瀋陽-大連)線、隴海(西安-徐州)線、東南沿海(寧波-深圳)も建設する予定である。北京上海線の着工は高速鉄道建設ラッシュの幕開けになる。
  • 中国の鉄道建設中長期計画によると、高速鉄道建設が完成すれば、「四縦四横(南北方向の4本、東西方向の4本)」からなり、国土全体を結び、総延長1万キロを超える高速鉄道網が形成される。

日本企業のビジネスチャンス

  • 中国の高速鉄道建設は、日本企業にとっても、新幹線技術の活用など、大きなビジネスチャンスになる。
  • 在来線スピードアップのプロジェクトにおいて、2004年に行った車両入札には、JR東日本、川崎重工など6社で構成される日本企業連合は、中国の車両製造会社と協力して、落札した。日本企業連合は、時速200キロで走行し、300キロにも対応できる車両を120編成(8両編成、一部は中国で組み立て)の車両を受注し、今後、現地での組み立て、国産化の現地生産にも協力する。入札に参加したフランス、ドイツ、カナダなどの外国企業のなかで、日本企業は最大のシェアを獲得した。「はやて」をベースとする新幹線車両はすでに納入し、1月末から試験運転が始まった。
  • 北京上海線など時速300キロ以上の高速鉄道建設にも、日本の新幹線技術が現地生産などの形で活かされる。車両の場合、いままで時速200キロの車両受注と同じ形で、中国企業と組んで入札に参加できる。将来、国産化にしても、日本企業は素材、部品提供などによって、長期にわたって利益を受けられる。
  • 中国の高速鉄道建設には、日本企業は車両などの技術協力のみならず、線路建設、信号システムへの技術協力や、資金調達への協力、沿線の開発への参加など、多くのビジネスチャンスがあろう。