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  4. 「未来」を形づくる 第2回

「未来」を形づくる 第2回

ビッグデータ編 ~未来の情報活用を形づくる~

2012年2月23日(木曜日)

1. 今、注目を浴びるビッグデータとは

ビッグデータとは

【図1】ビッグデータとは

「未来を形づくる」第2回は、先頃より話題となっているビッグデータを取り上げます。ビッグデータとは、ソーシャルメディアなどを代表とするWebサーバに蓄積されるテキストデータや画像、各種センサーデータなど、大量に発生するライフログやセンシングデータなどを総称して使われることが多いです。ただし、定義によっては、これらのデータを収集・分析し、新たな価値を提供する工程までを含めてビッグデータと称される場合もあります。

2. ビッグデータとBIなどのこれまでのITソリューションとの違い

ところで、これまでもデータを収集し、蓄積、分析するITソリューションは、経営の見える化を行うBI(ビジネスインテリジェンス)などでも実施されてきました。では、これまでのBIのようなITソリューションとビッグデータは何が違うのでしょうか?

ビッグデータとBIなどのこれまでのITソリューションとの違いは、大きく3点あると言われています。

  • ビッグデータでは、構造化されたデータだけでなく、音声や動画などの非構造データを取り扱う点
  • ペタバイト級以上の大量データを扱う点
  • データを分析し、新たな価値を出すまでのスピードがほぼリアルタイムに近づいている点

これら3点を実現できたことで、これまで収集も分析もされなかった膨大なデータから、新たな付加価値が生まれ、これまでに提供できなかったサービスや環境・社会問題などを解決できるのではないかと期待されています。それでは、実際にビッグデータがどのように活用されているのか、事例をご紹介したいと思います。

3. ビッグデータを活用した事例

ビッグデータを活用した事例は、大きく以下3つの活用に大別することが出来ます。

  1. マーケティング
  2. 業務効率化・コスト削減
  3. 住みよい暮らし

これらの分類の中から、いくつかビッグデータを活用した代表的な事例をご紹介します。

ⅰ. マーケティング ~SNS FourSquare~

マーケティングでよく活用されるビッグデータとしては、位置情報が挙げられます。SNSのFourSquareでは、ユーザーが利用しているモバイル端末から得られる位置情報を基に、ユーザの今居る場所に合致した各種店舗からの広告が配信されています。これは、ユーザーの状況に応じたリアルタイムレコメンデーションを行うことができるサービスであり、ビッグデータの特性である「非構造データ」、「大量データ」、「リアルタイムに新たな価値を出す」の3つの特性を活用した代表的な事例です。(*1)

ⅱ. 業務効率化・コスト削減 ~富士ゼロックスのリモート監視システム~

富士ゼロックスでは、複合機1台につき、約100~150取り付けられているセンサーを利用して、全国に設置されている富士ゼロックスの複合機から、マシンの状態情報や紙詰まりなどのエラー情報、出力枚数などの稼動情報をネット経由で吸い上げ、それらの情報を分析することによって、複合機の故障を事前に予測するリモート監視システムを導入しています。センサーから取得する情報を収集、分析することにより、分析結果をCEに送り、故障を未然に防ぐ計画的な保守業務を実現できており、現場での複合機の状況チェックなどの作業が必要ないため、業務効率化・コスト削減に寄与し、顧客満足度向上にもつながっています。(*2)

ⅲ. 住みよい暮らし ~NOKIA Data Gathering Project~

インフラが未成熟な新興国を中心に実施されている「NOKIA Data Gathering Project」というプロジェクトでは、Nokiaのモバイル端末を利用して、調査員が医療や農業に関する膨大なデータを収集、蓄積されたデータを分析し、その分析結果を必要とする様々な人々へ配信することによって、感染症予防や農産物の損害を防ぐ活動が行われています。(*3)

このように、ビッグデータは、「マーケティング」や「業務効率化・コスト削減」といった企業の事業活動へ貢献するだけでなく、収集した情報から社会の未来を予測し、環境問題のような地球規模での問題を明らかにすることで、私たちの未来の社会をより豊かにする取り組みにも活用することができるのです。

さて、これまでは、ビッグデータの定義や事例をご紹介してきましたが、最後に、富士通におけるビッグデータビジネスへの取り組みとこれらのビッグデータを活用したビジネスを実現するのに求められる「未来」を起点とした考え方や「着想」に関する富士通総研の取り組みに関してお話したいと思います。

4. 富士通と富士通総研におけるビッグデータへの取り組み

富士通では、2011年8月にビッグデータ利活用のためのクラウド基盤「データ活用基盤サービス」を発表しました。このデータ活用基盤サービスは、様々なセンサーから収集されるデータやすでに集められているデータなどを蓄積、統合、リアルタイムに処理し、安全に利活用できるPaaS基盤として、富士通が世界で初めて提供するものです。このデータ活用基盤サービスは、ICTによって人々がより豊かに安心して暮らせる社会「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」を実現することを目的としています。このプラットフォームに関しては多くの関心が寄せられていますが、ただ、いくら情報を蓄積し、統合し、分析処理することができるプラットフォームを用意しても、それらのデータをいかに活用するか、そのデータによってどのように新たな付加価値が提供できるかについて、データ活用基盤サービスをご利用いただくお客様に訴求していかなければなりません。

そこで、富士通総研では、富士通のデータ活用基盤サービスを拡大すべく、これまで培った様々な業種に対する知見やノウハウと将来の各業種の市場・技術動向を踏まえ、お客様の課題に対する「企画」ではなく、その一歩手前の「着想」から入ることによって、それぞれのお客様に適したビッグデータを活用した「未来の情報活用」をご提案させていただいております。個々に取得するだけでは意味の無いデータでも、様々なデータと組み合わせたり、異なる業種のデータとマッチングさせることによって、新たな価値を提供することができるようになるのです。これらの活動を通じて、富士通が目指す、「ICTによって人々がより豊かに安心して暮らせる社会」を実現していきます。

ビッグデータの活用が拡大するには、課題もあります。現在、最も大きな課題とされているのが、ビッグデータを分析することのできる人材の不足です。こうした課題に対して、物流・運輸業などをはじめ、様々な企業の情報システム部門でビッグデータを使いこなせる人材を育成したり、組織を形成するといった動きも出てきています。この人材不足のようなビッグデータの課題に対しては、富士通グループとして、富士通のソリューションや富士通総研のスキル・ノウハウによって、部分的でも、皆様の課題解決のお手伝いをさせていただければと思います。

注釈

(*1) :日経コンピュータ 2011/07/07

(*2) : 日経情報ストラテジー 2011/02/28

(*3) : NOKIAホームページ

シリーズ

第1回「未来」を起点としたビジネスへの取り組み ~今求められる「着想」~

第3回 未来洞察プログラム編~企業の皆様と“未来を創る場”を創る~

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柴田 香代子(しばた かよこ)
株式会社富士通総研 通信・ハイテク事業部 シニアコンサルタント
2002年 富士通(株)入社、2007年(株)富士通総研へ出向。
通信・ハイテク業のお客様を中心とした新規事業・ サービス企画に従事。