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  4. 【フォーカス】BigData Challenge ~ 業務と分析を繋ぎ、経験と勘をサポート~

【フォーカス】

BigData Challenge
~ 業務と分析を繋ぎ、経験と勘をサポート ~

2014年9月30日(火曜日)

【フォーカス】シリーズでは、話題のテーマに取り組むコンサルタントを対談形式で紹介します。

ビッグデータ活用は重要な経営課題の1つですが、取り組みが進んでいる企業は少ないのが現状です。ビッグデータ活用の成功ポイントは、お客様のビジネス課題を明確にし、業務と分析をうまく繋ぐことであり、経験や勘をデータ分析で補完することによって、お客様企業の社員ひとりひとりの行動変化に結びつくなど、さらに世界が広がっていきます。
本対談では、「BigData Challenge」をテーマとして、ビッグデータ活用のコンサルティング活動を行う亀廼井シニアマネジングコンサルタント、高田シニアコンサルタント、大塚コンサルタントと、テクノロジーソリューション分野で活動する森岡事業部長がビッグデータ活用の現場を語ります。

1. ビッグデータ・ブームでも、実際の現場は具体性に乏しく模索中

【森岡】
ビッグデータは騒がれ始めて5年くらい経ち、爆発的にデータが増え、それを掴まえる仕組みもできていて、それをどう活かすかという話の渦中にいるわけですが、皆さんは早い時期から取り組んでいるので、世の中の騒ぎ具合と実際のところはどうなのかについて、まずお聞かせください。

【亀廼井】
2011年当初はビッグデータという言葉だけが先行していて、お客様もまずは勉強からという段階でした。昨年頃から「ビッグデータ活用」を掲げる企業が増えてきましたが、具体的な解決課題を明確にお持ちの企業は一部だと感じています。

【高田】
ビッグデータ・ブームのきっかけを作ったのは、リコメンド機能で業績を伸ばしたアマゾンに代表されるネット企業だと言われています。個の対応をする際にデータ分析で自動的にリコメンドして、人間がやることをコンピュータにやらせて売上をアップしていくところが初めに注目されて、次第に他の分野にも広がっていきました。そのうちセンサー等からもデータがどんどん集まるようになって、やれることも沢山出て来て、WEB以外にも広がった時に、他の会社も自社でもできるんだと気づいて、今、模索しているところなのかと思います。

【大塚】
日本では、そもそもデータ分析を業務できちんと使う文化があまりないと言われています。ビッグデータという言葉で、ようやく業務でデータを分析するという観点が注目されたのだと思います。

2. 最終的な目的に行き着くためのデータ分析と、そのためのデータ準備が重要

【森岡】
データはあるけど使える状態にないなど、お客様と衝突した例はありますか?

【亀廼井】
企業が保有しているデータは、何らかの業務目的のために作成したシステムで蓄積されたデータのため、捨てられている、データが集約されて生データがない、といったケースも多く、データ不足を感じています。

【森岡】
個にフィードバックしようとすると、発生単位でデータを取ることになりますが、技術や資源や資金の問題で束ねざるを得ないこともあり、そこを溜められるようになってきたのが大きいと思います。データを集め、きれいにして、情報としての活用に行き着くまで苦労したという話はありますか?

【森岡 テクノロジーソリューション事業部長】
【森岡 テクノロジーソリューション事業部長】

【高田】
溜まっているデータだけで業務課題が全部解決できるかというと、そうではないのですが、あるものでやろうとする風潮があるようです。データ分析者は、データが目の前に来たら、データありきで、分析手法の方に考えが行ってしまいがちですが、そこから始めると失敗に終わると思っています。私達はコンサルとして、まずは目的を明確にし、それを実現するためにデータ項目が不足している場合はデータを取るところから始めるということもしています。遠回りになりますが、最終的な目的に行き着くためのデータ分析が必要だと思っています。また、データは多ければ良いというものではないと思っています。

【森岡】
1つのものを対象とした大量のログデータと、様々な観点の大量データとでは意味が違いますよね。どちらの方が良いといった経験はありますか?

【大塚】
基本的にはどちらもある程度必要ですが、ヒントとなる様々なデータがあることが重要です。個人的には、ビッグデータ時代というのは個にアプローチできる世の中の進化だと思っていますので、個の様々な情報がカギになります。例えば金融機関では、ローンやATMの出し入れのデータは様々な業務で分析がされています。しかし、それらは生活のごく一部ですので「お客様が何を考えているか」がデータから理解できるかというと、なかなか難しいと言えます。

【高田】
個のデータは以前と比べるとかなり取れるようにはなってきました。例えばエアコンがどう使われているかは、今は個でわかります。1回スイッチを入れたらつけっ放しの人もいれば、こまめにオン・オフを切り替える人もいます。エアコンを使い始める時期も違いますし、使う機能も様々です。それがわかった上で、最終的には製品開発や個へのサービスに繋げていこうとしています。

【森岡】
ログを活用して設計段階でどれくらい使ってもらえるか想定して製品を作るとか、強度を計算したり機能を入れたりするフィードバックまでの例は実際ありますか?

【亀廼井】
取得したログデータを機器の故障対応などの保守作業に使用するだけでなく、どんな使われ方をしているかを分析することで、お客様のニーズに対応した製品開発に活用していきたいという声は聞かれます。

【亀廼井 シニアマネジングコンサルタント】
【亀廼井 シニアマネジングコンサルタント】

【森岡】
そこができると、この地域にこういう商品ならばこんなに強度は要らないから少し安くする、といった作り方に反映されてくるのではないかと思います。

3. 「BA50」が示す十数年の実績とお客様のニーズを抽出して業務と分析を繋げるノウハウが富士通総研(FRI)の優位性

【森岡】
「このデータを使って何かやって」とお客様に言われて困った例はありますか?

【大塚】
ビッグデータを使う主体は情報システム部と業務側の場合があります。情報システム部のお客様の場合は、「沢山データがあるけど何か発見できないか」と言われて、逆に「お客様のビジネス課題は何ですか?」という話になることがよくあります。目的がないと、分析手段も決まりませんし、出てきた結果を評価することもできないので、プロジェクトは失敗に陥ります。そのため、必ず初めにお客様とビジネス課題を明確にします。

【森岡】
コンサルとして、まず目的を明確にすることから始めるというお話がありましたが、初めてのお客様は何をやりたいか聞かれて、どんなことを言えばいいか困ってしまうので、そんな時に持ち出す案はありますか?

【高田】
「BA50」という今までの実績をまとめたノウハウ・事例が100くらいあるのですが、やりたいことが明確ではない時にはこれらのケースをヒントとして活用することがあります。そもそも私達の部門はビッグデータ分析のために分析を始めたわけではなく、15~20年前からDAC(データ解析センター)という機能を持っていました。データ解析の発想としてはその時点からあったので、ノウハウや実績は私達の優位性だと思います。

【高田 シニアコンサルタント】
【高田 シニアコンサルタント】

【大塚】
機械学習など、大量データをどう捌いて知見を得るかというアルゴリズム・手法と、データ加工・処理を行うシステム・ソフトウェアが進化しています。そうした最新技術を 私達は常に追い求めています。また、豊富な実績から、分析自体をどう設計するか、どう問題を設定し、分析手法に落としていくか、に多くのノウハウを持っています。こうしたデータ分析コンサルタントとしてのノウハウがあるので、お客様のデータをいただいてから分析結果を出すまでが非常に短期間でできるのです。

【森岡】
十何年も分析系を売り物としてやってきたスキルが優位性だと思いますが、「これがFRIの売りだ」というものは何ですか?

【亀廼井】
一言でいうと、「一気通貫」でコンサルティングできることです。私達は、お客様の課題・ニーズをヒアリングし、データ分析で解決すべき課題を整理するところから、分析後の業務への適用まで、幅広くコンサルティングが行えます。分析の技術面では各人が専門分野を持っていますが、お客様とのコミュニケーションの面では、コンサルタントとしてのスキルを共通で持っています。また、テーマによって業種コンサルと連携し、お客様へ最大の価値を提供することを心掛けています。

【森岡】
個人の得意分野も、手法と分野・業種の側面がありますが、ある課題にはこれを組み合わせれば良いと考える人が必要になりますよね。

【大塚】
ビッグデータに限らず、データの業務活用の課題は業務担当者とデータ分析者の間のコミュニケーションがうまくとれないことです。業務担当者はこういうビジネスがやりたいけど、どういう分析をしたらよいかわからない。データ分析者は、こういう分析はできるけれど、どういうビジネス課題を目的にしたらよいかわからない。業務でのデータ活用を進めるには、その間を繋げる人が必要です。データ分析ができ、業務を聞いて分析に落とす繋ぎ役をきちんとできる私達のようなコンサルタントをうまく使うことがビッグデータ活用の成功ポイントだと思います。

4. データ分析人材の育成ニーズに応じて分析技術教育や業務プロセス設計をサポート

【森岡】
この世界は進化して新しいものがいくらでも出てくると思いますが、こんなことがあったら本当はこんなことができたのにとか、今こんなことにぶち当たっているとか、この先こういうことをやってみたい、といったことがあればお聞かせください。

【大塚】
私はビッグデータが根付くには、皆が使ってくれて効果が発揮できることが必要だと思っています。センサーが安くなり、どんなデータも100円程で取れる世界が来れば、もっと分析側もチャレンジできます。様々なサービスが繋がることで個人がどう動いているかわかった時、押し売りするのでなく、どう良い生活をするかをサポートして、利用者に還元する世界になると良いですね。

【森岡】
お客様の中で当たり前になってくると、一連の業務や処理の中に織り込まれるようになり、お客様の中に分析の仕事を残さなければならなくなりますが、そういうところも対応していますか?

【亀廼井】
お客様にも自分達で分析したいというニーズはあって、社内に人材を育てたいという話が昨年頃から増えています。業務の知識や他部署との連携のある人材に対し、分析技術を身に着けさせ、専門家として育成するためには、通常のローテーションよりも長いスパンで捉えることが望ましいと考えます。しかし、各企業のキャリアプランとのギャップ等により、内部で分析者を全部賄う限界もお客様は感じていらっしゃいます。

【森岡】
分析のプロを社内に置くという話と、外に頼むという話と、社員みんながやるようにしてしまうという話もあると思うのですが。

【亀廼井】
あるお客様では、高度な分析は外部のプロに任せて、定型化できるものについては、分析ツールやレポート等で提供することを実践していらっしゃいます。

【大塚】
今後、データを使ったサービスを創る時にデータ分析を内製化するか外注するか判断が求められてくると思います。FRIとしては分析技術の教育や業務プロセスの設計などサポートしていければと思います。

5. 熟練者の経験や勘をサポートするデータ分析で新しい世界を生み出す

【高田】
私は今取り組んでいる仕事をうまくやりたいというところで、挑戦が毎回ある感じです。今は浄水場におけるビッグデータ活用を担当していますが、現場の熟練者が持つ経験や勘をいかにしてデータ分析で実現するかがポイントとなっています。例えば、浄水場では水質を良くするために数種類の薬品を入れるのですが、川や湖から来る水は一定の水質ではなく、豪雨になると濁るので沢山薬品を入れなければならないといったことを、熟練者が薬品を入れて結果を見る繰り返しでやっています。彼らにインタビューすると「言葉では説明できない」と言う、そのような暗黙知・経験知の部分を分析でやろうとしています。水は安定供給されなければならないこともあり、現場では薬品を多めに入れてしまうことがあります。入れ過ぎてもゴミとなって排出されるので問題ないのですが、本社側はその薬品コストはムダだという認識で、分析したいのです。本社側としては熟練者頼みではなく、新しく入った人もすぐにわかって欲しいし、支援的にも使って欲しいのです。熟練者がいなくなったら終わりということになると、会社にとってもリスクですから。

【森岡】
熟練者が何故その作業をやっているのか聞き出すのも大事だと思います。

【大塚】
農業も経験と勘の世界で、熟練者はその暗黙知の中で、「蛙が鳴いたら …」といった自然界の要素を嗅ぎ取り、経験知で対処して良い作物を作って行きます。今はデータが足りないので、暗黙知の形式知化ができませんが、もっと増えていくと、人間をサポートできるようになると思っています。

【大塚 コンサルタント】
【大塚 コンサルタント】

【森岡】
農業従事者は些細な違いをセンシティブに感じ取れ、それも大自然の中で状態を嗅ぎ取らないと、1年かけて作ったものをダメにしてしまうという意識があるからだと思うのです。五感で感じるものをいかにデジタル化し、手応えがすぐ来ないところをどうサポートし、どう推論するかで違いが出てくる。それができると、周りの風景も変わってくると思います。

【大塚】
農業でも製造業でも熟練者がリタイアする時期にきて、若手へのノウハウの引き継ぎがうまくいかず、例えば事故が起きるなど、問題視されています。熟練者は経験を積めば身につくと言いますが、それでは変化に対応できないので、そこをサポートする良い機会かと思います。

【森岡】
プラントでも熟練者が一個の動きに意味を持って動いているので、その動きの理由まで教育していかないといけないと感じます。ものづくりも、別の人が見ると変だと思われるところは、それなりの意味があるので、設計で変えた理由を引き継いでおくことが重要です。

【亀廼井】
それらはUIA(Unified Information Access)(*1)やオントロジー(ONTLOGY)(*2)の技術を用いて行っています。

【森岡】
そういうところを両建てでいけると、面白い世界になると思います。

【全体写真】

対談者(写真左から)

森岡 豊 (株)富士通総研 テクノロジー・ソリューション事業部 事業部長

高田 和実 (株)富士通総研 ビジネスアナリティクス事業部 シニアコンサルタント
数理統計手法・最適化手法を活用した業務改革コンサルティング、および、物流分野を中心とした官公庁向け調査研究、コンサルティングに従事

大塚 恭平 (株)富士通総研 ビジネスアナリティクス事業部 コンサルタント
入社以来、富士通のビッグデータビジネスの立ち上げに従事。ビッグデータ分析の提案、分析の設計と実施、業務展開検討と、幅広い実務経験を有する。
現在は農学とビッグデータの知見を活かし、農・食産業でのICT・データ利活用を核に、農業データの流通を目指した標準化の調査・活動や、農業に役立つICTのメニュー提案を実施中。

亀廼井 千鶴子 (株)富士通総研 ビジネスアナリティクス事業部 シニアマネジングコンサルタント
入社以来、データ分析を用いたコンサルティングに従事。2011年からは富士通の「キュレーションサービス」の立ち上げに参画。

注釈

(*1) UIA: 統一化された情報アクセス環境の実現とその利活用によって情報の可用性を高め、価値創造やそれらを扱う業務プロセスの飛躍的な高度化、さらにはそうした飛躍的に高度化された業務プロセスがテコになった新たなビジネスモデルの創出を狙いとする富士通総研のサービス。 

(*2) オントロジー: 元々は「存在(on)」を探求する哲学の1分野で、情報科学では実体を概念的に体系化したり、それらを表現する情報群を体系化する技術とされ、人工知能やセマンティックwebでの応用が期待されている。

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