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銀行基幹系システム再構築に対するグローバル事例からの示唆

金融コンサルティング事業部長 長堀 泉

2009年5月21日(木曜日)

日本における銀行基幹系システムの経営者、利用者部門からみた課題は概ね以下に大別されます。

  1. 運用維持コストが大きく新分野へのIT投資を圧迫している
  2. 新たなサービス追加がスピーディにできない
  3. メンテナンスできる人材、技術スキルの継承が難しい

このような課題を解決するため、オープン技術やハブ&スポーク、米国製パッケージを使った再構築が検討されて来ました。しかし、技術的なフィージビリティは見えたものの、コストとリターンが経営レベルで見合う方法が無いのが現状です。

再構築の手法は、米国での実績を基にした国内業務への適用です。しかし、同じ商業銀行(特にリテールバンキング)でも、米国と日本ではそこに求められるものがあまりに相違しています。即時性の面では、米銀のATMでの取引は、入出金によらず即時元帳を更新することなく日次での更新が当然ということがあります。これは、即時性・完全性を実現するための多大なコストより、余枠内で出金し、結果貸越となれば追加利息を徴収するというビジネス上の割り切りを優先する考えに起因していると考えられます。

また、全体アーキテキクチャーとしてハブ&スポーク(今ではESB/SOA(*))でコンポーネント化された疎関係な機能が連携して全体を司るのは、このような逐次処理が前提で成り立つものであり、日本で要求される即時処理、科目間連携処理をこの仕組みで同じように実現することは技術コスト的に無理があります。

富士通総研では、2年前から欧米大手銀行の基幹系再構築の事例を調査して来ました。業務パッケージ、ITアーキテクチャーを論ずる際に、それらが許容されている社会慣習、利用者の行動を十分に考慮することが重要と考えています。大規模な投資・リスクをはらむ基幹系の再構築については経営者の積極的な関与が不可避であると同時に、個々の銀行個別ではなく業界全体、あるいは社会コストとして我々利用者自身のサービスと対価に関する理解を当局業界一体となり理解を求めることが必要なのではないでしょうか?

注釈

* ESB/SOA : Enterprise Service Bus / Service-Oriented Architecture

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