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ストレステストの技術的な課題

ストレステストはこのような特徴を有する反面、リスク計測モデルを作成するうえで3点ほど課題がある。

1点目は、モデルを作成するうえでの選択肢が多いだけでなく、それぞれの選択肢を決定する指針が見当たらないことである。例えば、上述の(2)シナリオの定量化に用いる基礎理論として、マクロ経済(例えばDSGE(Dynamic Stochastic General Equilibrium Models:確率的動学一般均衡モデル)など)と統計学(例えば時系列解析)が考えられるが、いずれを用いるべきか、ということに関してコンセンサスは得られていない。また、(3)経営へのインパクトシミュレーションについても、様々な手法が提唱されているが、柔軟性が高い定式化は現実世界をリアルに表現できる特徴がある反面、複雑度も高いため実装の難易度は高いというトレードオフがあり、どのような手法を用いるのが最善かは一概には判断できない。このため、モデルを作成する際、このような論点をすべて列挙したうえで、どの選択肢を採用すべきか1つ1つ検討していく必要がある。

2点目は、モデルを作成するうえで必要なデータがない、異常値が含まれているなど、データをありのままに分析した結果を鵜呑みにすることはできないことである。例えば、マーケティング活動が収益に大きな影響を及ぼしているが、マーケティング活動に関するデータが十分に利用できない場合、純粋にデータを分析するだけで収益に対する外部要因変化の影響度合いを把握することは困難である。このような場合、マーケティング活動による影響を何らかの形で分離し、残った部分についてはデータを用いて外部要因の影響度合いを分析することが考えられる。マーケティング活動による影響は別の方法により補完する必要がある。

3点目は、モデルの妥当性を確保する仕組みが必要となることである。従来のリスク管理では、業界として一定のコンセンサスがとれている分析手法を用いて過去データを分析して結果を導出していたため、客観的に妥当性を示すことができた。しかし、ストレステストでは、前述のように分析手法もデータも十分に整備されているとは言い難い状況であるため、妥当性を示すために工夫が必要となるということである。このような工夫として、モデル作成や運用にかかるプロセスの管理---いわゆるモデルガバナンス---を整備することが求められる。ストレステストの実施に向けては、これらの課題を着実に解決していく必要がある。

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