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  4. ハイパフォーマンス社員のゆくえ―「人間性」を高めることがパフォーマンス向上に繋がる―

社員の心理的側面から見た働き方改革―ハラスメントやコンプライアンス問題を指摘できる雰囲気づくりを―

ハイパフォーマンス社員のゆくえ

―「人間性」を高めることがパフォーマンス向上に繋がる―

発行日:2019年5月15日

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要旨

  • 2019年4月1日から「働き方改革関連法」が順次施行される。改革のポイントとして、時間外労働の上限規制の導入や年次有給休暇の確実な取得、正規・非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の禁止などが挙げられているが、このような制度的な改革を利用して、社員自身が「どのようなハイパフォーマンスを実現するか」について考えなければ、単なる規定変更にとどまってしまう。
  • 本論では、ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットンが主催した「フューチャー・オブ・ワーク(FoW)」の直近でのワークショップでの議論を手掛かりに、働き方改革の中で社員がどのようにハイパフォーマンスを実現できるかを「ソフト」なスキルに注目して考察する。

「ハイパフォーマンス」を仕事と個人の両方の観点から考える

  • ハイパフォーマンスというと、スポーツカーや最先端のパソコンの性能を思いつくかも知れないが、人事においては自律性やコミュニケーション力など人間性にかかわる「ソフト」なスキルに該当するとグラットン教授は指摘している。
  • 仕事の進め方という観点からは、顧客やパートナー、および同僚と新しいソリューションを共創することが当たり前になり、その中で個人にとっては、アジャイルなチームでの働き方、コミュニケーション力、調整力などという「人間性」のあるスキルや高度な技術的なスキルが鍵となっている。また、組織的な観点からは、それにともなって組織構造を非階層的なものにすることも重要な条件になってきている。
  • 「多様な働き方が許容されるべきだ」という考え方も、もはや当たり前になってきている一方で、それを組織に対して要求するだけではなく、社員のほうも、人生のあらゆるステージに応用できるスキルを身につけたり、新しく求められるスキルを身につけたりする努力も不可欠である。また、グラットン教授は、メンター等のロールモデルの役割も大きいと述べている。
  • 現在の人事制度は「過去のハイパフォーマー」すなわち男性のために作られており、今の若い社員のニーズを満たしていない。全世界的に、現在の若い社員は新しい家族観を持っており、ピュー研究所とロンドン・ビジネス・スクールが行った調査によれば、パートナーと安定した関係を作って保つことを大事にしている。しかし、労働時間や休暇日数の管理に主軸を置く働き方改革ではカバーできないため、新しいハイパフォーマーを生み出す個別の取り組みが必要となる。

ハイパフォーマーを生み出すために

  • では、ハイパフォーマーを生み出すためには、組織はどのようにすべきだろうか? グラットン教授によれば、「人間性」にかかわるスキルに重点をおくことが重要であり、すなわち、創造力、推論、社会的知性と感情の知性、コミュニケーション力を磨くことに注力すべきである。
  • しかし、人間性にかかわるソフトなスキルを向上させるには教育が必要ではあるものの、教えるのが難しく、客観的に測定することも難しい。そして、スキルの取得には、長期的な学習が必要で、丸暗記学習などでは足りない。
  • グラットン教授は、ここで組織における課題を指摘している。人事上の施策が必要であることは確かだが、人々は自分と「似ている」相手を選好して傾いてしまうので(例えば、裕福な男性は裕福な男性を採用する傾向など)、測定しにくい人間性を磨く「ソフト」なスキル自体も偏見に堕ちる可能性を否定できないという事である。したがって、ハイパフォーマーを生み出すために、新しい分析ツールを活用する企業が多いという。
  • また、ソフトなスキルを磨く上で「共感」は非常に重要である。ロンドン・ビジネス・スクールの調査によれば、社員の9割は、自分の会社は共感的であると思ったら、同じ会社で長く働き続けるため、良い社員を留めておくことにもつながる。そして、8割は自分の上司に共感できるなら、より長く働くことがわかっている。
  • さらに、パフォーマンスの一時的な低下に対する共感も必要である。共感の欠如は、職場のいじめや、不安定な過労者を生み出してしまうことにもつながり、また、ハイパフォーマーに圧力をかけすぎると、バーンアウトの原因となる可能性も指摘されている。
  • 社員一人ひとりの尊厳が保たれ、個人のユニークな人間性を尊敬し共感し合うことを企業文化のレベルに高める組織全体での努力が重要である。
ニック

本記事の執筆者

研究員

Nick Ogonek(ニック・オゴネック)

 

リバース・メンタリングやダイバーシティに関する組織的な取り組みに着目し、会社と社員の関係性、社員間の関係性などが社員の行動をどのように変えるのかについて研究している。

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