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不安な時代の価値観マーケティング 第4回

~価値観マーケティングの活用(旅行編)~

2010年12月1日(水曜日)

第3回 は、「外出」-「巣ごもり」志向と「人見知り」-「他人OK」(つながり志向)の2つの軸の価値観によって消費行動が異なることをご紹介しました。今回は、価値観が異なる4つの消費者タイプをどのようにマーケティングに活用すべきかを、旅行商品を例にとってご紹介します。

1. 従来のマーケティングと価値観マーケティングとの違い

従来のマーケティングのアプローチでは、若年層、家族層、団塊世代層など、年代や世帯といった大きな枠組みで客層を分類していました。そのため、客層毎のニーズの背景を深掘りすることができず、商品企画や販促において、取り得る施策が限られていました。

一方、消費者タイプ分類を利用した価値観マーケティングでは、各タイプの性格や志向が分かるため、ニーズの背景を考慮した具体的な商品企画や販促施策が可能になります。

20代女性を取り込むにはどのようなツアーを企画すれば良いか?

【図1】20代女性を取り込むにはどのようなツアーを企画すれば良いか?

潜在顧客「タカ」の攻略方法

これまでの旅行の市場は、外出志向が強く、人とのつながりを求める「ツバメ」タイプが主力顧客だったと想像できます。一方、同じく外出志向が強くても、人見知りである「タカ」タイプは、性格が優柔不断(中立的)であり、旅行のニーズ調査でも、明確な答えが返ってこないため、商品企画や販促の対象外であったと考えられます。しかしながら、「タカ」タイプをターゲットとして捉え、そのニーズを把握できれば、「タカ」タイプにマッチする商品企画や販促施策が可能となります。以下、具体的な攻略方法についてご説明します。

「タカ」タイプの傾向

【図2】「タカ」タイプの傾向

代表的な「タカ」タイプの人物像

「タカ」タイプは、20代~30代の男性、会社員が多く、性格的には優柔不断(中立的)、行動特性は家にいるよりも遊びに行く方を選ぶ傾向にあります。

旅行に関しては、「旅行が趣味」にも関わらず、こだわりがありません。そして、クチコミなどの情報をあまり収集せず、店頭での説明で興味を持つ傾向があります。また、同伴者の意見に左右され、同伴者から文句を言われると旅行に対する満足度が著しく低下します。

「タカ」を攻略するための商品企画・販売促進

「タカ」タイプの特徴を考慮すると、「タカ」タイプが旅行に満足する条件については、以下の3点が挙げられます。

(1)見知らぬ他人と一緒に行動する必要がない

(2)情報収集の手間が必要ない

(3)同伴者からあとで文句を言われない

そしてこれら条件を満たす商品企画は、これまでの方面別のアプローチではなく、目的別(紅葉めぐり、芸術鑑賞など)に全て(移動手段だけでなく、観光先や飲食場所、移動ルート情報なども含む)がコーディネートされた個人旅行というアプローチが考えられます。また、販売促進手法は、これまで縮小傾向にあった店頭窓口の対面接客方法の工夫が考えられます。

タカを攻略する商品企画・販売促進

【図3】タカを攻略する商品企画・販売促進

以上のように価値観による消費者タイプをマーケティングへ活用することにより、これまでとは違ったアプローチが可能なことがお分かりいただけたかと思います。今回は旅行商品を例にご紹介しましたが、旅行業界以外の様々な分野へ適用が可能と考えられます。その有用性を検証するために、次のテーマとして、リアル店舗とネット店舗の利用方法の違いと価値観の関係を解明する研究に着手しました。研究の成果については、またご報告したいと考えています。

なお、誌面の都合上、本連載ではご紹介できなかった詳細な調査結果や考察をまとめたレポートを発行していますので、よろしければご参照願います。

関連レポート

「価値観マーケティング レポート」

シリーズ

不安な時代の価値観マーケティング 第1回

不安な時代の価値観マーケティング 第2回

不安な時代の価値観マーケティング 第3回

関連サービス

【調査・研究】


石川 康久 (いしかわ やすひさ)
(株)富士通総研 流通・サービスコンサルティング事業部 アシスタントコンサルタント。
2008年(株)富士通総研入社、小売業、サービス業の企業向けコンサルティングに従事。
現在は、ビジュアルコミュニケーション、BI(ビジネスインテリジェンス)などのITサービス導入支援や観光分野の調査・分析業務などを担当。