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システム間インターフェース技術としてのデータマイニング

2010年7月30日(金曜日)

「データマイニング」と聞くと、多くの人は大量のデータをコンピュータ解析し、価値のある情報を取り出す技術をイメージするでしょう。膨大な顧客取引データを分析してお客様の選好パターンを把握したり、次に買いそうな人(物)を予測したりして、お客様へのアプローチに活用するといった応用が典型的な活用分野で、CRM分野の経験者ならば一度はチャレンジしたことがあると思います。

これから紹介する応用分野も、その技術は基本的には上で述べたような技術を発展させたものになります。話を進めるに当たって「システム間インターフェース」というものについて、少しわかりやすくイメージしたいと思います。

1.システム間インターフェース

ここでの「システム」というのは、もちろんコンピュータシステムも含まれますが、もう少し広い意味で考えたほうがわかりやすいかもしれません。例えば日本語言語体系(システム)と英語言語体系(システム)です。この場合、日本語システムと英語システムを繋ぐシステム間インターフェースというのは通訳機能ということになります。そして通訳機能を実現するためには、辞書と文法書が必要になります。コンピュータシステムの場合も、異なる2システム間のインターフェース開発では同様に辞書(データマップ)や文法書(変換ルール)を実装することによって実現します。

正の相関

では、複数のシステム間のインターフェースを実現する時にはどうするでしょうか?

普通は標準セットとかスーパーセットと呼ばれるインターフェース基盤を置き、それを通して相互接続されます。言語の世界でいうと、日の目は見ませんでしたがエスペラント語ということになるかもしれません。現在、異なるシステム間のインターフェース開発には、こうした「標準化」アプローチが一般的で、様々な分野で標準化の努力がされていることは、皆さんもよくご存知のことと思います。

2.システム間インターフェース開発のブレークスルー

以上のような人智によるアプローチが可能な分野は何とかなりますが、不可能な分野に対してはどうアプローチすればいいのでしょうか?

例えば防災のために既存のシステムを全てインターフェースして統合的に予知、状況把握、対策、防災訓練する最適化を考えてみましょう。インターフェースの対象は気象庁、国土交通省、農水省、自治体、警察などのそれぞれが高度に標準化された多数のシステムとなります。さらに水族館のナマズのデータも利用しなくてはならないかもしれません。こうした、拠って立つ思想背景の異なるシステム全体をラッピングできるスーパーセットの開発は標準化のアプローチで果たして可能でしょうか?

もし不可能とすれば、私たちは折角それぞれに整備されたシステムをさらにインテグレートされた形で活用することを諦めなければならないのでしょうか?

データマイニングによるシステム間接続

答えはノーです。そしてこうした状況をブレークスルーするのが、これからのデータマイニングの重要な役割のひとつになっています。ここでは極く簡単に説明しますが、先ず全てのシステムの時計の針を合わせ、以降それぞれのシステムで発生する情報を相互参照できるようにして、それらの情報からデータマイニングによって特徴抽出を行います。抽出された特徴はルールとしてインターフェースに取り込まれて行き、(理想的には)自動的にインテグレートされた防災システムを手に入れることができます。

少しホラのようなユメのような話を書きましたが、実は極く身近なビジネスの現場でもこうしたアプローチが必要になってきています。

3.企業間システムのインターフェース問題

これは、ある専門商社での実話ですが、その商社の売買のトランザクションは1日当たり数十万件あり、仕入先に対しても販売先に対しても、ほとんどが企業間のEDIを通して取引がなされていました。EDIはもちろん業界標準といわれるものを使っていますので、例えば仕入先の売掛データと同社の買掛データは一致しているはずなのですが、なかなか一致せず、これら不突合の確認消し込みが同社の会計部門、営業部門の悩みの種でした。

不照合の原因は、伝票の日付が違っていたり、荷口が複数になって伝票も割れてしまったり、本来きちんと入力されているべき伝票番号が中小事業者ということもあり適当であったり、と種々雑多です。もちろん、不照合のパターンとその後処理が仕様として記述できれば、普通にプログラムを作ればいいのですが、そもそもが例外の山ですから、お客様に確定的な処理仕様を求めても無理な話という感じでした。そこで、こうした中で改善のために採用した手法がデータマイニング手法でした。同社で持っている買掛明細と仕入先からの請求明細データを自動解析し、一見不照合であるものから照合可能なルールを抽出していくという手続きで進め、実際現場で行っている事務結果とほぼ同じ結果を短期間で出すことができました。データマイニングによってインターフェース仕様書を作成したといえるでしょう。

「データマイニングの持つ大量データを解析して価値のある情報を取り出す」というコンセプトは、これまでの顧客データといった特定分野の活用から、より広範なシステム群、例えば社会規模システムのシステム間インターフェース開発技術としてその活用が期待されています。

関連サービス

【研究開発】
最先端の数理科学とITを活用して、複雑化・多様化する経営課題に新たな解決手法を提供します。数値により経営課題を「見える化」することで、意思決定の合理的な支援が可能になります。また、技術に立脚した経営戦略や事業戦略の立案・推進のための支援をします。


渡辺事業部長顔写真

渡辺 南(わたなべ みなみ)
(株)富士通総研 経営執行役 第二コンサルティング本部長代理
1979年 東京工業大学情報工学科卒 同年富士通入社。
流通分野のシステムエンジニアを経て1988年富士通総研へ出向。
流通ビジネスを中心とした事業革新・ビジネスプロセス革新、企業統合・合併に伴うシステム統合計画立案、顧客関係戦略の立案・顧客マネジメントプロセス立案、数理計画・シミュレーションモデルの応用システム企画に従事、現在に至る。