Skip to main content

English

Japan

銀行次世代店舗 フェーズ2 「設計・構築」

(1)提供する商品・サービスの決定

企画フェーズは銀行経営者が組織にビジョンを共有させ、推進チームを発足させ、出店スケジュールを作成しました。

ここからはいよいよ、その推進チームがWBSに基づき、新しいものを生み出していくフェーズです。

店舗設計と構築を単純に言うと、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)のマーケティングミックス、いわゆる4Pの設定ですが、富士通総研の経験に基づき、次世代店舗設計に合わせてもう少し細分化して紹介します。

設計・構築の最初に実施することは、提供する商品やサービスは何かを決めることです。

ここでは、企画フェーズで明らかにした次世代店舗出店の狙い、各種戦略、数値目標、ターゲット顧客に照らし合わせ、次世代店舗で提供する商品・サービスを具体的に決定していきます。

(2)商品・サービスの提供方法

商品やサービスが決定したら、それをどう顧客に届けるかを考えます。

提供チャネルは対面なのか、非対面なのか? 対面チャネルであれば、来店誘致型にするのか渉外訪問型にするのか? 非対面チャネルであれば、WEBやスマホなどのダイレクトチャネルなのか、ATM等に代表されるセルフ操作型端末なのか、センターとの直接やり取りなのか?

提供方法については、効率化ばかりでなく、ターゲット顧客における利便性やセールスへの誘導が行いやすいかなど、顧客ニーズに合わせるマーケットイン思考で検討し、決定する必要があります。

またこの際に「サービス提供時間」を併せて検討します。非対面チャネルについては24時間サービス提供も珍しくない現在においては、対面チャネルのサービス提供時間が課題になります。非対面チャネルとの融合によるサービス提供も含め、ターゲット顧客の利便性が向上するよう、各チャネルで提供する商品・サービス、およびサービス提供時間を決定します。

(3)事務処理方法

それぞれの商品・サービスについて、どのような事務フローとするか、また提供方法を踏まえ、来店客に対するチャネル誘導方法等も検討します。

具体的には、それぞれの事務を誰が担うか? 例えば預かり資産取引の事務など、セールス担当者が事務処理まで行うのか、顧客から書類を受け取るところまでとするのか、もしくは、必要な情報は顧客自身で入力してもらい、スタッフは確認・実行だけとするのか? というシミュレーションを繰り返します。

次世代店舗は、これまで銀行が主要顧客としてきた顧客と異なるターゲット層であるケースが多く、これまで諦めていた事務処理方式を大胆に変革するチャンスでもあります。例えば、若年層、勤労者層は、スマートフォンやタブレットを持ち、使いこなしている世代でもあるので、必要な情報の入力は、お客様自身の端末で、お客様の都合の良いときに予め入力しておいてもらい、店舗では現物(通帳やカード等)の受け取りだけをする、という事務処理方式にもチャレンジできます。

このように事務処理方法を策定したら、実現するために装備しておくべき機能・情報を整理し、出店スケジュールと照らし合わせ、開発範囲を特定、調達を行う段取りを行います。

(4)事務量予測

事務量の予測は投入する人的資源管理や端末台数等に大きな影響を及ぼし、最終的には収益に影響します。必要な労務環境の変更にもコスト算出にも関わる重要な予測となります。

事務量は、「自然体で発生する事務量」と「来店誘致等銀行の意思で増減する事務量」と、大きく分けて2種類存在します。

前者の算出は比較的容易ですが、次世代店舗のコンセプトに合わせて後者の事務量を予測するのは苦労することが予想されます。

(3)の事務処理方法検討と並行して仮説検証を何度も繰り返す必要があります。

(5)事務量人員算定、端末台数、什器・備品の物量算定

予測した事務量に基づき必要人員数を算出し、実配置人員数を算定します。あわせて必要端末台数を算定し、事務処理方法を踏まえて什器・備品を揃えます。

多くの次世代店舗の場合、これまでの一般店舗より狭くなる傾向があるため、多くの場合、端末と什器・備品の設置スペースが限られます。什器・備品の必要性を再度見直すことはもちろん、スペース効率を高めるために、什器・備品の多機能化も検討します。

多機能化はシステム開発を行う必要があり、大掛かりな取り組みになる可能性もありますが、顧客にストレスを与えないことや、お客様に快適なスペースを生み出すためには重要です。

(6)人員体制(役割)策定

(5)の実配置人員検討の際、次世代店舗に必要となる職位と係の人数を明確化し、それぞれの権限や役割、働き方を細かく決めていきます。そのうえで、採用も視野に入れて人事部門への人員調達要求を提示します。

慢性的人員不足の折、抵抗される、決裁が下りないなどの様々な問題に頭を悩ませることが多いステップですが、説得力のあるコンテンツと納得感のあるコンテクストを駆使して協力を取り付けることが重要です。

権限や役割、働き方を決める際、単なる「何年目以上」や、「営業職、事務職」といった属性情報ではなく、専門スタッフなのかオールラウンドプレイヤーなのかといった役割や、定時出社・定時退社なのかシフト制による不定期労働なのか、といった働き方を細かく検討します。

次世代店舗では、一般店舗における役割、働き方を変えていく必要がある場合が多いため、今まで事務だけをしていればよかったスタッフにセールスも担わせたり、窓口営業時間変更に伴い勤務時間を変更させたりするなど、労働環境の大改革が求められる場合があります。

このような変更が発生する場合は、労働基準監督署の見解を聴取したうえで、労働組合の賛成や雇用契約の見直しが求められるでしょう。

特にスタッフの生活スタイルの変更が余儀なくされる場合は、組合員からの賛成が得られにくいことを想定しておく必要があります。

インタビューやアンケートによる意識調査を行う、その結果に基づいて根回しを行う、説明会を開催するなどにより、丁寧に時間をかけて合意形成を図っていくことが求められます。

(7)レイアウト

店舗レイアウトについて考えます。

ゾーニングについては、「営業室とロビー」の分け方だけでなく、会議室や厚生スペースの要否も含めて検討します。

一般店舗では基本設備になっている場合の多い食堂や休憩室、支店長室、研修室などについては、その稼働率、代替策の容易性等を確認し、設置しないということも視野に入れて検討を進めます。

(8)造作・デザイン

効率的な商売のためには顧客とスタッフの動線のすり合わせも重要です。

業務の関連性、役割の担わせ方等を勘案し、各々の動線が最も短くなるよう、端末や什器を配置することが求められます。あわせて、セールスの視点から、お客様を銀行の商売に自然と誘導できるような「導線」を考えることも必要です。

また、金融機関の多くの店舗は、入り口から順にATM、ハイカウンター、ローカウンター、相談ブースとなっていることが多いですが、次世代店舗は、そうとは限らないため、初めて来店されたお客様が戸惑われることが想像されます。店舗を象徴する統一された内装意匠はもちろん、お客様が一目でどこに行けば良いかがわかるような案内表示の工夫も必要です。

(9)教育プログラム、評価体系

組織デザインがハード面の取り組みだとしたら、教育や評価はソフト面の重要な取り組みです。

次世代店舗は一般店舗と異なるうえ、新しい仕事も担わせる可能性が高いため、新しい教育は必須となり、評価の「ものさし」も担わせる仕事に合わせて変える必要があります。

教育は座学やOJTに加え、リハーサルで実践的な力を身に付けるプログラムを新しく編集する必要があります。この際、人事部やアウトソーサーに漠然と依頼しても意図が伝わらないため、推進チームが主体となって、何を学ぶのか、どのような店舗でどう動くのかを網羅的に洗い出し、テキストやリハーサルシナリオとして材料を仕立て上げる必要があります。

また、教育や評価は、コンセプトを実現するためや定量情報で進捗管理をするためだけにあるのではなく、組織に同じ方向を向かせ、動機づけさせるためのものでもあります。

研修参加や定量情報化のプロセスそのものがスタッフのやる気につながるようなものが理想です。

(10)次世代店舗のルール・制度の設計

設計・構築フェーズで最後に行うことはマニュアルの整備です。

このマニュアルは、単なる事務や業務の手順を記述するだけでなく、銀行全体の中で次世代店舗はどう位置づけられているのか、実際の運営方法の実務、各係の分掌など、先述したプロセスで検討、決定した情報を「店舗運営要項」としてまとめます。

大切なのは、一般店舗とは別のマニュアルである、ということを意識的に演出することです。また、図表を多用したりすることで、幅広い層が理解できるものである必要があります。

このマニュアルは、参照するたびに、経営者のビジョンや次世代店舗の狙いが確認でき、実際の業務運営における「判断のよりどころ」と位置づけられるものが理想的です。

お問い合わせ・ご相談はこちら

当社のコンサルティング・サービス内容について、ご不明な点はございましたか?
経営やビジネスに関するお悩みがございましたら、以下のお問い合わせ方法からお気軽にご相談ください。

お電話でのお問い合わせはこちら

お電話でのお問合わせ
富士通総研お客様総合窓口
03-5401-8391

ご利用時間:8時40分から17時30分まで
(月曜日から金曜日、祝日を除く)
(注)電話番号はよくお確かめのうえ、おかけください。

オンラインでのお問い合わせはこちら

お問い合わせへの回答例
お客様からのお問い合わせとコンサルタントからの回答例です。ご相談をされる際は、是非ご覧ください。