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事業部制導入に伴う制度改革と情報システム構築事例

~加工組立製造業における事業部制導入に伴う構造改革事例より~

マネジングコンサルタント 麦島 弘晃

2009年6月25日(木曜日)

企業が多角化や地理的拡大を行うと本社が全ての事業に対して意思決定することが難しくなってきます。そこで、事業運営に関する権限・責任を本社部門から事業部門に権限委譲し、事業部制とすることで本社部門の負荷を軽減することを考えます。しかし、事業部制組織の目的や形態は規模や事業内容により様々です。今回は製造業における生販一体化を目的として事業部制を導入した事例をベースにそのポイント、留意点について述べます。

事業部制を導入して構造改革を実施した企業A社様において、その背景を説明します。A社様の営業部門と生産部門は異なる出身母体であり、それぞれ商社と製造企業が前身です。そして、合併当初より機能別組織形態である本部制組織(営業本部、生産本部、管理本部)で事業を運営してきました。このような体制下で、以下の課題に直面していました。

  • 営業部門、生産部門という機能分業された組織が利益を分け合う構造であり、コストダウン、業務改善が停滞していた
  • 営業部門と生産部門が一体感を持って事業運営を行う意識が弱く、コミュニケーションギャップによる過剰在庫が発生していた

本部制という体制で改善が進まなかった原因は、営業部門と生産部門が利益を分け合う組織運営のため、各部門が協力して業務改善に取り組む意識が弱かったことにあります。また、2つめの課題では、営業と生産部門のコミュニケーションギャップや考え方の違いにより、過剰在庫を発生させていました。つまり、営業は自身のお客様が要求したものしか見込発注しない(営業の論理)。生産は納期遅れの回避や稼働率を優先する(生産の論理)。このような考え方の違いのため、製品の過剰在庫が発生していたのです。

これらの問題解決のため、事業部制導入を契機に各社員の意識改革を行い、製販一体化の事業運営を実現することが必要となります。そのためには以下の2点の改善施策の実施がポイントとなります。

  • 事業部門として収益を最大化するために、需要に対する供給を最適にコントロールする体制と仕組みを構築する
  • 各組織の責任と役割に対応した業務を確実に実行する

事業部制組織の下で生販一体の事業運営を実現するためには、営業部門と生産部門の情報を集約し、製品供給を最適化するための組織設置とITの仕組みづくりを行うことが必要です。この製品供給を最適化する組織が需給調整部門です。需給調整部門はお客様や営業から需要情報を集約して供給計画を立案し、需要と供給を最適化するための計画を立案します。生産部門はその計画通りに生産することで収益最大化を実現します。

次に上記の運用を事業部組織が一体となって実現するためには、各組織の役割に対応した評価が行われることが必要です。それによって改善が加速します。営業部門は事業部損益拡大のために営業活動に注力するとともに、お客様から確実に需要情報を獲得して需給調整部門へ伝達する責任があります。需給調整部門は需要情報を基に製品在庫の適正化や納期遵守のための手配を行う責任があり、そのための生産計画や所要量計画を立案します。生産部門は生産計画通りのものづくりを実施し、品質向上やコストダウン活動に注力します。

このように事業部制を導入する際に、単に組織を変えるだけでなく相互の責任や役割を明確にすることで、各組織の意識改革と生販一体化を加速させることができます。

今回は、生販一体化を目的とした事業部制導入についての改善ポイントについて述べましたが、このような事業構造改革や業務改革について、富士通総研では多くのコンサルティング実績を有しております。是非、ご相談下さい。

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