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PHR(Personal Health Record)

~米国医療情報化の官と民の動き~

上級研究員 江藤 宗彦

2009年4月20日(月曜日)

2009年2月15日に米国上下院において72兆円の景気刺激策が可決されました。就任後1ヶ月も経たないこの時期に短期的景気浮揚策を講じた事になりますが、刺激策のうち約2.1兆円が医療情報化に投資される予定で、長期的な視点から医療改革への布石も打っています。

米国では検査や診断の約15%が無駄または重複診療と見られており、医療情報化で医療情報を病院間で共有することにより、無駄な診療を減らすことが可能と考えられています。また、手書きのカルテや処方箋が医療事故の主因になっているとの指摘もあり、電子化されることにより医療事故の防止が期待されています。米国では深刻な生活習慣病患者を多く抱えていますが、病院・診療所と家庭をITでつなぎ家庭での健康管理を促進し、生活習慣病の予防と重症化の抑制を図ろうとしています。

わが国では総額2兆円の定額給付金が国会で議論の末に漸く成立しましたが、選挙対策の「バラマキ」ではなく、国民の多くが不満・不安を持っている医療・介護・教育分野に貴重な資金を投じるべきではないかと思われます。

また、グーグルやマイクロソフト等の民間企業が医療情報分野に参入を行い、PHR(Personal Health Record)の規格競争を展開しています。これまでの医療情報化は、医療提供側(医療機関や保険者)の効率化を目的に進められてきており、医療情報は医療提供側が管理してきました。これに対し、PHRは、個人(≒患者)が自らの生活の質(QOL(*))の向上を図る事を目的に、保健医療情報を収集、保存、活用するものです。

PHRによって個人が医療情報を保有・管理するため、医療提供者中心で進められてきた医療情報化が患者中心で進むことになり、医療自体の在り方が大きく変革される可能性があります。日本でも電子私書箱の導入の議論が進んでおりますが、米国の動向を注目していく必要があると思います。

注釈

* QOL : Quality of Life

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富士通総研には産業系シンクタンクとしての長年に渡る調査・研究・分析の実績があります。さらに、コンサルティング・サービスを通して培ったノウハウで「お客さまの現場で役立つリサーチ・サービス」を実現してきました。