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フィンテックは伝統的金融機関にどう変化をもたらすか

前述のように、世界的にフィンテックが拡大する背景の1つとして「利用者の価値観の変容」を指摘できる。俯瞰してみると、現在フィンテックとして提供されるサービスのほとんどは「利用者目線」で提供され、広く評価されていることが分かる。

フィンテック企業が活発な米国では、どんな企業やサービスが参入しているのだろうか? 例えば、決済の分野はフィンテックの参入が先行する領域である。米国のコンサルティング会社マッキンゼーのレポートによると、2015年時点でのグローバルなリテール決済収入のうち、25%がフィンテック企業によって占められているという。決済サービスのフィンテックとしては、「スクエア(Square)」や「ペイパル(PayPal)」などの例が著名である。2009年設立のクレジットカード決済企業「スクエア」は、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスのイヤホン・ジャックに小型機器を装着することで、クレジットカード決済の受入を可能にした。これまで、小売・飲食業がクレジットカード決済での代金支払を受け入れようとすると、信用照会端末を導入する必要があったが、端末購入代金に加え、決済ごとに決済手数料を支払う必要があり、個人事業主や小規模な小売・飲食業ではカード決済導入のハードルが高く感じられていた。スクエアは、信用照会端末の代わりに自分のモバイル端末を使って簡単にクレジットカード決済を実現することができるようになった。海外金融機関の中には、モバイルPOSを自社の顧客に提供し、売り上げデータを活用して経営支援サービスを提供するなど、より踏み込んだサービスを提供する例も出てきている。

フィンテックの先駆者的な存在と見られている「ペイパル」は1998年に創業し、利便性の高い決済サービスを提供してきた。そのペイパルは、決済サービスを超え、新たな事業に乗り出している。米国の銀行「ウェブバンク(WebBank)」と提携し、ペイパルにアカウントを有する事業者に融資サービスの提供を開始した。ペイパルは、アカウントの取引履歴を独自分析し、審査を行う。融資の実行は、ウェブバンクが担う。このサービスにより、イーコマース出店小売業は大きなメリットを享受することができる。小売業の中には、資金不足から十分な在庫を抱えることができないという課題を抱えている企業は少なくない。新規参入者や小規模事業者は、銀行の融資審査が通らないことも多い。ペイパルの新事業は、こうした小売業に新たな資金調達手段を提供する手助けとなるだろう。

融資の分野においても、フィンテック・サービスの拡大による影響が見込まれる。米国の投資銀行ゴールドマン・サックスによると今後、5~10年後にかけて、米国における融資総額のうち約1/3にあたる4兆ドルが代替的な金融サービスによって提供されると予想している。融資分野では、前述のように決済トランザクションデータを利用した融資サービス以外にも、新サービスが登場している。「マーケットプレイス・レンディング」や「クラウドファンディング(Crowdfunding)」と呼ばれるフィンテック・サービスは、伝統的な金融機関が提供する融資サービスとは異なる形態で融資を実施するサービスとして注目されている。かつて、P2Pレンディングとも呼ばれたこのようなサービスは、概ねインターネットを通じて投資家・貸し手と借り手を結びつけ(マッチング)、不特定多数から比較的少額で資金を集めるものである。このようなサービスの歴史はフィンテック・サービスの中では比較的古く、英国の「ゾーパ(Zopa)」は2005年に創業しており、すでに10年以上の歴史を持つサービスとなっている。直近では、2014年に後述する「レンディング・クラブ(Lending Club)」がIPO(新規株式公開)を果たしたことで、改めて注目を集めている。このようなサービスには、資金提供者に対するリターンの種類によって、「購入型」、「寄付型」、「融資型」「投資型」に大別されるが、ゾーパやレンディング・クラブなどは、このうちの融資型クラウドファンディングに該当する。レンディング・クラブは、三菱東京UFJ銀行傘下のユニオンバンクやシティバンクなど、伝統的な金融機関とも提携しており、フィンテックと金融機関の関係も変えつつある。

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