Skip to main content

English

Japan

合意形成手法「リザルトチェイン」適用事例

マネジングコンサルタント 深井幸三

2008年3月3日(月曜日)

今やITは経営に欠かせないものであり、経営に与える影響が大きくなっています。IT導入に際し、導入目的と効果や、それを実現するための人とプロセス、ITに関する施策の合意形成をとっておくことは不可欠のものであり、その成否がプロジェクト成功の鍵になるといっても過言ではないと考えています。 本稿では、この合意形成のための一つの手法であるリザルトチェインについて、電子部品メーカーA社のプロジェクト事例を通して、その有効性を紹介します。

A社では、企業規模の急拡大やグローバル展開に現販売管理システムが業務プロセス面、管理面で追随出来なくなっている事から、今回、営業部門全体の業務の効率化を目的に、新販売管理システムの導入の意思決定がなされました。富士通総研から、システム導入開始にあたり、目的や効果の経営トップとの合意形成が不可避として、リザルトチェインの適用を推奨し、実施することとなりました。

リザルトチェインとは、人、プロセス、情報技術、組織などを検討の視点として目的実現に向かった前提条件と施策、効果の因果関係を可視化する手法です。

A社では、営業部門の業務効率化向上という目的【恩恵】に向かって、新販売管理システムを導入すべきIT施策とし、それをスタートとして、情報の一元化や二重入力の削減、販売情報の分析などを検討のカテゴリーにして、

1. IT機能をいかに引き出すか【機能】

2. それを業務でどう活用し、業務効果をいかに出すか【影響】

3. それをどう経営に役立てるか【活用】

の順で、前提条件と施策、効果を抽出し、それらの因果関係をつけて、トップ、業務担当、情報システム部との共有化を図っていきました。

構築したリザルトチェインの概観(部分)

【図】構築したリザルトチェインの概観(部分)

拡大イメージ (83 KB)

その結果、お客様からは以下のような評価をいただいています。

「システム導入の目標に達成するための網羅的な施策と成果が出せた。」

「検討メンバーの合意点や継続検討事項、他部門調整事項が明確となった。」

「視野が広くバランスのとれた検討が行えるようになり、自部門で活用したい。」

併せて、後工程の要件定義を担当したSEの方からも、予定通りの期間で業務プロセス設計や導入プロジェクト計画立案が行えたとの評価もいただいています。

当手法は、新情報システムの導入検討を行われているお客様や、すでに導入は決めているものの、社内で導入目的の合意取りや合意形成がなされていない、できないといったお客様に適用いただき効果を発揮するものと思います。

関連サービス

【製造】

【情報戦略策定】