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「Facebook Bank」の可能性 ~金融分野に進出する”ならず者四人組”とは?~

2012年8月1日(水曜日)

今やユーザーベースでは圧倒的な影響力を持つFacebookですが、実ビジネスとの関わりの弱さが度々指摘されています。こうした中、米国のビジネス誌ForbesのブログでFacebookがオンラインバンキングサービスのテストを開始したとの記事が発表され、話題を呼んでいます。

Facebookを活用した金融サービス

上記、Forbesのブログ記事では、FacebookがオーストラリアのCommonwealth Bankと共同で年内にもFacebook内の友人同士で利用可能な送金サービスを立ち上げるとしています。Commonwealth Bankでは、自行の顧客向けに既にFacebookを介して送金が行えるサービスを今年の3月にiPhoneアプリとして提供しており、ニュージーランドにあるASB Bankも同様のサービスを提供予定です。このようにFacebookでは、ソーシャルネットワーク上のユーザーの活動やつながりに”お金”を絡めて新たなサービスを提供する方向に動き始めており、今後、送金サービス以外にも広がっていくものと思われます。アメリカン・エキスプレスやマスターカードでは、Facebook上でユーザーがどのようなページで「いいね!」を押したかを分析して、そのユーザーに合ったクーポンを提供するサービスを開始しており、こちらもこうした流れに位置づけられる金融サービスと言えるでしょう。

決済分野へと進出するGoogle、Apple

このように、金融分野での利用が進みつつあるFacebookですが、他のネット系企業の動きはどうでしょうか。米国調査会社Javelin社が今年の3月に発表したレポートでは、今後、金融サービスへ積極的に進出する企業としてFacebook、Google、Amazon、Appleの名前が挙げられています。これら企業をJavelinでは“Gang of Four”(ならず者四人組)と命名し、既存の金融サービスに革新をもたらすと予想しています。こうした発表を裏付けるかのように、Googleは近距離無線通信規格であるNFCを活用した“Google Wallet”と呼ばれる決済サービスを展開しており、また、Appleは次期iPhone向けOSであるiOS6において“Passbook”と呼ばれるオンラインチケット管理機能を発表しています。Passbookでは、オンラインチケットやクーポンをiPhone上で一括管理し、時間や場所に応じて利用者にチケットやクーポンの使用を促すサービスを提供予定です。次期iPhoneではNFCに対応することが噂されており、将来的にはiPhoneがおサイフ代わりとなることも大いに考えられるでしょう。

Amazonが金融サービスへ進出する可能性

一方、Gang of Fourの一角であるAmazonからは、金融サービスに進出するといった話が未だに聞こえてきません。しかしながら、Amazonは、北米だけでも年間売上げが481億ドル(約3.8兆円)を超える世界有数の小売事業者であり、BestBuy、Netflix、Dell、Appleといった有力Eコマース事業者10社の売上高を合計しても太刀打ちできないまでに成長しています。Amazonの強みは、ネット上で圧倒的多数の購買情報を管理していることにあり、こうした購買情報に基づき、利用者の生活形態に合った金融商品を提供することや、現状のポイントサービスを発展させ、決済サービスを手掛けることも考えられます。前述のJavelin社のレポートにおいて、AmazonはFacebookやGoogle、Appleと比較して消費者からの信頼性が最も高いとされ、こうした評判も金融サービス進出の際には有利に働きそうです。

(※Amazonについては、金融サービス参入に関する憶測の報道が複数なされています。2012年10月追記)

Citibankの問いかけとFacebook Bankの可能性

ネット系企業は、銀行と比べてより消費者にとって身近な存在であり、消費者のライフスタイルに密着した情報をより多く有しています。今後、こうした情報を積極的に活用することで、消費者の関心を惹く革新的な金融サービスの提供が可能となるかもしれません。近い将来、ネット系企業が提供する金融サービスが一般的となるのでしょうか。こうした将来を考える上で興味深い例として、先日、Citibankが自行のFacebookアカウントで行った問いかけがあります。その問いかけとは、“銀行取引がFacebook上で行えるとして、あなたはそれを利用したいと思いますか?”というもので、これに対して、即座に多数のフィードバックが寄せられました。フィードバックの大半は、FacebookのようなSNSではセキュリティが心配であり、積極的に使いたくないというものでした。多くの利用者は銀行のネットサービスに信頼性や安心感を求めています。上記ネット系企業が今後、金融サービスを本格的に展開するには、消費者に”信頼性”や”安心感”を与えられるかがカギとなりそうです。

(シニアコンサルタント 松原義明)

参考リンク

Forbes ブログ記事 : http://www.forbes.com/sites/patrickhanlon/2012/07/11/facebook-announces-online-banking-test/

Commonwealth Bank Kaching : http://www.commbank.com.au/mobile/commbank-kaching/what-is-kaching.aspx

Javelin社 プレスリリース : https://www.javelinstrategy.com/brochure/244

Bankinnovation ブログ記事 : http://bankinnovation.net/2012/07/citi-asks-do-consumers-want-to-bank-within-facebook/