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数理最適化技法の新たな活用に向けて

2006年5月23日(火曜日)

最近の情報技術及び数理最適化理論の発展には、目覚ましいものがあります。LP(線形計画法問題)の最適化計算時間が15年前と比較して190万倍速くなった、という発表もあります(40万式×158万変数の生産計画問題の例では、ワークステーションで29.8日かかったのが59秒で解けるようになったという報告が出ています。)

私達は、数理最適化技法をもっと身近に、もっと色々な分野に活用すべく、研究開発を行っています。2006年度オペレーションズリサーチ学会春季研究発表会で、以下の4件の研究成果を発表いたしました。[出典:2006年春季研究発表会アブストラクト集(社)日本オペレーションズ・リサーチ学会]

(1)「プロセス産業における利益計画シミュレーション実現のためのビジネスデザイン」

環境変化に対し、日々の意思決定の利益への影響を考える必要がある。数理手法を利用した利益計画シミュレーション機能があれば即応できる。LPモデルは利益計算によく適合しており、日常作業プロセスの改善にも貢献する。

プロセス産業における利益計画シミュレーション実現のためのビジネスデザイン [180 KB]

(2)「プロセス産業におけるビジュアルモデリングツール」

プロセス産業におけるLPを用いた計画立案の、簡単かつ敏速な作業環境を提供するビジュアルモデリングツールについて発表する。本ツールは、対象となる生産物流プロセスフローを描くことによりLPモデルを定義する。

プロセス産業におけるビジュアルモデリングツール [197 KB]

(3)「プロセス産業の管理会計を支援する数理計画法の新しい活用」

SCMの名のもとに、ITの戦略活用が拡がっている。特にコンピュータの驚異的な進歩により、数理最適化手法がSCM実現に大いに寄与している。本稿では、装置産業の管理会計を支援する数理計画法を活用した新しい試みについて述べる。

プロセス産業の管理会計を支援する数理計画法の新しい活用 [450 KB]

(4)「サプライ・チェーンにおける在庫モデル」

在庫問題について、サプライ・チェーン・マネジメントにおいて果たす役割、現状、今後のあるべき姿、及びそれを実現するためのアプローチ方法について論述する。

サプライ・チェーンにおける在庫モデル [232 KB]


宮崎 知明(みやざき ともあき)
研究開発部主席研究員
1974年富士通に入社。2003年から富士通総研に出向、現在に至る。
富士通に入社以来、OR(オペレーションズリサーチ)分野の中の数理計画法、シミュレーション、スケジューリング、データマイニングのソフトウェアの研究、開発、適用に従事する。富士通総研では、OR手法を駆使し、顧客の最適化問題の解決に従事している。
また、SCM分野での計画系パッケージの顧客適用の経験を持ち、問題指向でのモデリング及び解法の設計開発を行っている。

船越 亘(ふなこし わたる)
研究開発部主席研究員
1972年富士通入社。1986年から富士通システム総研(現富士通総研)。
現在ロジスティクスネットワーク、輸配送、在庫配置などの最適化を中心に、OR/MS(オペレーションズリサーチ/マネジメントサイエンス)の実務適用に関する研究開発に携わる。

茂木 美恵子(もき みえこ)
研究開発部
製造業を中心に、数理計画法(線形計画法、混合整数計画法)を用いた計画策定の研究開発活動を手掛ける。