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失敗しないWeb会議導入によるコミュニケーション改革

2012年1月26日(木曜日)

1.ニーズが高まるWeb会議導入によるコミュニケーション改革

3.11の東日本大震災をきっかけに、Web会議導入によるコミュニケーション改革のニーズはさらに高まりをみせています。その裏づけとして調査会社シードプラニングによると、Web会議の市場は2020年までに約1000億円に達する見込みで、2008年からの12年間で約17倍に拡大すると見込まれています。(【図1】)

【図1】国内Web会議の市場(単位:億円)
(出典:シードプランニング2011年調査「映像・音声会議システム市場動向と将来予測」に基づき弊社作成)国内Web会議の市場

しかし、「Web会議」と聞くと、業務では使えないというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか? 事実として、登場初期(1990年代後半)のWeb会議は、PC性能の低さやネットワーク回線の細さが原因で、音が聞き取り難い、資料共有がスムーズに動かない、などの課題があり、普及には至りませんでした。しかし、近年のICT進化により、Web会議は現実的に使えるレベルに達してきています。また、iPadなどのタブレット端末を活用した、遠隔での営業支援や現場状況把握/現場指示など、会議以外での活用事例も増えてきており、その活用ニーズは多様化しています。

企業におけるWeb会議導入の主な動機を以下に示します。

  • 会議・研修などの出張コスト、移動時間の削減
  • 部門間コミュニケーション活性化による組織力向上
  • 災害時におけるコミュニケーション手段の確保
  • 在宅勤務の推進(節電対策、ワークライフバランスなど)
  • 顧客サービス向上や、仕入先との商談(社外とのコミュニケーション)

このように、従来は出張コストの削減が主な目的でしたが、今では様々な形態で利用され、その効果を発揮しているため、今後さらに発展していくと考えられます。

2.Web会議導入による改革効果

Web会議導入による改革によって、具体的にどのくらいの効果が創出できるのでしょうか? 紳士服専門店A社様の改革を例にご説明します。

  1. A社様概要
     衣料品販売を主要な事業として全国に数百店舗が存在し、近年では、チェーンストアオペレーションのノウハウを活かした、さらなる新規事業展開をされています。
  2. 課題
     検討のきっかけとなった課題は、「新規事業における本部と店舗の効率的かつ効果的なコミュニケーションの実現」でした。5店舗を全国に点在させて出店したことにより、各店長が本社に集まるには時間もコストもかかるため、店長会議が実施できない状況にありました。それゆえ、店長は新たな業務に関する不明点を本社になかなか相談することもできず、不安は増大し、モチベーションの低下を招いていました。
  3. 改革効果
     Web会議を活用した店長会議の実現よる効果は、以下の通りです。
      ・店長が日々抱く業務の悩み解決によるモチベーション向上
      ・各店舗の成功事例・ノウハウ共有による売上・利益向上
      ・改革による定量効果(前提条件:5店舗、週1回の店長会議)
        出張費:約1,000万円の削減/年 
        移動時間:約2,300時間の短縮/年

年間100万円程度のICT投資で、上記の大きな効果を創出することができました。現在ではさらなる効果創出をもくろみ、会議以外での活用や他事業への展開を行っています。

3.改革推進上の課題と解決ポイント

このようにWeb会議導入によるコミュニケーション改革は、大きな効果を生み出すことができます。しかし一方で、Web会議を導入したが、現場で使われない、使いこなすことができないといったケースをよく耳にします。これは、コミュニケーション改革にはWeb会議が有効に機能するため、単に導入すれば効果が創出できると勘違いされている企業が多いからです。私達は、お客様へのコンサルティング経験から、Web会議の導入、現場への定着化には様々な課題があることを知っています。課題解決に向けたポイントは、Web会議の導入と併せて、以下の2点を実行することだと考えています。

  • Point1:業務を変えること
     Web会議は、音声を集中して聞くため、疲れやすい特性があり、長時間の会議には向きません(2時間程度が限度)。そのため、リアルを前提として設計された会議体にそのまま適用すると、現場の不満を招く場合も多く、使われなくなるケースに陥ります。そうならないためには、Web会議が有効に機能するように会議体を再設計する必要があります(【図2】)。

【図2】全社店長会議の一例
全社店長会議の一例

  • Point2:意識を変えること
     Web会議でのファシリテーションやディスカッションは、慣れないと容易ではありません。また、現場は、新システム導入による業務の変更に、ネガティブイメージを持つことも多く、それを払拭せずにシステム導入しても、Web会議は使われなくなるケースに陥ります。イメージをポジティブに変換させるには、「移動なくリアルと遜色がない会議ができる便利なツールであること」と、「容易に利用できるツールであること」の2つを体感してもらう必要があります。それには、Web会議ならではの利用の“コツ”を加味した会議シナリオ(議題の目的と目標、全体進行と利用機能を定義したもの)の設計を行い、それを基に“慣れる”まで複数回のトライアルによる操作教育を実施することが、重要なポイントになります。

4.プロジェクト成功に向けて

Web会議を現場に定着させ、コミュニケーション改革を成功に導くには、上記の2ポイントを実行することが欠かせません。そのうえ、「業務」と「意識」を変えることにより、単なるコスト削減効果だけでなく、社員のモチベーション向上やコミュニケーション活性化といった組織力を高める効果まで創出し、売上・利益向上につなぐことができます。

このような改革効果を最大限に引き出すコミュニケーション改革を実施してみませんか?

コミュニケーション改革についてのより詳細な内容は、【FRIコンサルティング最前線 Vol.04】「新たな改革領域として注目を浴びる組織コミュニケーション改革」に掲載しておりますので、併せてお読みいただければと存じます。

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塩田 好伸(しおた よしのぶ)
(株)富士通総研 流通・サービス事業部 シニアコンサルタント
富士通(株)入社後、主にロジスティクス分野のコンサルティングに従事。2007年(株)富士通総研出向。現在は、経営管理、SCM、CRMなど幅広い分野で、業務改革やシステム企画のコンサルティングに従事。