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<国内事例>りそな銀行様 次世代店舗への取り組み

1.背景・狙い

りそな銀行様には、2003年の公的資金注入を機に、営業店事務量を半減することで、事務運営コストを削減すると同時に、対応する人員を適正に減らし、事務に充てていた要員を、セールス強化へと振り替えていくことにより、経営体力の増強を図りたいという狙いがありました。

2.実施事項

改革コンセプトは「3ない・3レス」
りそな銀行様では、上記の狙いを達成すべく、「営業店を、事務からセールスの場に」という次世代営業店コンセプトと、「3ない((お客様を)待たせない、(伝票を)書かせない、(印鑑を)押させない(競争力向上(CS向上)の観点))・3レス(ペーパーレス、キャッシュレス、バックレス(効率化の観点))」という事務コンセプトに基づき、営業店をお客様に向けたサービス(収益力)強化とコスト削減を同時に実現する店舗にするべく、具体的な実現施策の検討が進められました。

「クイックナビ」導入のプロセス

りそな銀行様のオペレーション改革の代表例とも言われる「クイックナビ」の仕組みは、システム開発を行わずして事務処理方式を抜本的に見直す中で生み出されたものでした。システム開発を行わずに事務処理方式を見直す検討の参考としたのは、かつて同行のインストアブランチで取り組まれた事務の取次ぎ方式でした。これを参考にして、主に「ペーパーレス(書かせない・押させない)」と「キャッシュ(ハンドリング)レス」の実現を目的に、お客様にATMの操作と現金の取り扱いを行っていただき、社員は必要に応じて営業店端末の操作やお客様のサポートを行う方法を考えました。これを形にしたものが「クイックナビ」です。従来、ハイカウンターで取り扱っていた業務の多くをこの「クイックナビ」で処理できるようになりました。しかし、これだけでは「営業店事務量の半減」には到達できず、クイックナビと並行してEBやIBなどダイレクトチャネルへのシフトや、サポートオフィスへの事務移管により、営業店事務量の半減を達成しました。

なお、「クイックナビ」導入に際しては、事前に事務処理を行うための端末や備品を設置するためのスペースの広さ、カウンターの高さ、カウンターとATMとの距離、ATMを操作されるお客様と職員との距離、パーソナルスペースへの配慮、プライバシー保護、セキュリティ面、隣接する「クイックナビ」との距離など、細部にわたる検証を行いました。

次世代営業店舗のデザイン・レイアウト

従来のフルバンキングの銀行店舗では、預金・為替・融資・外為・金融商品の販売といった業務に対応するため、「ハイカウンター/ローカウンター/相談ブース」を設置し、その後ろに「後方席」、さらにその後ろに「役席の席」、「支店長席」があり、奥行きがある広い執務スペース(社員向け事務処理スペース)が一般的なレイアウトであり、その様子はロビー側から一望できます。

しかし、同行の次世代営業店では、上述のような取り組みにより営業店事務量を半減させた結果、営業店からハイカウンターが撤去され、代わりにカウンターラインには「クイックナビ」が登場しました。

また、バックレスによる後方スペースの削減、ペーパーレス、キャッシュレスによる金庫室・ストックヤードに代表される保管スペース削減により、執務スペースも大幅に縮小されました。

これらも踏まえ、次世代営業店のレイアウトは、従来型銀行店舗のゾーニングにとらわれることなく、新事務処理方式採用による顧客および社員の店舗内動線の想定と、次世代店舗コンセプトに基づく新たな発想によるセールススペース拡大という、まさに同行が志向する次世代営業店の「事務からセールスの場へ」を「形」として実現させたのです。

また、同行では、店舗立地や顧客のニーズ、事務量に応じ、メリハリをつけた店舗レイアウトパターンを整備(店舗レイアウトの標準化)し、改装や新規出店の効率化も図っています。

次世代営業店舗は新生りそな銀行の象徴

店舗デザインは、全体に「白」を基調とし、真っ白な営業店に「りそな」の緑のロゴが映えるようにデザインされています。このことにより、従来の銀行にありがちな固い雰囲気から、明るく開放的なイメージに変えることができました。

その結果、店舗デザイン・レイアウトは大きく様変わりし、「りそな銀行は生まれ変わった」ことを明確な「形」として広く世の中に印象づけることに成功しました。

また「営業店からハイカウンターが撤去され、代わりにクイックナビが登場したこと」、および「社員ではなくお客様に操作していただき事務処理を完結させたこと」ということは金融業界にとって大きな衝撃を与えました。と同時に、お客様に操作してもらうことによる事務処理時間の短縮が、「実は顧客メリットにつながる」ということを広く世の中に知らしめたのです。

オペレーション改革成功の秘訣は「事務量」削減

同行のオペレーション改革というと「クイックナビ」に目が行きがちで、同行の改革施策がこの「クイックナビ」だけのように理解されがちですが、実はそれだけではありません。同行のオペレーション改革を成功に導いたカギは、「事務量」を「全行共通の『ものさし』」と位置づけ、改革を推し進めてきたことです。

さらに、施策の効果を確実に獲得するために同行では「事務量」を使い営業店単位で施策の進捗状況もモニタリングし続けており、事務量による施策の進捗状況を示すアウトプットは、本部だけで活用するのではなく、経営層、営業店とも共有し、経営判断や、営業店の自発的な活動を促す材料としても活用されています。

また、同行は事務量削減に効果のある施策は例外なく実行に移しており、「クイックナビ」もその考えに則って導出された施策の1つに過ぎません。

それ以外にも法人顧客/個人顧客問わず、ATMなどのセルフサービスやパソコン・スマートフォン等によるダイレクトチャネルでの利用を徹底して促したり、後方事務を集中的に受けるサポートオフィスを設けたり、事務量削減に効果のある施策をコツコツと地道に積み重ねることで、確実に成果を出してきました。

3.結果

事務量を着実に削減してきた結果、同行の店舗構成は2005年度時点では大~中型店が全店舗の80%弱を占めていましたが、2012年度時点では約22%となり、その代わり、小型店舗が78%となっています。当然のことではありますが、併せて事務人員も大幅に削減され、結果、営業店端末の設置台数も大幅に減り、事務スペースと事務コストの大幅な削減につながりました。こうした改革により捻出された人員や店舗スペース等のリソースについては、セールス力強化のために振り向けることで、「コスト削減」だけでなく、「収益力強化」へとつなげています。

「事務量半減」については、当初計画していたよりも時間はかかったものの、オペレーション改革の取り組みを開始して10年後にはしっかりと達成し、公的資金完済後の現在も、「3ない・3レス」のコンセプトのもと改革は続き、営業店だけではなく銀行全体の事務量削減が進められています。

「クイックナビ」導入当初は、一時的な関心(物珍しさ)から、多くの金融機関の注目を集めましたが、「自行には無理、自行の顧客には合わない(受け入れられない)」等の理由から、その注目も長くは続きませんでした。

しかし、オペレーション改革の取り組みから10年、「営業店事務量の半減」の目標を確実に達成したことで、「先進的な取り組みを行う銀行、確実に目標を達成した銀行」として、他金融機関からの注目を再び集め始めるとともに、一目を置かれる存在となっています。

関連オピニオン

シリーズ「りそな銀行オペレーション改革10年の歩み」
  1. 再生に向けた改革成功の鍵
  2. ご支援の経緯と「事務量」
  3. 公的資金注入(コスト削減プロジェクトの活動・原価構成の明確化)
  4. 新生りそなへ(営業店改革コンセプト・事務戦略)
  5. 新生りそなへ(「思い」を「形」へ 試行店開設)
  6. 新生りそなへ(次世代営業店と営業店改革を支える仕組み)
  7. システム開発について

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