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共創コミュニティ開発型ハッカソン/アイデアソンの意義と作り方(1)

共創コミュニティ開発型ハッカソン/アイデアソンの意義と作り方

ハッカソン/アイデアソンのメリットは共創コミュニティの創出

ハッカソンやアイデアソンは、新ビジネスのタネを生み出すだけでなく、その会社組織に多様性を取り込む手段として有効な施策です。社内を横断したつながりの創出はもちろん、社外の人間の多様な価値観や考え方、専門性に触れることができ、異質なものを取り込むことができるからです。

これまで富士通総研が開わったハッカソン/アイデアソンの現場では、参加者も運営サイドも含め、人と人がリアルな場で顔を合わせ、交流することでフラットな関係性が構築されています。そして、共感をキーとして、その後ビジネスに一緒に取り組んだり、新しいソリューションを共同開発したりすることが実際に起こっています。

バウンダリーオブジェクトという言葉をご存知でしょうか? 異なるコミュニティやシステムの境界(バウンダリー)に存在するモノや言葉、シンボルのことで、コミュニティやシステムをつなぐものという意味です。具体的には、お互いが理解できるキーワードやコンセプトなどの形で存在し、新しいコミュニティが形成される際に媒介するものとしてポジティブな使われ方をします。

【図】バウンダリーオブジェクト
【図1】バウンダリーオブジェクト
(出典)野中郁次郎、紺野 登『知識創造経営のプリンシプル賢慮資本主義の実践論』(東洋経済新報社)

ハッカソンやアイデアソンが共創やオープンイノベーションのためのコミュニティ作りに適している理由として、バウンダリーオブジェクトとして機能しやすい、ということが挙げられます。これは、ハッカソンの「目的・テーマ」とその人々が集まる「場」を、企業間や組織間の閉塞状況を破るバウンダリーオブジェクトとして位置づけることができるからです。

異なる立場の人々が共通のテーマに対し時間と空間をシェアする体全体を使った取り組みは、イノベーションを起こす土壌となる共創コミュニティの誕生を促進すると言えます。

共創コミュニティ開発型ハッカソン/アイデアソンの作り方

では、共創コミュニティ開発型のハッカソンやアイデアソンはどのように作っていけばよいのでしょうか? 昨今、オープンイノベーションやそのためのコミュニティ作りのためのハッカソンやアイデアソンに参加するだけでなく、それを企画し、主催する側に回りたいという声が聞かれるようになっています。お客様やパートナーとのこれまでの実践に基づいて、4つのステップで企画の作り方を紹介していきます。

【図2】共創コミュニティ開発型ハッカソン/アイデアソンの作り方
【図2】共創コミュニティ開発型ハッカソン/アイデアソンの作り方

(1)開催コンセプトのデザイン

ハッカソン/アイデアソンの企画の核となるのがこの開催コンセプトのデザインです。

主催者自身がなぜ開催するのか、どのような課題を解決するものなのかを明確にすることが特に重要です。また、参加者にとっても共感できるテーマにしていく必要があります。この開催コンセプトの検討に最も多くの時間を費やします。

富士通総研が企画に関わる場合、主に下記の8点を決めていきます。検討は、開催日の約2~3ヶ月前から開始するのが一般的です。

●開催目的
何のために開催するのかを明確にします。どのような問題や課題を解決するために開催するのかを決めていきます。例えば目的として、新事業・サービス創造、自社技術の用途開発、ファンの育成、人材開発、地域課題の解決などが挙げられます。主催する企業や自治体によって、その置かれている状況や背景は異なるため、慎重に検討することが必要です。

●テーマ
ハッカソンやアイデアソンのお題目となるテーマを設定します。企画者自身が課題と感じているものや参加者に強く共感してもらえそうなテーマを選定します。時には、机上の検討だけでなく、対象となる現場でフィールドワークを行うことも大切です。
テーマ設定例:

  • スポーツの新たな観戦スタイルを考えよう
  • 地域食材をブランド化する、あっと驚くアイデアを生み出そう
  • 皆でつくる地域の“〇〇どころ”
  • 木材とIoTで新たな生活スタイルを考える

●ターゲット設定
目的、テーマに応じて参加者のターゲットを設定します。
一般の方も含めて広く参加してもらうのか、クローズドに関係者だけで実施するかを決めていきます。多様なアイデアを生み出すためには、経験者・初参加を問わずに多様な人材に参加してもらうことが望ましいため、職種・スキル(例:エンジニア、デザイナー、プランナー)、職業や所属(会社員、自治体職員、学生、住民)、年齢・国籍なども考慮しながら設定していきます。

●日程と場所
ターゲットが集まりやすい日程(平日か休日か、連続か日を分けるかなど)と場所を設定します。テーマに適した場所を選択することも大切です。例えば、テーマが“学び”に関するものならば教育施設を、といった具合です。もちろん、開催場所の広さ、Wi‐Fiなどの通信環境、交通アクセスも考慮します。

●アウトプット
どのようなアウトプットをゴールとするのか、具体性のレベルや必ず盛り込むべき要件などを目的に応じて設定します。
特にアイデアソンではアウトプットがチームによって様々になってしまう傾向があるため、アイデアのレベル感(ビジョン、アイデアのコンセプト、具体的な利用シーンなど)や表現方法(寸劇、プレゼン、モックアップレベルのプロトタイプなど)を設定すると有効です。

●審査員・審査項目
目的・テーマを考慮して審査員と審査項目を決めます。,
審査項目は市場性、収益性、新規性、実現性、人物性などの観点を設定します。
それぞれの項目をポイント制で審査するやり方もあれば、審査員同士の話し合いで決める、それぞれの審査員が賞を選ぶ、というやり方もあります。

●参加規約・権利の取り扱い
所属も立場も異なる人々が集まり、力を合わせてアイデアを出し、形作るのがハッカソン/アイデアソンです。権利の取り扱いを含めた参加規約は事前に明確にしておきます。
一般に賞金や賞品などを設定し、アイデアを主催者側のものにするやり方や、アイデアは全員のものとして、製作物は製作者本人のものにするやり方などがあります。それぞれメリット・デメリットがあるため、考慮して決める必要があります。

●実施後の展開
新事業やサービスの創出を狙う場合、企画段階からハッカソン後の展開を考えておくとよいでしょう。ハッカソン後にビジネスコンテストを行いブラッシュアップすることや、プロモーションを目的としたコンセプトムービー製作、社内外の展示への出展、特許申請など様々なアクションが考えられます。
この点は「ハッカソン/アイデアソンをイベントで終わらせないために」で詳述します。

コンセプトデザインを終えたら、プログラムデザイン、アートデザイン、プロモーションデザインを行います。

共創コミュニティ開発型ハッカソン/アイデアソンの意義と作り方(2)

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