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企業の研究開発活動の国際化

主任研究員 西尾 好司

2009年4月17日(金曜日)

日本企業は、欧米だけでなく中国や東南アジア、インドでのR&D拠点設置を増加させ、R&Dの国際化を進めています。ところが、欧米の多国籍企業は、日本企業にないR&D活動を発展途上国で行っています。それが、現地の貧困者層を対象とするR&D活動です。

世界人口の所得分布を見ると、大半が1日2ドル未満で生活している貧困者です。この層は所得分布のピラミッド構造の底辺にいるBottom of Pyramid(BOP)と呼ばれ、40億人以上に上る巨大市場です。先進国市場では生活インフラが整備されていますが、BOP市場は全くインフラが整備されておらず、先進国市場製品の改良で済ませられません。

BOP市場の提唱者であるプラハラードは、『ネクストマーケット(邦訳名)』の中で、BOP向けのイノベーションには、(1)コストパフォーマンスの劇的な向上、(2)最新技術の活用、(3)規模の拡大を前提、(4)環境資源を浪費しない、(5)求められる機能を1から考える、(6)提供プロセスの革新、(7)現地作業の単純化、(8)顧客教育、(9)劣悪環境への適応、(10)これまでの常識を捨てる等が必要と指摘しています。

ヒューレット・パッカードは、デジタルカメラと太陽電池を活用した最新ITの実験により、現地の雇用創造や生活水準改善を実現させる「i-community」プロジェクトを実施しています。また、インテルは無線通信技術を使った眼病検診のプロジェクトを実施し、このビジネスモデルをカンボジア、ガーナなどへ展開しています。

このように、彼らは現地企業やNGO(*)と連携し、生活基盤改善のためIT技術の実験を行い、そこで構築したビジネスモデルを他国へ展開しています。彼らの戦略は、BOP層を顧客に転換することで、事業と社会貢献を両立させ、巨大市場となり得る地域に事前にブランドを確立することにあります。日本企業もこうした視点をもってR&Dの国際化を考えていく必要があります。

注釈

* NGO : Non-Governmental Organizations

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