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課題解決のポイント

「ストレステストの技術的な課題」で述べた3点の課題について、特にアナリティクスやITの観点から、解決のポイントについて述べる。

まず、前述の1点目の課題については、モデルの構造を可視化することがポイントとなる。従来手法と異なり、ストレステストでは考慮すべき要因が膨大かつ構造が複雑になるため、細かい単位で処理フローなどを作成すると人間にとって理解が困難になる。構造を分析した上で、人間が容易に理解できる形で可視化することが重要である。その際、例えば、インフルエンスダイヤグラムやシステムダイナミクスなど要因間の定量的な関係性をビジュアルで表現する技術が有用である。

2点目の課題については、短期的には、信頼に足るデータが十分に得られない領域で専門家による判断や評価---エキスパートジャッジ---を用いることになる。エキスパートジャッジを用いる場合のポイントとしては、その根拠や確度(もしくは不確実性)などを明確にしておくことと、エキスパートジャッジの結果を変更した場合のシミュレーションを短時間で行う仕組みを整備することである。後者については、監督当局などステークホルダーに対して、エキスパートジャッジの結果の不確実性に起因する誤差について説明できるようにすることが目的である。前者については、3点目の課題と併せて議論する。

また、中長期的には、信頼に足るデータを利用可能な形で蓄積・管理していくことが重要である。例えば、モデル作成において、事業部門ごとの収益関連データが必要となるが、事業部門の再編などにより、長期間にわたり分析可能なデータを利用できるケースは少ない。現状でも、磁気テープに格納された勘定系等のデータを加工すれば原理的には前述のようなデータを作成できる可能性はあるが、膨大な労力が必要となるため現実的ではない。ストレステストに限らず、いわゆるビッグデータの活用として、より一般的な課題であるため、そのレベルで解決されることが望まれる。

3点目のモデルガバナンスについては、アナリティクスの観点では、モデルに関する作成プロセスと作成結果に関する文書化が重要である。特に、(3)経営へのインパクトシミュレーションで用いるモデルについては、モデルの数が非常に多くなるため、個々のモデルについて個別に対応すると作業負荷が膨大となる可能性が高い。したがって、すべてのモデルに適用できる共通方針を策定し、個別のモデルにおいてはその差分のみ記述すればよいようにすることが重要なポイントである。また、作成結果については、個々のモデルについて膨大な量の分析が必要となるため、分析の自動化やその結果の文書化の自動化により作業負荷を低減するとともに、人為的なミスを防止することがポイントとなる。

これらの課題は各種データ分析や定量シミュレーションにおいては一般的なものであるが、金融機関のリスク管理としては目新しいものであるため、このような分野での実績を有する外部リソースの活用も有望な選択肢になると考えられる。

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