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  4. 生命に学ぶ自律社会の実現 ―BlockchainとDNAコンピューティングによる持続可能な発展―

リアルタイムデータによる災害対応の高度化 ―自律的レジリエント社会実現に向けて―

生命に学ぶ自律社会の実現

―BlockchainとDNAコンピューティングによる持続可能な発展―

社会の持続可能性が求められる今日、生命を「自己情報をセキュアに維持する自律的システム」の模範ととらえ、近年の潮流であるBlockchain技術の興隆、都市空間情報の発展、次世代のDNAコンピューティングという異領域の融合について論じる。

上級研究員 上田 遼
発行:2019年3月

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要旨

持続可能な発展(サステナビリティ)が社会的な課題となる中、筆者は自律的な維持回復力の高い生命のアナロジーを社会技術に応用すべきと考える。

生命論に関するリサーチから、生命の本質を「自己の情報を維持する自律的システム」と位置付けた上で、現在の社会技術、あるいは生産システムにはモノやコトの自己情報を維持回復するための機構や概念が欠如していることを指摘する。

遺伝子DNAは生命の根幹情報であり、生命の維持情報や発生履歴を暗号化し、セキュアに保存するための英知である。その知恵は、今日において暗号化情報を連結させたBlockchain技術に暗黙に通底するものと考える。Blockchain等を応用した自律的な回復技術とそのための情報基盤の社会実装が、耐災害を中心とした社会の持続性を高めると考える。

情報の「維持」が生命の出発点とも言え、そのような特長的機能が、現代におけるフェイク情報の除外や、近年実用化が模索される「DNAコンピューティング」に接点を持つことは生命進化史、情報発展史を考えれば極めて自然な潮流であると包括的に解釈することができる。

さらに、社会は「維持」されるだけでなく持続的に発展していくことが求められる。政策や利害関係に過度に依存しない、社会の自律的な発展に向けて、Blockchainの合意形成技術等が思惟、予測、実現という擬人化された社会の生命的な営為を技術的に担保することが期待できる。今日に至るインターネットが隔絶された空間をつなぐ「空間技術」であったとすれば、Blockchainは隔絶された時間の間を取り持ち、モノやコトの正しさや存在を証明する「時間技術」であると考える。そして、時間を隔てた情報の維持発展が、前述の生命の進化史そのものであった。

社会は、上記の文脈において生命の基本原理に再び学ぶべきであり、それによって持続可能性を実現する新たな社会技術が実現されるものと考える。

上田 遼

本記事の執筆者

上級研究員

上田 遼

 

株式会社富士通総研 経済研究所 上級研究員
2007年、東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了後、鹿島建設株式会社、株式会社小堀鐸二研究所を経て、2016年 富士通総研入社。2017年より、名古屋大学減災連携研究センター受託研究員兼務。
地域の自律的な知恵と現代グローバル防災の両視点から、地域強靭化に取り組む。 専門領域は、都市防災へのICTの活用、複雑系、Human-Computer Interaction。

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