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フィンテック(Fintech)の成り立ち

なぜ今になって「フィンテック」という言葉の用法が変容し、金融サービスにおける一大潮流になるに至ったのであろうか? その背景となる要因として「ICTの急速な進展」と「利用者の価値観の変容」の2点が挙げられる。

「ICTの急速な進展」の象徴的な例として、コンピュータの処理能力の飛躍的な向上について触れたい。2011年に世界一の性能となった理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」の例を取るまでもなくコンピュータの性能向上には目を見張るものがある。京はその名通り1秒間に1京回の計算(浮動小数点演算)が可能な性能(10P FLOPS)を持っている。これは極端な例ではあるが、1999年に一般に販売されていたスーパーコンピュータの演算処理能力が10G FLOPS弱であったのに対し、現在発売されている最新のスマートフォンの演算処理能力は300G FLOPSを超えている。すなわち、この20年弱の間に、かつてのスーパーコンピュータの30倍以上の処理能力を持つスマートフォンが広く一般の利用者に行き渡っていることになる。これは金融サービスを提供するプレイヤーにとって劇的な変化であると言えるであろう。

従来、金融サービスの提供には、幅広い支店やATMネットワーク、大規模な情報システムといった装備が必要であったが、テクノロジーがこのような参入障壁を大きく低下させている。フィンテック企業はこのようなICTのパワーを最大限活用し、従来の金融サービスにはなかった利便性の高いサービスを効率的に提供することで、急速にそのサービスを拡大している。

フィンテックが注目を集める背景には、前述のようなテクノロジー面での変化に加えて、金融機関にとってのこれからの顧客層である世代の「価値観の変容」が挙げられる。一般にミレニアル世代(Millennialは千年紀の意)と呼ばれるこれらの世代は、1980年~1999年に誕生(年齢に換算すると15歳~35歳に相当)し、米国では人口の3分の1にあたる約8,400万人を占める。この世代は、若い世代であれば銀行口座の開設、上の世代は資産運用や住宅ローンを検討する年齢にあり、これからの金融サービスにとって中核となる顧客層であると言える。この世代は、インターネットが普及した環境で育った最初の世代でもあり、一般的に情報リテラシーに優れる一方で、これまでの世代と価値観やライフスタイルに大きな隔絶があるとも言われている。

このようなミレニアル世代は、金融サービスに対しても、これまでの世代と異なるような考え方を持っているようである。MTVやパラマウント映画を傘下に持つ米国のメディア企業であるバイアコムが2013年に実施した調査によると、ミレニアル世代は伝統的な金融サービスよりデジタルサービスに対して親しみを感じている。この世代の71% が銀行の話を聞くくらいであれば歯医者に行く方が良いと感じており、73% が伝統的な金融機関よりもグーグル、アマゾン、アップル、フェイスブック、ペイパル(PayPal)、スクエア(Square)などといった新興企業が金融サービスを提供することを望んでいる。このようにミレニアル世代にとって金融サービスは退屈で、親しみがなく、自分たちには関係が薄いものだと認識されている。

この世代は金融サービスに対して利便性だけでなく透明性や自己決定の要求も高めており、「サービスの民主化(democratization)」や「ソーシャル・エコノミー」と表現される潮流を生み出している。フィンテックもこのような潮流に沿うものであると考えられ、単なるブーム以上の動きとなっていると認識すべきであろう。

コンサルティング会社アクセンチュアのフィンテックに関するレポート()によると、フィンテック関連のスタートアップへの投資は、2014年、全世界で120億2,100万ドル(1ドル=120円換算で約1.44兆円)に達し、前年比3倍の急成長を成し遂げたことから、有望な投資対象とされている。しかしながら、直近、ベンチャー・キャピタルからのフィンテック企業に対する資金の流入には陰りが見え始めているとも言われており、2016年以降、フィンテックの大きなトレンド自体は継続するものの、個々の企業にとっては真価が問われる環境になってくることも予想される。

注釈

(注) : アクセンチュア「フィンテックと銀行の将来像Open a new window」レポートページ参照。

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