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変革を進める着眼点

過去、多くの企業がワークスタイル変革に取り組みながらも成果を出せていない現状があります。その原因の1つとして考えられるのが、高度成長期に出来上がった、上意下達の命令系統を実現する、階層型の組織です。この組織は、戦後の高度成長期に欧米という具体的な目標に対して、追いつけ追い越せという目的を達成するためには都合がよいものでした。各部署の目標が明確であり、個人の主張や特性を求めず、部署に課せられたミッションをいかに効率的に実行するかが重要でした。この結果、組織に属する人間に求められたのが「没個性」「同質性」でした。

近年の環境変化に対応するためには、プロジェクト型やフラット化された水平分業組織など、目的に応じて個々の得意とする能力を持ち寄りミッションを達成することが必要だと言われていますが、この場合に必要なのはダイバーシティ推進による「個性」「異質性」を持つ人材の活躍であり、上記の高度成長期に出来上がったシステムとは相反するものです。

多くの企業がグローバル展開や事業再編を推進し、そこで働く従業員の多様化やワークライフバランスを重視するなど意識が大きく変化しています。さらにクラウド時代の昨今、クラウドワークスタイルやモバイルワークスタイルを実現可能にするICTは急速に進化し、就労スタイルも変化しています。また、子育てをしながら働くワーキングマザーが増加したことで、就労形態の多様化も必要となってきています。フレックス制や在宅勤務がその最たる例で、特に在宅勤務の重要性は今後ますます高くなっていくことでしょう。クラウドソーシングサービスの急速な展開によって、組織に所属しない働き方も広がっており、人材不足に悩まされる企業も増えているため、このような就労形態を取り入れ、雇用の選択肢を増やすことによって、多様かつ優秀な労働力を確保することが急務となっているのです。

このほか、グローバル展開のためには機動力や組織力を高めていく必要があり、モバイル活用によるテレワーク導入も必要不可欠です。

しかしながら、企業はオフィス環境や人事制度・評価制度の見直し、先進的なICT活用によるビジネスプロセス改革に対し、特にホワイトカラー層は十分な業務効率化を図っているとは言い難い状況です。つまり従業員のやる気や満足につながる働きやすい職場環境の整備ができていないということです。いわば、生産性向上改革の手付かずの領域であり、全社レベルで実践することで大きな効果が期待できます。

特に以下4つのテーマ(ホワイトカラーの生産性向上、現場力の強化、柔軟な働く場、コミュニケーションツール活用)は成功に向けた重要な論点となります。

1.ホワイトカラーの生産性向上

今後予測される国内の労働人口および消費人口の減少に直面する日本企業にとって、海外進出に伴う外国企業との競争は不可避です。かつて日本企業は、生産ラインの改善などによって製造業を中心に高い国際競争力を実現しました。バブル崩壊後の「失われた20年」においては、業務プロセスの改善やコスト削減にも努めてきました。ところがOECD(経済協力開発機構)に加盟する先進34か国の中で、日本の1人あたり生産性は20位にも届いていません。生産性を高めるための具体的な切り口としては、(1)成果と労働時間に対する価値観の見直し、(2)人員整理、配置最適化、(3)業務合理化(集約化、簡素化、自動化、廃止)、(4)物理拠点の統廃合、(5)アウトソーシング などがあります。このうち(3)(4)(5)は、購買業務や契約手続きなどのように、プロセスを標準化しやすい定型業務で生産性の向上を図ってきましたが、今後は、コミュニケーションや会議など非定型業務での生産性向上が求められています。

2.現場力の強化

ホワイトカラーの現場力を引き出すワークスタイル変革のポイントは、「効率的な業務をサポートするICTの提供」、「関連制度の充実」、「変革の必要性や期待効果の明瞭化」などです。このうち初動期は、3つ目「変革の必要性や期待効果の明瞭化」に注意を払います。経営層以上に、日々の意思疎通や制度の不合理などに直面している現場の従業員には強い問題意識があるものです。しかし、どこに要望として訴えればよいのか、どう改善策をまとめればよいのかがわかりません。また、既存の慣れたツール類を使いたがる傾向もありますから、ワークスタイル変革に意欲的か反発するかは、まさに変革推進チームの腕の見せどころになります。つまるところ、ワークスタイル変革によって目指す効果や未来像について、十分に共感や合意を得ることが肝になります。

富士通総研が手がけた製造業A社では、現場の意識を変革後の理想像に向けるため、現場社員と一緒になって、ワークショップによるビジョン策定を行いました。具体的には、理想のワークスタイルイメージに近い写真を撮影したり持ち寄ったりしたうえで、それぞれが理想とする職場環境や働き方に関するキーワードを出し合い共有しました。それらを材料にグループディスカッションやアイデアの集約を行い、現場視点による変革ビジョンやアクションプランの策定などを行いました。その結果、ワークスタイル変革への関心が低かった現場従業員のモチベーションが上がり、新オフィスへの移転を前提とした様々なタスクの洗い出しや役割分担、スケジュールなどを早期に整理することができました。別の建設現場の改革プロジェクトでは、現場の理解を得たうえで、温度や湿度、位置情報などをモニタリングし、危険な場所・禁止区域への立ち入りを防止したりして、データに基づいて作業パフォーマンスを向上させました。また、ある保険会社のプロジェクトでは、現場視点で社員が日々行っている顧客との契約手続き業務を合理化するという目標を定め、実際に、営業職員約 3 万人にタブレットデバイスを配布し、配付積立配当金の支払いや契約者貸付などの書面手続きを合理化させることに成功しました。このケースでは、年間約 80 万件分の請求書がペーパーレス化され、お客様は、印鑑を押す代わりにタブレット上で電子サインをするだけで手続きが完了するようになりました。まさに現場の理解と協力を得ることによって、従業員の働き方だけでなく、顧客体験も大きく変化させることができたのです。

ホワイトカラーの現場の生産性を高める全社的なワークスタイル変革。これを推進させるプロセスそのものが、組織間の風通しを良くする試みとも言えるかもしれません。

3.柔軟な働く場

今後継続して優秀な人材を確保するためには、育児・介護など特別な事情を持つ社員にとっても働きやすい、魅力的な職場環境の整備は欠かせません。例えば、働く場所の柔軟性と従業員の意欲の関係について、興味深いデータがあります。2013年から2014年にかけてGoogle社は、25-49歳の女性に対し、複数のアンケート調査を実施しました。離職予定の該当者に「働き続けることが難しい理由」を聞いたところ、過半数が、「通勤や勤務エリアなどの場所に関する制限」と「子育てや子供の急な病気への対応などの時間に関する制限」を理由として挙げたというのです。その比率は、スキル・キャリア・待遇などを退職理由とする割合を大きく上回っていました。

この問題に対する企業の問題意識の高さがうかがえるような調査結果があります。ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン社によると、現在、アジア全域では、半数以上の企業が何らかの柔軟な勤務制度を設けているそうです。それらの企業が導入する制度には、パートタイム制、フレックスタイム制、ワーク・シェアリング、休職制度、定年退職に向けた労働時間の段階的な削減などがあり、導入するテクノロジーや機器類としては、モバイルデバイス、クラウド環境、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、ビデオや仮想空間を使ったコラボレーションツールなどがあります。これらの企業では、モバイルワークやテレワークが当たり前の光景になっており、ノマドワーカースタイルを認め、それらをサポートする就業規則や評価制度などが整備されています。

4.コミュニケーションツールの活用

物理的に離れた場所でそれぞれの業務にあたるケースが増加しています。コミュニケーションツールには意思疎通や業務連携をスムーズにさせる導入効果が期待されます。しかし、それらの様々なツールが互いに連携できなければ真の利便性を創出することはできません。膨大な情報やファイル、アプリケーションの共有や、それらを実現するためのシングルサインオン機能やパーソナライズ機能を提供するEIP(企業情報ポータル)、グループウェア、ビデオ会議など、個々の独立したシステムやアプリを統合し、効率的な環境を整える技術の1つが「ユニファイド・コミュニケーション」です。PCやスマートフォンに専用アプリを組み込み、複数のコミュニケーションツールを統合し、統一されたUIや操作感で利用できるようにします。その結果、ユーザーは相手や目的に応じ、ツールを簡単に使い分けることができます。具体的には、

  • 頻繁にやりとりする相手は画面上に表示され、その中から相手を選ぶだけ。
  • 相手の在席状態を事前に確認した上で、任意のコミュニケーション手段を選択できる。
  • 必要に応じ他のコミュニケーション手段(Web会議等)に切り替えられる。

などの実務イメージです。

富士通は、IP テレフォニーシステム、電話や電子メール、テレビ会議、Web 会議システム等を統合する幅広いICTインフラ全体への取り組みにより、ホワイトカラー業務の生産性向上や会議コストの削減、在宅勤務への対応等をワンストップで提供しています。

導入にあたっての注意点がいくつかあります。

  • 複合製品や複数メーカーの製品を組み合わせた設計・構築・保守・運用、幅広い製品技術や通信環境への対応といったトータルサポート力が求められる。
  • メーカー間や製品間での相互接続性が向上し,既存音声環境や情報システムとの連携が容易に行える環境になりつつあるが、組み合わせる製品の選択によって相互接続できないものがある。それらを判断する豊富な経験が求められる。
  • 複数の異なる製品を組み合わせて利用する際、複数のメーカーに対してライセンスを重複して負担せざるを得ないことがある。これについても経験の豊富さが求められる。

昨今のクラウド化の流れを受け、企業にとって最新のコミュニケーションツールを導入する敷居が低くなっています。ツール導入の成功によって、従業員は、場所を問わず情報収集や資料作成や分析が行え、離れた場所にいる従業員や顧客とも安全かつシームレスにコミュニケーションが図れるようになります。つまり、ワークスタイル変革ツールの導入は、社内のみならず、取引先や顧客に対しても大きく寄与することになるでしょう。

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