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【連載】IT-BCP策定を通じたIT部門の企業内ステータス向上 第3回

~大手製造業B社様における取り組み事例~

シニアコンサルタント 矢ノ根 俊之

2009年10月21日(水曜日)

今回は大手製造業B社様におけるIT-BCPへの取り組みについてご紹介します。

B社様では以前からITへの災害対策への取り組みを社内で進めていましたが、比較的多くの費用を要するシステム面での事業継続対策の検討を中心に行っていたため、費用面でなかなか対策が進まない状況にありました。

そこで富士通総研ではB社様に対し、「事業継続能力向上のためには、システム面での対策だけでなく、システム停止時も業務継続が行えるよう、業務面での対策も重要であり、その両面での対策を行っていく必要がある」旨を提案し、業務部門を巻き込んだIT-BCPの策定支援を開始しました。

具体的には、まず業務部門に対し、システム面での事業継続対策を実施した場合の費用シミュレーションを行い、多くの費用が発生することを提示し、協力を求めた上で、業務部門と共に以下の検討を行いました。

  • システム停止時の代替手段(EXCEL・電話・Fax・紙台帳等)の検討
  • 現状代替手段がない場合は、新たな代替手段の検討
  • 代替手段による業務継続手順の検討

新たな代替手段とは、大きく2つあります。1つは、通常業務の運用変更による代替手段の確保です。例えば定期的にシステムから帳票類を出力しておく運用に変更することで、システム停止時も出力された帳票をもとに業務継続が可能になります。

もう1つは、簡易的なシステム面での代替手段の準備です。例えば、受発注業務において、以下のような仕組みを準備します。

  • 被災に備えて安価なサーバを遠隔地に1台準備し、必要最低限の情報として顧客からのEDI注文データを随時格納しておく。
  • 被災時は、該当サーバの情報を参照しながら手作業で受発注処理を行う。

これにより、受発注システムの代替機を遠隔地に準備するより遥かに低コストで、少なくとも被災後すぐに注文データの参照が行え、代替手段による業務継続が可能になります。

このような取り組みに対し、当初、業務部門はあまり協力的ではありませんでしたが、上記のようなコストを抑えたシステム面での新たな代替案の提案により、次第に本取り組みへの理解が深まるようになりました。そして、最終的には代替手段による業務継続手順書の作成を行うことができ、これにより、システムと業務の両面での事業継続能力の向上を図ることができたのです。

最後になりますが、本プロジェクトを通し、B社様のIT部門は、「全社業務に精通し、業務を横通しで見られる」部門であると全社的に認識されました。そして、さらに今後も同様の取り組みを続けていくことで、IT部門の立ち位置は、これまでの比較的受動的な立場から能動的に全社をとりまとめる立場へと変化し、ひいては企業内でのステータス向上につながっていくものと考えています。

【連載】IT-BCP策定を通じたIT部門の企業内ステータス向上 第1回

【連載】IT-BCP策定を通じたIT部門の企業内ステータス向上 第2回

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