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中国の農村問題

発行日 2007年2月9日

研究員 柏木 理佳

 

農民労働力は25歳以下が不足している

  • 2005年に勤労所得が農民純所得に占める割合が31%を占める農民において、余剰労働力が存在している。2003年の中国農林牧漁業郷村労働力の3億1,260万人(中国統計摘要2004)から農林牧漁業必要労働力を引いた1億3,000万人が郷村余剰労働力とされている。
  • 全農民労働力のうち25歳以下の労働力は1億人余りしか存在していない。また男女の比率は男女4:6でありバランスが崩れている。
  • 現状では農業人口は多いものの、将来は農民労働力が不足する可能性がある。技術力のレベルを上げる、農民の生活保障を確保するなどの工夫が必要である。

農業問題への政府の取り組み

  • 2005年10月 党16回五中全会で社会主義新農村の建設が中国現代化の発展における歴史的任務であることが指摘され、生産性をあげる、生活を豊かにする、郷土の文明を発展させる、村を清潔にする、管理システムを導入するなどが掲げられた。
  • 新農村を建設する過程において、政府の支出は2003年の2145億人民元から2004年には2,626億元に増加し、今後もその傾向が見込まれている。中央政府から地方政府への移転に対する支出も急増している。
  • 2006年、中国共産党中央大16回6中国全国大会において、農村地域でも最低生活保障制度を徐々に設立し推進し続けることが指摘されているが浙江省や広東省などの経済発展地区では、都市農村が一体になった最低生活保障制度を設立した。

農村医療制度は浸透

  • 社会保障は、都市部では最低生活保障・養老保険・失業保険・医療保険があるものの、農村地域では養老保険・失業保険はなく医療保険も一部しか存在していない。
  • 公共サービスは、施設・設備の設置が遅れている。
  • 医療の制度においては、農村では医者は1,000人に1人しか存在せず、2000年の胎児死亡率は都市部では12%であるのに対して農村部は37%存在する。
  • 2002年、中国政府は新型農村合作医療制度設置の推進を決定し、2003年から試験的に開始されている。2010年までに全国の農村住民に新型農村合作医療を広げることを目標としている。従来の医療制度と比べると政府財政から資金調達を増やすため農民の家庭での負担が減る。2006年から加入する農民に対して中央財政は毎年一人当たり20元の補助を与え2007年までに地方財政も一人当たり20元を補助する。2006年6月末において実験県1,399箇所では、農村住民4.95億人中3.96億人が加入、8割以上を占める参加率で順調に進展している。国務院の部署に基づいたデーターでは2007年実験拠点は60%を超え、現在も拡大している。

教育の格差は拡大

  • 教育面においては、進学率・卒業率も増えているものの、学校に通える人とそうでない人、教育そのものの不均等さが拡大している。
  • 都市部住民と農村住民の在学教育年数を比較すると、都市部住民が農村住民を2年から3年も上回っている。
  • 2005年春に、学期ごとに小学生が一人当たり35元、中学生が70元、特殊教育が35元教科書補助水準が引き上げられ、農村義務教育段階の貧困世帯に対しては書籍・雑貨が減免されるなど補助政策が出された。

問題点

  • 中国の農村地は広大であるため、新農村建設には時間がかかり、段階的計画の欠如が困難性を増している。
  • 経済成長に伴い農民は、農村の土地を転用しなければならない義務がある。土地管理法46条に基づき土地補償費としては収用耕地の過去3年の平均生産高の6~10倍、農民一人当たりの補償として過去3年間の平均生産高の4~6倍が与えられるとしている。
  • 実際に規定通りに支払われることは少ない。また、支払われても実際の移転費用に比べ補償費が低い、土地請負経営権の侵害などの問題点が残っている。