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政令指定都市A市における情報システム最適化コンサルティング

シニアコンサルタント 若林克実

2007年9月26日(水曜日)

私達のお客様である地方自治体は、一部の例外を除き、大変厳しい財政状況にあります。政令指定都市A市においても、その状況は他の地方自治体と同様であり、平成17年3月発表の平成18年度から21年度までの4年間の収支見通しでは、2,172億円の収入不足が見込まれています。

私達は、A市の厳しい財政状況を踏まえ、費用削減効果を重視した情報システムの最適化コンサルティングを行いました。具体的には、A市の情報システムの「あるべき姿(最適化【将来】モデル)」を検討する際に、「現行システムにおいて提供している機能をより安い運用保守コストで提供できないか」という視点を特に重視しました。

検討テーマとしては、「ホスト(ハード/ソフト)の運用保守コストの削減」 「サーバの運用保守コスト削減」「機能・データの最適化」「ネットワークの最適化」です。

一例として、「ホスト(ハード/ソフト)の運用保守コストの削減」のテーマで実施した内容を紹介します。私達はまず、費用削減に最も効果のある費目を特定するために現行ホストの「コストの構造分析」を行った上で、その結果に基づき「最適化(将来)モデルの検討」、続いて「将来的なコストの試算」を行いました。

現行ホストの「コストの構造分析」では、ホストの経常経費内訳の分析を行った結果、全体の53%がハードウェアリース料であることがわかりました。

この分析結果を踏まえ、A市に対して、保有するホストコンピュータをオープンシステム化し、ハードウェアリース料の削減を目指すことをCSF(*1)(重要成功要因)とした提案を行いました。試算の結果、ハードウェアリース料のみで年間3.7億円以上の費用削減効果と、オープンシステム化のための再構築費用(またはマイグレーション費用)とデータ移行費用を加味しても、最短では6年での投資の回収を想定することができました。

私達の最適化コンサルティングでは、現行システムの可視化や抽象的な最適化イメージの提示のみにとどまりません。最適化モデルを策定する際に、そのモデルを実現することにより、費用削減効果に貢献できる方策であるかどうか詳細に検証を行った上で、お客様にご提示することを特長として、実効性の高い最適化コンサルティングを行います。

(*1) CSF : Critical Success Factors

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