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中小零細企業に見る企業の成長性

上級研究員 齊藤有希子

2007年11月20日(火曜日)

企業の成長性は、良くも悪くも過去の成長の軌跡に縛られています。それでは、企業成長はどのように過去に依存しているのでしょうか。既存の研究では、不思議なことに、このような企業成長の過去依存性の分析はあまり行われてきませんでした。そこで、CRD(*1)協会の保有する中小零細企業の大規模データベース(約50万社)を用いて分析を行いました。CRD協会は、信用リスク情報を金融機関に提供するサービスを行っていますが、金融機関が融資を行う際には、企業の成長性は、信用リスクとともに重要な情報となり、本研究の分析結果が役立つと考えられます。

分析の結果、企業成長の過去依存性には、以下のような性質があることが分かりました。総資産1億円以上の企業は、継続的に規模拡大する傾向があるのに対して、総資産1億円未満の企業は、継続的に規模拡大することが困難なようです。小規模な企業ほど、前期に規模拡大すると今期は規模縮小し、過去の規模水準に引き戻され、成長軌道に乗ることが難しいのです。すなわち、総資産1億円未満の企業は、規模拡大と規模縮小を繰り返し、いったん総資産1億円を超えると、成長軌道に乗ることができるのです。このような企業成長の過去依存性は、金融機関や取引先企業など、企業外部との関係性によって引き起こされていると考えられます。総資産1億円以下の企業は、このような関係を構築することが困難で、成長軌道に乗ることが難しいのです。

これらの結果は、金融機関の融資に活用できるとともに、中小企業の公的支援策を考える際にも活用できます。総資産1億円以下の企業に対する企業外部との関係構築支援は非常に有効であり、取引先企業の紹介サービスは、社会的に重要であると考えられます。富士通総研としては、(1) 金融機関向けサービス、(2) 自治体の地域政策への提案、(3) 取引先企業の紹介サービスのシステ ム構築、などに展開することが出来ると考えられます。

注釈

(*1) CRD : Credit Risk Database

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