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中国B2C電子商取引企業のビジネスモデル

発行日 2007年2月9日

上席主任研究員 金 堅敏

 

2007年1月7日~16日に中国の電子商取引産業・企業の活動実態について電子商取引関連の業界団体、EC企業及び第三者専門決済企業を訪問調査した。ここでは、訪問したB2C電子商取引企業3社のビジネスモデルをまとめる。

Amazonモデルの中国版である「当当網」(DangDang.com)

  • 1999年11月に米国IDG等のベンチャーキャピタルからの出資を受けて設立された「当 当網」は、商品調達、販売、物流倉庫を自前主義で運営しており、中国におけるAmazonモデルのローカル版だと言える。北京、上海、広州には大規模物流倉庫を抱えている。現在は、中国のB2Cビジネスの代表格となっている。ただし、収益はまだ、ようやく収支バランスが取れる段階にある。
  • 「当当網」の取扱商品は、図書、CD・DVD・MP3などの音楽メディア、玩具類、日用雑貨などで、商品の品揃え(数十万種類)と全国一の安さが特徴である。例えば、2004年6月に導入された「インテリジェント価格チェック・設定システム」は、捜索エンジンを通じて同業他社の同一製品販売価格が自社製品販売価格より低いのを見つけた場合、自動的に自社販売価格を他社より10%安いように設定する仕組みとなっている。
  • 支払手段は、1)Online支払、2)COD(配達時支払)、3)郵便送金などからなるが、信用社会になっていない中国では前払いが基本で後払いはない。
  • 2005年に「当当網」は、在庫リスクや不得意の物流管理を回避するために、これまでの自営モデルと違うプラットフォームモデルを導入した。つまり、「当当網」は自社サイトで他社にテナントを提供する楽天やEbayモデルを導入したのである。当面は無料でテナントを提供しているが、商品の品揃え効果を期待している。
  • ちなみに、ローカルB2C企業「卓越網」Joyo.comを買収して活動を展開しているAmazon(China)は、「当当網」との競争にあたって商品数の少なさ(数千種類)と買収後現地化の戸惑いで市場や人材を「当当網」に引き抜かれ、経営困難に直面しているという。

リアル販売とバーチャル販売をミックスしたYOUCAN集団(96188.com)

  • YOUCAN集団www.96188.comは、冷凍食品の生産、物流配送、販売を行う民営企業である。2000年12月に電子商取引会社を設立してリアル販売にバーチャル販売機能が加わった。現在、流通販売分野には3つの独立した法人会社がある。コンビニを経営するYOUCANコンビニ、物流サービスを行うYOUCAN物流、電子商取引を行うYOUCAN電子商取引である。YOUCANコンビニは、30店の直営店と30の加盟店を有する。YOUCAN物流は面積200ムー(約14.5ヘクタール)の倉庫と100~200台の輸送・配送車を有する。
  • YOUCANのECモデルは、96188をキーワードに以下のような「4位1体」のB2Cモデルと言える。1)Webを通じた販売 www.96188.com、2)コールセンターを通じた販売(96188Call)、3)コンビニストアによる直接販売(96188コンビニ)、4)自前の物流配送システム(96188物流配送システム)
  • 同社は、このように伝統的な販売手法とIT技術を生かしたネット販売をミックスした販売を実現している。「4位1体」のビジネス・モデルをさらに精緻化させ、将来的に他の都市にコピーしていく考えである。
  • 冷凍食品など生活食品を販売しているので、デリバリが重要である。したがって、自前の物流配送システムが威力を発揮している。現在は配送料を取っていないので、顧客にWebを通じた販売やコールセンターを通じた販売のインセンティブを与えている。配送(OnTimeとIn Timeの両方ある)の時間を選択できるようになっており、杭州市内は最短30分で配達する。図書などを販売しているDangDangは、このようなコミットはできないはずとしている。
  • また、同社はブランド食品メーカーの地域独占販売権を獲得して、小売店向け卸売販売や法人会員向けのB2Bビジネスにも力を注いでいる。B2BとB2Cの融合を図っている。
  • 現在、YOUCANは、物流ネットワークをプラットフォームとして第三者へのサービスを提供し始めている。逆に、物流配送の「集中問題」を解決するために第三者の配送システムを借りている。

既存郵便インフラ(物流・ネットワーク、集客力)を生かしたB2Cモデル

  • 広東電子郵政局は、郵政業務の付加価値サービスや電子化を推進する機関である。在来の物流システムや地域郵便局の窓口ネットワークといったインフラや集客力を生かしたB2Cの電子商取引ビジネスが電子郵政局の大きな業務内容となっている。
  • そのビジネスモデルは、20社以上のサプライヤー(メーカーや流通業者)が、郵政局の1)Webサイトと2)コールセンターを通じて、消費者にモノ(商品、切符)や予約(観光など)を販売する仕組みである。この仕組みにおいて、郵政局は、情報の伝達、物流配送、代金回収についてサプライヤーに代わって消費者と関わるので、郵政局のB2Cビジネスを行っていると言えるが、実際には郵政局は多数のサプライヤーのために情報伝達、物流配送、代金回収のサービスを提供しているだけである。したがって、郵政局は実質的にはB2Cサービスベンダーであり、ビジネスの収益は、サービス手数料である。
  • 現在、広東電子郵政局の行っているB2C電子商取引ビジネスは、在来郵政業務の上に立つ付加価値ビジネスであり、B2C電子商取引単独で収益の上がるビジネスが成り立つかどうかは不明である。