本内容は、日刊工業新聞に掲載された記事6編について承諾をいただいた上、転載しています。
今や企業にとって情報通信技術(ICT)の活用は必要不可欠となっている。しかし、クラウドやビッグデータ(大量データ)の急速な普及など、ICT分野の技術進歩は時に使う側の理解を超えたスピードで進む。自社にとって最適なICTの導入はどうあるべきか? 富士通総研で企業へのコンサルティングに取り組む専門家が事例に基づいて解説する。ここではグローバルに展開する企業のサプライチェーン改革におけるICTの活用を提示する。
A社は東南アジアで情報機器製品の量産製造を行う日系企業である。ピーク時は合わせて月産数百万台の完成品をパソコンとサーバ用途としてアジアや北米、欧州向けに出荷している。部材調達額は売上高の約6割を占め、事業利益の源泉を担う調達部門の役割は非常に大きい。主として北米や中国、東南アジアに所在する日系・外資系サプライヤーからグローバルに調達しており、コスト削減と安定供給が最大の使命である。市場価格競争が激しく、年率10%を超える部材のコストダウンが必達目標であった。
厚生労働省が発表した平成24年度高齢化白書によると、今後50年間で15歳から65歳までの労働人口、いわゆる生産年齢人口が半減すると言われている。今後10年をみても約700万人の生産労働人口が減少するとされており、少子高齢化時代は迫っている。また生産年齢人口の構成比率をみると、15歳から29歳までの若者と30歳から65歳までの中高年の比率は、2010年で1対10と80年代から倍増している。単純に考えると、中高年10人のノウハウを受け継ぐ若者が1人しかいないことになる。
このような環境下で安定的なモノづくりを行っていくためには、少子高齢化に伴う労働力不足を補う圧倒的な生産性向上と同時に、中高年から若者へ引き継ぐ知識やノウハウの絞り込みと役割分担の見直しが急務となる。
クリス・アンダーソンの著者「MAKERS」で新産業革命を起こすツールとして取り上げられた3Dプリンター。各企業の導入が徐々に進んでいるものの、日本でのビジネス変化はまだ始まったばかりである。先進企業の3Dプリンター活用方法を参考にすることで、今後の製造業の可能性が見えてくる。
【製造】
製造業には、ものづくりによるグローバルな競合他社との差別化に加え、製品を取り巻く様々なサービスを組み合わせた高付加価値の事業展開が求められます。製品設計や生産、販売などの基幹業務改革だけでなく、経営・事業戦略の策定や人材育成など、多面的な視点でお客様の事業の強化を図ります。
サービスカタログ「損益改善に直結した購買コストダウンの実現」
サービスカタログ「コア技術・技能の伝承を実現する技術・技能伝承コンサルティング」
赤荻 健仁(あかおぎ けんじ)
(株)富士通総研 産業事業部 シニアマネジングコンサルタント
1993年 富士通(株)入社、同年(株)富士通総研出向。
現在、製造業ビジネスを中心とした販売、生産、調達、物流における事業革新・ビジネスプロセス革新、ICTマネジメント、人材開発、経営管理・業務に至る全体システム企画に従事。
齋木 雅弘(さいき まさひろ)
(株)富士通総研 産業事業部 シニアコンサルタント
1999年 成蹊大学工学部経営工学科情報処理専攻修士課程修了、
富士通(株)入社、(株)富士通総研へ出向。
製造業のお客様を中心に開発・設計、生産、調達業務における業務革新、情報化構想立案に従事。
滝沢 一秀(たきざわ かずひで)
(株)富士通総研 産業事業部 シニアマネジングコンサルタント
1985年 富士通(株)入社、2010年 (株)富士通総研へ出向。
現在、製造業ビジネスを中心とした生産、調達における事業革新・ビジネスプロセス革新、
ビジネスイノベーション企画業務等に従事。
野中 帝二(のなか ていじ)
(株)富士通総研 産業事業部 マネジングコンサルタント
2004年 (株)富士通総研入社。
製造業のお客様を中心として、ものづくり革新、技術・技能伝承、情報化構想立案などのコンサルティングに従事。
このページを共有 |
![]() |
![]() |
![]() |