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金融機関が提供するオンラインストレージサービス

~重要書類を銀行がオンラインで保管する“情報貸金庫”サービス~

2012年6月19日(火曜日)

銀行口座開設時の書類やマンションの賃貸契約書類など、日常的に使用することは無くてもしっかりと保管する必要のある書類は、日常生活の中で案外多く発生します。最近では、これら書類を電子化してオンラインストレージサービスに保管しようと考えている人もいるかもしれません。しかし、その場合、オンラインストレージサービスのセキュリティに不安を感じるのではないでしょうか。こうした中、海外の金融機関ではインターネットバンキング上のサービスとして、これら重要書類を保管するサービスを提供しています。

情報貸金庫サービス“NetBank Vault”の概要

このサービスを提供するのは、オーストラリア最大の金融機関Commonwealth Bankで、サービスの正式な名称は“NetBank Vault”といいます。このNetBank Vaultは、Commonwealth Bankが今年の4月にインターネットバンキングをリニューアルしたタイミングで発表され、現在はパイロット版として一部の利用者に提供されています。利用者は、スマートフォンに専用のアプリケーションを導入し、NetBank Vaultに保管したい書類をカメラで撮影することでCommonwealth Bankが提供するオンラインストレージ上にその書類が保管されます。NetBank Vault上にある書類は、保存した日付等が自動で割り振られ、また、ユーザー自身でタグを付けるなどして管理することができます。

現在、NetBank Vaultは、Commonwealth Bankのインターネットバンキングを利用している一部ユーザーに無料で公開されており、これらユーザーからのフィードバックを経て正式にサービスとして公開される予定です。利用手数料は無料で、数GBの容量が利用でき、1,000あまりのファイルをオンライン上に保管することができます。ユーザーのファイルは実際には、Commonwealth Bankがシドニーに有するデータセンターに保管されることとなっており、Commonwealth Bankのセキュリティ基準に準拠して保管されます。

Commonwealth Bankでは、このNetBank Vaultの使い道として、身分証明となるパスポートや自動車運転免許のコピー、銀行口座開設時の通知書といった重要書類、そして、税公金の収納控えといった重要な領収書を保管することを推奨しています。しかしながら、基本的には著作権を侵害するものでなければどんな書類でも保管してよいとしており、ユーザーの使い方によっては様々な面白い活用法が生まれてくるかもしれません。

日本国内で想定されるサービスニーズ

NetBank Vaultが通常のオンラインストレージサービスと異なるのは、銀行が持つ“信頼性”を担保にお客様の重要書類を預かる点です。通常のオンラインストレージサービスでは保存しづらい身分証明書の写しといった重要書類についても銀行がその安全性を担保するのであればオンライン上で保存したいというニーズがあると思われます。先の震災では、重要書類を紛失してしまい、その後、役所や銀行で手続きを行う際に手間が生じたという話を聞きます。同様のサービスが日本でも普及すれば、手のひら静脈認証などを活用し、媒体を用いずにオンラインストレージ上の重要書類を参照することで、非常時でも確実に行政手続きや銀行での手続きが行なえる等様々な用途が考えられます。先の震災の教訓を踏まえて、オンラインで重要書類を保管するサービスが自然災害への備えとして有望かもしれません。

(シニアコンサルタント 松原義明)

参考リンク

Commonwealth Bankプレスリリース : http://www.commbank.com.au/about-us/news/media-releases/2012/120528-makeover/default.aspx