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生物多様性と企業経営

主任研究員 生田 孝史

2009年5月19日(火曜日)

生態系や生物種の豊かさを示す生物多様性問題が注目されています。多くの企業が、原材料調達など、生物多様性が生み出す自然の恵みに依存していますが、事業活動による生物多様性損失への影響も懸念されています。森林損失によって、年間最大3.1兆ユーロ、世界のGDPの6%が損失するとの報告もあります。このため、企業に対しても、生物多様性の保全と持続的利用の取り組みが求められているのです。

国際的には、生物多様性条約の下、2010年までに「生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」という目標が設定され、民間部門の参画が決議されています。来年10月に名古屋で開催される国際会議では、2010年以降の新たな目標や、原産国と先進国の利益配分ルール等が設定される予定です。国内でも、昨年6月に生物多様性基本法が施行され、事業者の責務が明記されました。今年3月には日本経団連が生物多様性宣言を発表しています。環境省は企業活動のガイドラインを今夏までに制定する予定です。NGO(*)による企業の生物多様性活動の評価も始まりました。

生物多様性への取り組みは、環境破壊による罰則回避だけでなく、調達基準や、企業格付け、ブランド・企業イメージなど、様々な企業リスクの軽減につながります。持続可能な原材料調達のためにも、生物多様性の保全は重要です。また、生物多様性という価値の普及に伴って、生物多様性オフセットサービスや各種認証サービスなど、新たなビジネスモデルも誕生しています。

生物多様性について、その評価手法や制度設計など、検討途上の部分はありますが、企業経営にとって中長期的な重要課題となることは間違いありません。まずは、生物多様性への対応を、単なる環境保護や社会貢献活動ではなく、本業のビジネス戦略として位置づけ、そのリスクとチャンスを明確にしながら、具体的な行動計画を策定することが必要でしょう。

富士通総研では、環境問題を巡る国際最新動向の調査・情報発信、及び企業の環境経営・ビジネス戦略策定の支援、国・地方自治体に対する環境政策策定の支援を推進しており、環境問題に関する様々な顧客ニーズに対応しています。

注釈

* NGO : Non-Governmental Organizations

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