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J-SOX対応をトリガーとした意識醸成による継続的改革の実現

シニアコンサルタント 下山 卓克

2009年10月20日(火曜日)

私はここ数年、中堅企業向けのコンサルティングに従事しています。過去に携わったプロジェクトを振り返ると、実際に業務を遂行するお客様側の現場の方の意識醸成が非常に重要であることは理解しているものの、どうすることが効果的であるかについては、決まったやり方があるわけではなく、コンサルタントの価値を発揮する1つのポイントであると考えます。メンバーの改革意識が高まらないことや改革意識が継続されないことにより、プロジェクトが途中で頓挫したり現状の慣れた仕組みに戻ってしまったりすることに課題を感じておりました。

本稿では、上記を踏まえ、中堅金属メーカーA社様の内部統制構築プロジェクトにおける2つのポイントを紹介します。

1.業務/システムの可視化による意識の醸成

当時の状況は全上場企業に対して短期間での制度対応を求められていたこともあり、内部統制構築スキル・ノウハウを持ったコンサルティング会社等の完全な売り手市場と言えました。コンサルティング会社の中には“内部統制構築セット”と称して、テンプレートのみの提供や月1回程度のレビュー会の対応のみの支援を行っている会社もありました。

そのような状況下、内部統制構築ひいては改革の推進を実現するためには、お客様のメンバーが主体となり、自責として捉えるように意識を醸成することが重要と考えており、コンサルタントとして以下の3点に注力しました。

  1. お客様のメンバーへの問題意識の醸成
    内部統制構築の必要要件として、業務フロー/業務記述書の作成があります。その中で、ただ業務フロー/業務記述書をアウトプットするだけでなく、どのような問題が起きているのか、自部門だけでなく他部門とどういう関わりがあるのかを併せて可視化しました。そうすることにより、会社としてどのような影響があるのかを知るに至り、問題意識の醸成を行いました。
  2. 当事者意識の醸成
    コンサルタントが支援できる期間は限られています。改革はお客様自身の手で推進していかなければなりません。そのためにまずは他責の発言ではなく、自責の発言を促しました。また、経営層や監査法人への報告もメンバー自身が説明する機会を設け、自身の言葉で伝えてもらうようにしました。
  3. 日々のコミュニケーションによる信頼関係の構築
    お客様の言葉を学び、傾聴することで、お客様の業務を理解しました。それを日々重ねることで信頼関係を構築しました。

2.改革推進のためのノウハウの提供

可視化された業務を統制するだけでなく、改善・改革することが内部統制構築のもう1つの目的です。コンサルタントとしていかに改革の推進にドライブをかけるかが、最もお客様から付加価値として求められる部分になります。1つは上述の通り、お客様の中に問題意識を醸成することですが、もう1つはお客様に具体的に推進していただくために、改革推進のノウハウを提供することです。改革をお客様自身で推進することにより、更なる改革意識を生み出すために、具体的に以下の3点に注力しました。

  1. 問題を解決するための観点の提供
    内部統制構築をトリガーとした場合、「業務の正確性確保」と併せて「業務の効率性向上」という観点があります。「複数部門に跨る業務の統合」や「属人的業務のシステム化」などの観点について言い続けることで、業務の効率性向上に向けた議論が浸透しました。
  2. 改革のインパクトの可視化/共有
    手作業で行っている業務をシステム化すれば「正確性」は確保できます。それが「効率性」にどれほどインパクトがあるかを算出することで、改革へのドライブをさらに加速させました。具体的に今回のケースでは現状業務を定量的に調査し、例えば40H/月・人かかっていた作業がシステム化によりわずか1H/月・人に短縮されるという期待効果を見込みました。数値として可視化することでお客様自身の改革への意欲が高まったことは言うまでもありません。
  3. お客様主体でのミーティング推進
    意図的にミーティングの設計を我々が主体で進める方法から、お客様が主体で進める方法にシフトしました。そうすることで改革の推進に主体性を持っていただきました。

最後に、お客様は改革に意欲的ではあるものの、社内だけではなかなか進まないという声をよく聞きます。我々コンサルタントはお客様に入り込んで意識を醸成することを念頭においてコンサルティングを実践しています。意識が高まると改革の推進がスムーズになり、更なる改革意識を醸成し、改革のスパイラルが構築されます。改革を検討されている方は、お気軽にお声がけ下さい。

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