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  4. リアルタイムデータによる災害対応の高度化 ―自律的レジリエント社会実現に向けて―

リアルタイムデータによる災害対応の高度化 ―自律的レジリエント社会実現に向けて―

リアルタイムデータによる災害対応の高度化

―自律的レジリエント社会実現に向けて―

災害国日本において、迅速かつ実効性の高い災害対応は重要な課題である。本稿は、モデル的事例を端緒として、同様のデータ活用および取組が地域の災害対応に必要であることを指摘するとともに、そのような目的に向けて、データ保有企業、ICT企業および地域のステークホルダーがシステム、実践の両面から協働すべきであること、そのような社会プラットフォームが必要であることを主張する。

上級研究員 上田 遼
発行:2019年3月

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要旨

災害国日本において、迅速かつ実効性の高い災害対応は重要な課題である。あらゆる社会データを活用した高効率・最適化社会を実現するにあたり、災害時の情報把握や意思決定の要となりうるリアルタイムデータの活用は必ずしも進んでいない。

甚大な人的被害が生じた2018年西日本豪雨災害では避難遅れが指摘された。筆者はリアルタイムデータを用いてより実効性の高い避難対策ができると考え、被災当時の真備町を対象に、人口データをもとに避難状況を分析した。その結果、リアルタイムデータを用いて、ハザードの高い地域での人口滞留などの危険状態を如実に把握することができることを示した。現在の一斉の避難勧告に加え、データに基づく特定地域の避難誘導の重点化など、限られた時間での効果的な災害対応を行うことを防災・地域政策に提言する。

また、さらに実効性の高い対策のため、中京地域の産業の要衝の一つである豊橋明海地域をフィールドに設定し、データ分析のみならず予測・判断を組み合わせた対策を目指し実践的に取り組んだ。当該地域の企業等ステークホルダーとの議論より、災害後の道路混雑等が当地の地域規模の重要課題であることから、被災時刻別の道路混雑予測シミュレーションにリアルタイムデータを活用した。データの居住者情報等から、日中、夜間の実際の人口分布に加え、帰宅方面などを含む実況に即したモデルを構築した。シミュレーションの結果、時刻別の道路混雑を予測、可視化するとともに、一律の全域通行禁止ではなく、時刻別や経路別に優先度に配慮した参集・救急通行のルール化が可能であることを示した。当該結果は、地域連携のための重要な示唆、エビデンスを与えるものとして、ステークホルダーへの訴求に有効であった。

本稿は、上記のモデル的事例を端緒として、同様のデータ活用および取組が地域の災害対応に必要であることを指摘するとともに、そのような目的に向けて、データ保有企業、ICT企業および地域のステークホルダーがシステム、実践の両面から協働すべきであること、そのような社会プラットフォームが必要であることを主張する。

上田 遼

本記事の執筆者

上級研究員

上田 遼

 

株式会社富士通総研 経済研究所 上級研究員
2007年、東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了後、鹿島建設株式会社、株式会社小堀鐸二研究所を経て、2016年 富士通総研入社。2017年より、名古屋大学減災連携研究センター受託研究員兼務。
地域の自律的な知恵と現代グローバル防災の両視点から、地域強靭化に取り組む。 専門領域は、都市防災へのICTの活用、複雑系、Human-Computer Interaction。

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