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ウェアラブルが働き方を変える!

「いつでもどこでも」の実現!!デバイスは「持ち運ぶ」から「身につける」へ

2015年1月22日(木曜日)

近年モバイルデバイスの進化が著しくなっています。2010年に発売されたiPadが大ヒットし、これに対抗してAndroidやWindows陣営から多様なタブレットが発売され、さらにタブレット市場の拡大に影響された従来のPCベンダーからは、ディスプレイ部分を取り外してタブレットのように使えるコンバーチブル型など、従来とは異なる形態のPCが登場しています。

中でもとりわけ目覚ましい進化を遂げているのは、ウェアラブルデバイスではないでしょうか。いくつかのベンダーから腕時計型や眼鏡型(さらにグーグルはコンタクトレンズ型のデバイスも試作しています)のデバイスがすでに発売されていますし、2014年の秋には指にはめて指一本で直感的なジェスチャーにより、電子決済や機器の操作、文字入力などが行える指輪型のデバイスが登場しました。

<写真>ウェアラブルデバイス<写真>ウェアラブルデバイス

現在、モバイルデバイスとして市場が拡大しているタブレットですが、コンシューマー利用と比較してビジネス利用の伸びは今ひとつです。この原因の1つとして使い方の違いが挙げられます。コンシューマー利用は、記事や映像を見ることが中心であるのに対して、ビジネス利用は資料作成など入力が中心です。タブレットを使う上でよく聞く課題は入力のしづらさです。ビジネス利用でタブレットの普及が進まないのは、この制約があるからといっても過言ではないでしょう。物理的なキーボード(+マウス)を超える入力手段が実現しない限り、現在のビジネス環境でタブレットの普及は難しいのではないでしょうか。

そこで、この入力の制約を解消する可能性を秘めているのが指輪型のデバイスです。字を書いたり、スイッチを押したりという人間の行動がそのまま入力動作になりますので、現在タブレットでの制約である入力のしづらさが改善され、モバイルデバイスとして活用範囲が大きく広がる可能性があります。

さらにタブレットに代えて眼鏡型デバイスを指輪型デバイスと組み合わせ、VR(Virtual Reality:仮想現実)により仮想的な会議室を表示し、仮想ホワイトボードに指で文字を書くといったことが実現できます。この仮想的な会議室をネットワークでつなげば、仮想会議室に一堂に会しての会議などということも実現できます。

また、眼鏡型デバイスと指輪型デバイスの組み合わせによるメリットの1つとして考えられるのが、ハンズフリーです。PCやタブレットなどを手に持つことが不要になるため、両手が自由に使える状態になり、機械を操作する人や、育児や介護による在宅勤務など、制約を持ちながら働かざるを得ない人にとって仕事がやりやすくなるのではないでしょうか。人が作業をすることが困難な現場において、眼鏡型デバイスにAR(Augmented Reality:拡張現実)で機器の操作手順を表示しながら、指輪型デバイスを使い遠隔操作する、育児や介護をしながら、VRを使って仮想作業場や仮想会議室を表現して、指先の操作で作業を進めることが実現するのではないでしょうか。

育児や介護による在宅勤務といった働く上での制約以外にも、就業時間が場所にとらわれないなど、働き方が多様化してきていますので、仕事で使う道具を「持ち運ぶ」から「身につける」ことにより、真の「いつでもどこでも」というワークスタイルが実現するのではないでしょうか。

働き方が多様化することで、使う道具も合わせて多様化すると考えられます。従来のようにキーボードとマウスを使いたいという人もいれば、上記のウェアラブルデバイスを活用して自由に動ける状態にしたい人もいるでしょう。自らに合った働き方に最適なデバイスを使って効率性に働くために、個人所有のデバイスを業務で使用するBYOD(Bring Your Own Device)がより一層の求められると考えます。

現状、国内企業の多くは、運用の効率化を目的に仕様を共通化したPCを導入しています。管理の効率化やセキュリティ面を考慮した場合、やむを得ない面もありますが、この運用がBYOD導入の壁になっています。

BYOD導入の障害になるのが、2つの意味で管理しきれない多様な私有デバイスに対して、安全に業務を行う環境を用意できないことです。この障害を乗り越えることができれば、BYODの導入が大きく前進すると考えます。

1つめの管理しきれない点は、デバイスの多様さによるセキュリティの担保です。この点に対する考え方に、本人認証の仕組みがあります。モバイルデバイスにしても、ウェアラブルデバイスにしても、デバイスの紛失は避けがたい事象です。この紛失に対して、ウェアラブルデバイスはその「身につける」状態を活かした生体認証の仕組みが実現しつつあります。例えば、認証行為をしなくても身につけるだけで心電計を使って認証が行われるものがあります。

2つめの管理しきれない点は、公私情報の混在です。BYODにより1つのデバイスを公私に使うため、情報(電話帳など)が混在して、企業の管理下に置く範囲が明確にできません。この情報の整理に、1台の端末に2つの独立したユーザー環境を用意して、業務用のアプリケーションやデータと、私用のそれらとを区別する仕組みが実現しつつあります。デバイスとしてBYODを前提とした環境が標準で用意されることで、公私情報の整理ができるものと考えられます。

このような環境の中、デバイスを提供するベンダーとしては、画面の大きさや解像度、カメラの画素数など機能をアピールするのではなく、利用者の視点でどのように使うのか、どのような働き方をする人に向いたデバイスなのか、具体的な働き方を示すとともに、管理面からの効率性とセキュリティを訴求することが必要になってくるのではないでしょうか。

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児玉弘樹チーフシニアコンサルタント顔写真

児玉 弘樹(こだま ひろき)
株式会社富士通総研 テクノロジーソリューション事業部 チーフシニアコンサルタント
現在、コンプライアンス/セキュリティ/フォレンジック系のECM(Enterprise Content Management)に関するコンサルティング業務に従事。