GTM-MML4VXJ
Skip to main content

English

Japan

  1. ホーム >
  2. DX推進指標によるアセスメントを起点とした企業のデジタル改革-アセスメントから見えてきた2025年の崖を乗り越える5つのヒント-

入力不要

DX推進指標によるアセスメントを起点とした企業のデジタル改革

-アセスメントから見えてきた2025年の崖を乗り越える5つのヒント-

経済産業省は2018年発行のDXレポートで、「2025年の崖」という表現を使い、経済的損失に対する強い危機感を示し、デジタルを活用した変革を促しています。さらに、2019年にDXレポートが出されたことにより、企業にDXを推進する機運が高まっています。本稿では、企業がデジタル改革を具体的に進めるためのヒントをご紹介します。
(マネジングコンサルタント 児玉 弘樹)

掲載日:2020年1月10日

opinion-c2020-1-2

1.DX推進機運の高まり

近年、Airbnb やUberなどに代表される、既存の産業構造を破壊し、短期間で急成長する企業が現れています。Airbnbは、従来の宿泊業が施設と従業員を用意して事業を行っていたものを、施設どころか従業員も用意せず、ICTを活用して施設と宿泊者を結びつけるビジネスモデルを作り、2008年に設立後、約10年で世界190ヶ国以上に展開しています。

このような変化が起きていることを踏まえ、経済産業省は2018年発行のDXレポートで、「2025年の崖」という表現を使って、このままでは大きな経済的損失が出る可能性があると強い危機感を示し、デジタルを活用した変革を促しています。特にビジネスに不可欠であるICTに関して、継ぎ足しによる仕組みの複雑化で、システムの運用や維持に多くの人手や費用がかかっています。また技術者の退職により複雑化された中身がブラックボックス化し、さらに運用や維持の費用が増加する悪循環が発生するなどの問題点を指摘し、変革においてICTが足かせになると警鐘を鳴らしています。

さらに、2019年に経済産業省から、DX推進指標が出されました。この指標はDXレポートの改革を推進するために実現すべき項目を示したものです。推進指標が示されたことで、DXを冠した推進部門を立ち上げるなど、企業にDXを推進する機運が高まっています。

2.DX推進を阻む壁

この動きに合わせて、富士通総研に相談に来られるお客様が増えています。相談内容はおおむね、「DXを進めたいが何をしてよいかわからない」といったものです。この理由は大きく2点あると考えられます。

1点目は、自社にとってのDXとは何かという議論で行き詰まっていることが挙げられます。DXという言葉から連想されることが多岐にわたること(図1)、そして何より現状では何が正解なのかがわからないことが、進む方向性が収れんしない原因だと考えられます。

【図1】DXから連想されるイメージ
【図1】DXから連想されるイメージ

2点目は、DX推進指標を用いて、現状の実現度合いを把握することはできるのですが、次に何を行うべきかという具体的な施策に落とし込めないことが挙げられます。従来の事業では効率化や改善として、すでに存在している業務プロセスやICTの見直しの検討は行われ、ノウハウも蓄積されていると思います。ところが、DX推進指標で示される項目は、先の見通せない中で、挑戦と失敗を繰り返すことを前提とした取り組みであり、多くの企業にとって、従来実施しておらず正解がない中で新たな目標やプロセス、ICTなどを作ることになるため、これがDX推進の壁になっていると考えられます。

3.DX推進のヒント

富士通総研ではDX推進指標を用いた成熟度アセスメントサービスを提供しています。その経験から見えてきた、デジタル改革を具体的に進めるためのヒントをご紹介します。

ヒント(1) DX推進指標をフレームワークとして段階的に具体化する

DXという言葉でイメージする内容は人それぞれですので、DXに関する議論は発散しがちです。また、DXには正解がないことから、ビジョンを固めて、次に事業への落とし込みをしてという具合に、フレームを上位からきっちり固めようとすると、なかなか進められません。そこでビジョン、枠組みなどを並行で検討し、段階的に具体化することが前に進めるポイントです(図2)。

【図2】DX推進におけるフレームワーク活用
【図2】DX推進におけるフレームワーク活用

ヒント(2) 取り組み領域を明確にする

DX推進は最初の段階ではゴールまで見通せないため、必ず成果が出るというものではありません。そのため既存の盤石な事業基盤があってこそ、取り組みが可能なものです。したがって既存事業に関しては、従来の効率化や改善による事業基盤の強化に取り組み、それ以外の領域(図3)が比較的推進しやすいと考えます。

【図3】DX取り組み領域
【図3】DX取り組み領域

ヒント(3) 経営トップのコミットメントを得た挑戦と失敗を繰り返せる取り組み

改革的な活動は周囲の理解を得られづらい場合が多く、草の根的な活動になる場合もあります。一方、DX推進に関しては、経営トップのコミットメントを得て、企業としての取り組みにすべきです。取り組みには、事業横断での協力や他の企業との協業が必要な場合もあり、草の根活動では限界があります。また、先が見通せないため、失敗を繰り返しながら進めますので、周囲から成果の出ない取り組みをいつまで続けるのか、などのネガティブな意見が出ることもあります。これらの状況のなかDXを進めるためには、経営トップのコミットメントは重要です。

これらを通じて、活動を制度化し、既存事業と新規事業立ち上げを併存する(図4のToBe)ことが、環境変化への継続的な対応になると考えます。

【図4】DX推進組織の位置づけ
【図4】DX推進組織の位置づけ

ヒント(4) 変化への挑戦を行っている人材を活用

前述のとおりDX推進は挑戦と失敗の繰り返しになります。その取り組みの牽引には、自ら変革に取り組める人材を活用することが重要です。先般より企業内で取り組まれているワークスタイル変革の経験からわかったことですが、企業内で変革を進める際には、ルールやマニュアルで示すよりも、自ら変革する人をクローズアップすることが有効でした。統計としてまとめられていませんが、自ら主体的に改革に取り組んでいる人材は、一定数いると考えられます(図5の改革層)。

【図5】改革人材の構成
【図5】改革人材の構成

ヒント(5) ICTの構築はQCDではなくスピーディーな繰り返し

従来のICTの構築の多くは、ゴール(要件)を明確にして、QCDを担保するウォーターフォール型でした。一方、デジタル革新を進める際には、ゴールが明確でなく、新技術が何に使えるか、新たな事業やサービスの立ち上げに必要なICTは何か、などを手探りで進める場合が大半です。この手探りを短時間で繰り返すために、アジャイル型の採用が増えています。この際、従来の感覚で、品質や機能をきっちり作り込もうとして進まない場合があります。取り組みの初期はまずはやってみて、うまくいかなかったらやり直すことを意識することが重要です(図6)。

【図6】ウォーターフォールとアジャイルの進め方比較
【図6】ウォーターフォールとアジャイルの進め方比較

4.2025年の崖を乗り超えるDXの実現に向けて

デジタル改革は、従来の事業を否定するような大きな変革につながることも考えられます。だからこそ、取り組みを前に進めるためには、小さく具体的な施策に落とし込み、実行することが重要です。企業内で行われている小さな改革に着目し、実践を伴った推進をすることが有効です(図7)。

【図7】実践を伴ったデジタル改革推進プロセス
【図7】実践を伴ったデジタル改革推進プロセス

富士通総研では、企業様が2025年の崖を乗り越えられるよう、アセスメントを起点としてデジタル改革の推進をご支援します。

児玉 弘樹

執筆者プロフィール

オルタナティブ・フューチャーズ 流通グループ
マネジングコンサルタント

児玉 弘樹(こだま ひろき)

 

富士通株式会社入社後、情報・メディア業でのコンテンツマネジメントシステム開発に従事、2007年に株式会社富士通総研に出向、内部統制、ワークスタイル変革支援などを経て、現在では主にデジタル改革支援に従事

お客様総合窓口

入力フォーム

当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。