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製造業のコト売りを実現する産業データ利活用ビジネス

製造業のコト売りを実現する産業データ利活用ビジネス

 

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IoTで取得が容易になった様々なデータは企業の新製品開発や新サービス創出を促進すると考えられ、製造業でもデータ流通・利活用に注目が集まっている。富士通総研も社会課題に貢献すべく産業データを活用した事業化支援サービスに取り組んでいる。

1.概要

IoTにより取得が容易になった様々なデータは、企業の新たな製品開発や新サービス創出を促進すると考えられており、昨今、製造業でもデータ流通・利活用に注目が集まっている。

経済産業省もConnected Industries(注1)の重点5分野を中心とした事業領域において、データを共有し、利活用するための仕組み作りに対し、産業データ活用促進事業の補助金で後押ししている。

富士通総研もお客様との共創ビジネスや企業連合によるパートナーシップビジネスを通じて、社会課題に貢献するべく、産業データを活用した事業化支援サービスに取り組んでいる。

2.課題

協調領域における産業データ流通・利活用に向けた機運の高まり

これまでの製造業各社のIoTに対する重点的な取り組み領域は、いかに自社IoTビジネスで顧客データを握り、他社への乗り換えを防止するかという顧客ロックイン戦略としての産業データ利活用が中心だった。 

しかし、昨今の高齢化社会における労働生産性向上のような社会課題の解決や、製造から販売・消費者サービスに至るバリューチェーン全体での最適化を実現するには、自社収益だけを追求するビジネスでは難しくなっている。そのため、産業データを介して、他社とパートナーシップを組みながら社会課題を解決する取り組みに各社の軸足がシフトしてきている。

以下に、このような産業データ活用を検討している製造業各社の課題をご紹介する。

(1)産業データのビジネス価値検証における課題

製造業では、今まで価値があると認識されずに捨てられていた情報が多いが、データが価値を生むことを認識する時代に変わってきている。例えば、過去の修理履歴や保全履歴といった保守・運用データが故障予兆に使われるというようなデータの発生源とデータの価値享受者が近いモデルは分かりやすい例である。

昨今では、そのようなモデルだけにとどまらず、各社が取得しているデータが、近接する事業領域を超えて、環境・交通・ヘルスケアといった社会インフラ領域や、これまで接点の少なかった消費者に対して価値を生み出すモデルが出てきている。

製造業各社では、自社が保有・蓄積しているデータを使ってうまくビジネスに転用できないか模索しているが、これまでビジネス上の接点がない価値享受者を特定し、価値検証・マネタイズ化することに課題を抱えている。

(2)データの標準化と他社データ活用した事業・業務モデルの再設計

これまで各社に蓄積されてきたIoTによるデータは基本的には自社データが中心だった。しかし、先述のようにバリューチェーン全体での最適化には、川上・川下企業とのデータ共有や、競合他社とのデータ共有が必要不可欠となってきており、各社ブラックボックス化して競争領域とするデータと、オープンにして協調領域とするデータの線引きを模索している。しかし、これまで各社の製品である機器の仕様や機器から生み出されるデータは競争領域であったため、企業間での標準化が遅れている領域でもある。また、他社データを含む新たな産業データを自社の業務に組み込むとなると、既存業務の見直しや新たな業務プロセスが発生し、事業モデル・業務モデルを再設計する必要がある。

(3)モノ売りからコト売りへの障壁

このように、製造業は他社データも含めた産業データを活用しながら、旧来から言われる「モノ売りからコト売りへの変革」に大きく舵を切ろうとしている。しかし、従来のモノ売りビジネスからサブスクリプションに代表されるサービス型のビジネスに形態を急激に切り替えるとなると、一時的な売上が減少してしまうため、既存事業を抱える製造業各社はなかなかビジネスモデルを変革できないのも実態である。また、闇雲にデータをクラウドに蓄積し、無理にデータを活用した新サービスを推し進めようとすると、投資期間・投資額が大きくなりがちで、プロジェクトが途中で頓挫するケースも多くなっている。 

3.解決策

富士通総研では、産業データを活用した事業化支援として「ビジネス価値検証」「事業・業務モデル再構築」「ビジネスプラン策定」を支援している。

クロスインダストリー知見に基づく産業データのビジネス価値検証 

製造業から生み出される産業データの価値提供先が、近接する事業領域だけでなく社会全体に広がっており、社会的に価値があるかについての検証がデータ活用ビジネスの重要なポイントとなる。富士通総研では、公共・社会インフラ・流通・ヘルスケアといった各業界に知見を持ったコンサルタントが、知を結集し、価値検証することで、製造業のお客様自身が保有しないノウハウやビジネスアイデア創出をご支援させていただいている。 

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【図1】企業間、業種間をつなぐデータの価値検証アプローチ)

データを活用した事業モデル・業務モデル再構築のポイント

データ活用ビジネスにおいて新たに活用するデータや他社からのデータは、既存の基幹業務プロセスや既存の各社基準で決められたルールに基づいたデータではない。そのため、これらのデータは、品質や精度、粒度などコントロールできない部分が多く、実際の活用においては、様々な部門を跨いだ試行錯誤を経ながら、データ活用における新ルールを整備することも必要となる。また、新たな提供価値に合った売り方など、これまでの営業プロセス・契約形態も見直す必要があり、富士通総研では、これまで培った業種知識や業務改革の知見を活かしながら、新事業モデル・新業務の策定までをご支援させていただいている。

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【図2】新業務検討領域例

コト売りに向けた実行性の高いビジネスプラン策定

データ活用ビジネスにおいて、うまく事業を立ち上げるには、データの価値検証からのアプローチだけでなく、自社事業・業務において容易に蓄積できるデータを起点としてビジネスを組み立て、スモールスタートすることが重要となる。自社事業において自然に蓄積されるデータを次のビジネスに活かし、さらにそこから生み出されるデータを活用した次のビジネスを生み出す好循環をビジネスのプランニング段階から設計することが成功の鍵となる。

4.産業データ流通・利活用に関する今後の展望

製造業を中心とする産業界におけるデータの共有・利活用はまだ緒についたところである。筆者も産業データを活用した新たなビジネス創りをご支援させていただいているが、最近ではデータの活用権やデータ流通時の品質保証が検討テーマとなることも増えている。これまでの製造業は自社の物づくり品質における保証が中心であり、データも自社の手の内にあるデータのため、メーカーとして品質保証しやすい環境にあった。産業データを利活用したビジネスにおいては、他社のデータを含め、どう検査し、そこから生み出されるサービスの品質をどう担保するかというデータの信頼性に関わる議論が進められている。これを解決するには、業界あるいは業界を超えた枠組みや第三者機関による監査・改ざん防止の仕組みも検討していかねばならない。このあたりの課題がクリアになると、産業データの流通によるデータ駆動社会(注2)がより加速するものと考えている。 

また、モノ売りからコト売りの流れの中で、製造業が社会に広く貢献する役割を担っていくためには、産業データとパーソナルデータが切り離せない状況になってくる。より消費者に近いパートナーと組むことで、製造業が持つ商品から得られる様々なデータにパーソナルデータを組み合わせることができるようになり、社会にとって新たな価値を生み出すことができると考える。 

富士通総研は、産業データを生み出す製造業企業様に対して、データ活用ビジネスのご支援をさせていただきながら、本格化するデータ駆動社会に向けて、社会課題解決に貢献していく。

注釈

  • (注1)Connected Industries:
    経済産業省が提唱する我が国の産業が目指す姿(コンセプト)。人、モノ、技術、組織等が様々につながることにより新たな価値創出を図る世界を指す。
  • (注2)データ駆動型社会:
    現実とデータが高度に連動する社会を指す。
清水義之

本記事の執筆者

クロスインダストリーグループ マネジングコンサルタント

清水 義之(しみず よしゆき)

 

富士通株式会社入社後、製造業向けの新規事業企画や情報システム部門向けのマネジメント改革、ITガバナンスのコンサルティングに従事。2007年 富士通総研出向。現在、製造業を中心にICT技術を活用した新規事業企画、新サービス検討、ICTグランドデザインを主に担当。

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