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連綿と続くワークスタイル変革

2014年1月27日(月曜日)

1. 労働人口の減少ということ

少子高齢化のインパクトは労働人口の減少だけが意識されがちであるが、その本質的な課題は従属人口に対する労働人口の比率が低下することにある。日本では2005年に66.1%だったのが、2020年には60.0%まで減少するという予測がある。いわゆる人口ボーナス期から人口オーナス期への転換がもたらす様々な影響を皆で考え、新たな常識とする必要があるということである。

このような状況において、日本がなお国際社会で戦い、リードするポジションに立ち続けるためには、労働人口の生産性を高めるための差別化施策が重要であることは言うまでもない。その1つのアプローチとして、我々は従来からワークスタイルの変革を模索してきた。

2. 多様性と標準志向

従前より創意工夫による改善活動の浸透によって、企業の現場業務の生産性はICTの活用との相乗効果もあり、飛躍的に高まってきた。これは日本だけに止まらず、現在、人口ボーナス期の国々でも同様なことが起こっている。生産性向上という観点で長年議論になってきたのは、いわゆるナレッジワーカーと呼ばれる職種の生産性向上策である。例えば、営業部門や企画部門、マーケティング部門などである。すべての企業において、ナレッジワーカーでの差別化こそが企業競争力に直結する環境に置かれている。

本来、ナレッジワーカーに求められるのは創造性や柔軟性といった資質であり、一人ひとりの多様性を活かすことが経営者の大きな課題の1つである。しかし一方で、多様性という隠れ蓑に潜む単純作業が存在するが、それを炙り出すことは勇気が要る。創造的活動を行うための前準備や後工程、例えば人の検索や会議調整などが相当するが、それこそが自らの存在価値だと思っている人が多いからである。

したがって、現代のワークスタイル変革の狙いは、以下の2面で捉えるべきである。

  1. 単純作業として潜んでいる活動を標準化し、その効率をさらに高めること
  2. 突出させるべき多様性(属人性)を強化するための変革施策

3. 情報のフラット化とハンディキャップ

ICTの進展により、データの共有度は従前に比較すると飛躍的に増大した。これを理解しないマネージャーは、例えば経営情報などの特定情報を小出しにすることで自らの存在価値を示すことができると考えている。しかし、これは大きな間違いで、ソーシャルネットワークの進展により、ある意味で「本音と建前」を使い分けられる時代は終わろうとしている。例えば、かつては上司に案件相談に行けば、すかさず適当な人をその場でアサインしてもらい、それが「できる」マネージャーの証明であるといった価値観もあったが、今やかなりの部分はICTが代替できるようになっているという変化。

一方、データが情報として持つ意味を的確に理解するのは、受け手の能力に大きく依存する。その意味では、物理的なデジタルデバイドより、むしろ能力的デジタルデバイドを埋めることが情報のフラット化を進展させるために求められる要素である。誤解を恐れずに言うならば、「能力に依存する」ということは、すべての人は「ハンディキャップ」を背負っていると理解するべきだということである。例えば、言語能力は卑近な例であり、「英語が苦手」な人はそれだけでハンディキャップを背負っている、ということは誰しも理解することだ。もっと考えると、会話力や思考力など、すべてのバラツキこそが多様性と捉えるべきである。

そのハンディキャップをいかにしてICTで補完するか、という観点でこれからの技術の潮流を捉えるべきと考える。五感を補完する技術はその最先端かもしれないし、ウェアラブルデバイスの進展も同様である。こういったハンディキャップをICTで補完しながら情報のフラット化が進展する。その情報を活用する発想が多様であることが創造活動の必要条件になるのではないだろうか。

ICTに支えられて情報がフラット化する。その上で人が競争力を持つために求められる能力向上こそがワークスタイルを変革するキーポイントとなる。

4. ワークスタイル変革の観点

ワークスタイル変革は、効率化と競争力向上の両面で考えてきたテーマである。近年のICTの進化により、グローバル化やモバイル環境への対応要素技術も進化しており、効率化観点でワークスタイル変革を考えるテーマは多くなってきた。例えば、グローバルなUnified Communication環境の構築と活用や、情報共有の仕組み、モバイルデバイスの活用、仮想現実化技術やセンサー技術の活用など、定型非定型を問わず空間制約を意識せずに業務プロセスの品質向上や短時間化などを推し進めることができる。労働人口の生産性を高めるための差別化施策の第1の観点と言える。

さらに、第2の観点は企業競争力の向上であるが、それは人に依存させるべき「柔軟な発想力」「判断力」「情報を繋ぐ力」あるいは「プロセス成熟度」の向上が求められ、決して技術が補完できる領域ではないのではないか。この課題は世代を超えて変革が求められ続ける領域であり、しかしながら取り組まない企業は100年企業として生き残ることが難しいと考える。

我々はこのような観点を持って、絶えることなく連綿と変革を推し進めて行きたい。

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細井事業部長顔写真

細井 和宏(ほそい かずひろ)
株式会社富士通総研 執行役員 コーポレート基盤事業部長
1983年富士通株式会社入社後、エネルギーSE、英国駐在、製造業SEを経て、2006年に株式会社富士通総研へ。製造業のお客様を中心とした事業革新・業務プロセス革新、ERP戦略策定などを経て、現在はワークスタイル変革とWeb統合戦略を軸にしたコンサルティング活動に従事。グローバルSE経験を活かして、企業の経営・事業戦略立案からICT活用定着までを得意とする。
McGill Univ. Master of Management、(旧)特種情報処理技術者