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各国政府のフィンテックに関する取り組み

米国においては、金融機関やベンチャー・キャピタルを含むエコシステムによって、スタートアップが市場参入しやすい環境が整備されているが、その他の国ではどのような動きが認められるのか? フィンテック推進を国家戦略の1つとして位置づけ、新たな産業の発展に結び付けようとする動きが見える英国、シンガポールの事例をそれぞれ紹介したい()。

国を挙げて支援。「Global Fintech Capital」を目指す英国

近年、フィンテックに対して積極的に取り組んでいる国として真っ先に名前が挙がるのが英国だ。2014年8月、財務大臣ジョージ・オズボーンが、今後、英国を“Global Fintech Capital”として発展させることを宣言した。また英国政府における取り組みとして特筆すべきものとして、金融行為監督庁(FCA)による「プロジェクト・イノベート(Project Innovate)」が挙げられる。同プロジェクトにおいて、FCAは、英国国内において「イノベーティブ(革新的)」な金融サービスを推進していくにあたり、推進を妨げる規制等を調整するとともに、個々のフィンテック・スタートアップが新たなサービスを開始する際、どのような法規制に抵触する可能性があるのか、事前に確認する役割を担っている。例えば、FCAは、注目を集めているロボ・アドバイザー分野における規制の調査にいち早く着手したり、今後もイノベーション推進をサポートすると名言したりと、フィンテック推進に前向きな姿勢を示している。

テクノロジー重視姿勢を鮮明にするシンガポール ―

シンガポールでは、金融管理局(MAS:Monetary Authority of Singapore)が中心となり、フィンテック推進に向けた取り組みを展開している。金融管理局(MAS)では2015年年7月、フィンテックに関する専門組織である「 FTIG(Fintech & Innovation Group)」が設立された。トップには、シティバンク(Citibank)で12年間、テクノロジー活用やイノベーション推進に携わった担当者が就任した。FTIGでは、規制動向に関する調整に加えて、金融におけるテクノロジー活用に焦点を当てているのが特徴となっている。こうしたテクノロジー重視の姿勢は、金融管理局(MAS)のトップが「The Geek Shall Inherit the Earth(オタクが地球を我が物とするだろう)」(シリコンバレーで有名になったフレーズ)という発言を公の場で行ったことからも明らかである。シンガポール政府として、金融サービスにおけるテクノロジー活用を今後促進していくことを表明している。

フィンテック推進競争に突入する世界各国

フィンテックを積極的に推進する各国はいずれも、現時点において金融センターに位置づけられる国・都市である。したがって、推進の背景には、フィンテックが興隆することにより、自国の金融ビジネスはもちろん、金融センターとしての国際的な存在感が低下するのではないかという危機感があると推測される。現在、フィンテックを推進する国々には、前述の英国やシンガポールのほか、ルクセンブルクやアイルランド、そして韓国といったこれまで国策として金融政策を推進してきた国々が挙げられる。例えば、ルクセンブルクでは、英国に対抗してユーロ圏での「フィンテック・キャピタル(Fintech Capital)」となることを目指すとしている。このように多くの国々が、規制緩和や財政支援を通じて、より自由で革新的な金融サービスが生まれることを目指している。このような環境整備によって、自国市場にフィンテック・スタートアップが参入し、多くのチャレンジがなされることで、革新的な金融サービス、イノベーションが生まれることが期待されている。自国で革新的な金融サービスが持続的に創出されることは、とりもなおさず、自国の金融市場としての競争力の維持・向上にもつながる。

翻って、日本におけるフィンテックの取り組みはどうだろうか? 我が国でも2014年より金融庁を中心にフィンテックが議論され始め、フィンテック促進の取り組みも緒につき始めた。

日本政府におけるフィンテックへの取り組み

日本では2014年頃からフィンテックという言葉が巷間に流布するようになった。金融庁は、金融機関およびICT関連企業を招集して、決済業務・サービスの高度化を目的とする研究会を2014年10月より開催している。主に我が国における決済サービスの高度化に向けた検討の場であったが、フィンテックに関しても取り上げられ、金融当局として整備すべき環境について議論する場として研究会を位置づけている。さらに、経済産業省においてもフィンテック研究会を開催(2015年10月)、金融庁も継続してフィンテックにかかる規制整備の議論を開始(2015年9月より)するなど、官によるサポートに向けた議論が積極的に行われている。こうした検討会で議論されている主な内容は、既存金融機関がフィンテックに取り組みやすくするための「銀行持ち株会社における業務規制の緩和」、これまで規制がなかった仮想通貨取引に一定のルールを設ける「仮想通貨取引の規制」などが挙げられる。

現状、銀行持ち株会社の子会社に認められている業務は金融業務に限定されている。この規制は、銀行による産業支配と機関銀行化(銀行子会社が関連の事業会社の容易な資金調達手段に使われること)を排除するために制定されたが、これにより銀行持ち株会社は、フィンテック企業をはじめとするICT企業への出資が制限されるという課題を抱えている。しかしながら、銀行持ち株会社における規制が緩和されれば、銀行のグループ内に、電子商取引やモバイル決済を手がけるICT企業を持ち、オンラインショッピングサイト運営などが可能となると考えられ、結果として、銀行は今までできなかった事業分野に進出していくことが可能となる。すでに楽天などをはじめ、ICT企業が銀行業に参入する例はあることから、今後、伝統的な金融機関によるサービスとの利便性での競争が促進されることが期待される。

注釈

(注) : 詳細は弊社レポート「諸外国におけるFintech推進の取り組み~“オタクが地球を我が物とするだろう?”-テクノロジーが重視される時代の政府とスタートアップの関わり方~」を参照。

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