GTM-MML4VXJ
Skip to main content

English

Japan

  1. ホーム >
  2. コラム >
  3. オピニオン >
  4. 地域活性化や新ビジネス創造につながる位置情報関連サービス

地域活性化や新ビジネス創造につながる位置情報関連サービス

2010年4月20日(火曜日)

1.アメリカで注目を浴びる「チェックイン」系サービス

アメリカのネットビジネス業界では、今ロケーションベースサービス(LBS)が注目を浴びています。これは、GPS機能付きの携帯電話やスマートフォンを使って、人々が自分の居場所を共有したり、利用者が現在いる場所にふさわしい情報を提供したりするようなサービスです。その中でも今もっとも注目されているのが、foursquare(注1)とGowalla(注2)という2つのサービスです。

これらは、ともにiPhoneやAndroid端末などのスマートフォンを主な対象としたもので、ユーザーが特定の場所を訪問した時にアプリで「チェックイン」することによって、利用者同士が居場所を共有することができます。特定の場所にチェックインした回数をユーザー同士で競い合ったり、チェックインする場所でアイテムを集めたり、といったゲーム的な要素がある他、例えばレストランでチェックインした人たちにクーポンを配布するといったリアルの店舗への誘導策として1つのビジネスにもなっています。自分がどこにチェックインしたかは友人同士で簡単に共有できるので、一種のSNSであるということもできます。日本でも、2010年4月12日に同じようなサービス「はてなココ」(注3)が始まりました。

2.場所を中心にした仕事紹介とクーポンサービス

日本ではアメリカ以上に以前からGPS機能付きの携帯電話が普及しており、アメリカに負けないような位置情報サービスが普及し始めています。その代表的なものが、株式会社ロケーションバリューが提供する「おてつだいネットワークス」(注4)と「イマナラ」(注5)です。「おてつだいネットワークス」は、学生などの登録者が、位置情報を使って自分の居場所に近い場所の求人情報を簡単に得ることのできるサービスで、例えば授業が休講になったから3時間だけ近くのコンビニでバイトする、といったようなことが可能になります。また、「イマナラ」は、飲食店などが時間と場所を限定したクーポンを位置情報を使って発行することのできるサービスで、飲食店にとっては集客効果があると同時に、突然キャンセルがあった場合などにクーポンを発行することで、食材を無駄にせずに済むというメリットもあります。

3.地域活性化も期待される「位置ゲー」

日本でもう1つ注目されている位置情報サービスの分野が、「位置ゲー」(注6)です。「位置ゲー」は位置情報を利用したゲームのことで、「コロニーな生活☆PLUS」(注7)や「ケータイ国盗り合戦」(注8)などがあります。このうち「コロニーな生活☆PLUS」(コロプラ)では、移動距離に応じてゲーム内通貨「プラ」を獲得することができるため、移動が多いほどゲームを優位に進めることができます。そして、地方の土産店などと提携し、商品を買うとアイテムがもらえるため、地方商店の活性化にも役立っています。売上の一部はコロプラ社の手数料になるという「リアル・アフィリエイト」のビジネスモデルも確立しています。鉄道会社との提携やバスツアーなども行われており、位置ゲーは地域活性化の一手段としても期待されています。

位置情報関連サービス

4.位置情報によるネットとリアルの新結合

Twitterもツイート(つぶやき)に位置情報が付くようになり、Twitterの共同創業者Evan Williams氏は、これからは位置情報が重要になるだろうという主旨の発言をしています。位置情報は、リアルな場所の情報とネット上の情報とを融合させる重要なポイントです。友人との居場所の共有、人と店舗や仕事とのマッチングと誘導、道路の渋滞情報や交通機関の運行状況の共有、災害や観光といった地域情報の提供など、位置情報を媒介としてネットの情報とリアルな場所の情報が結びつくことで、新しいビジネスや公共サービスが生まれつつあります。プライバシー侵害などの課題を解決することができれば、位置情報をめぐるサービスは、これからますます普及し、ビジネスとしても発展していくでしょう。

注釈

注1 foursquare : http://foursquare.com/

注2 Gowalla : http://gowalla.com/

注3 はてなココ : http://c.hatena.ne.jp/

注4 おてつだいネットワークス : http://otet.jp/pc/

注5 イマナラ : http://imanara.jp/

注6 位置ゲー : 「位置ゲー」は、(株)コロプラの商標です。

注7 コロニーな生活☆PLUS : http://colopl.jp/

注8 ケータイ国盗り合戦 : http://kntr.jp/

関連サービス

【調査・研究】
富士通総研には産業系シンクタンクとしての長年に渡る調査・研究・分析の実績があります。さらに、コンサルティング・サービスを通して培ったノウハウで「お客さまの現場で役立つリサーチ・サービス」を実現してきました。


浜屋 敏(はまや さとし)
経済研究所 主任研究員
1986年 京都大学法学部卒業、富士通(株)入社、(株)富士通総研へ出向。1993年 米ロチェスター大学経営大学院卒業(MBA) 。2003年~早稲田大学大学院 商学研究科 非常勤講師。
専門領域は、インターネットビジネスや電子商取引の動向、ITが企業経営や産業構造に与えるインパクト、IT投資と組織アーキテクチャ・生産性の関係。
最近の著書・論文に「手にとるようにウェブ用語がわかる本」(かんき出版、編著)、『mixiと第二世代ネット革命』 (一部執筆)東洋経済新報社 2006年9月、「CGMと消費者の購買行動」(富士通総研 研究レポート)など。