地域の新しい伝えかた学校

PRESCHOOL 開催レポート

2019.12.21 SAT

「地域の新しい伝えかた学校」は地域を活性化していくうえで欠かせない「発信力」「コミュニケーション力」を学ぶ連続講座で、2020年春に開校を予定しております。
その開校に先駆けて2019年12月21日、富士通デジタル・トランスフォーメーション・センター大阪にて「地域の新しい伝えかた学校のプレスクールイベントを開催いたしました。
テーマは“地域にとって、いま本当に必要な「発信力」「コミュニケーション力」とは?”。講座本編でも講師をおつとめいただく、コミュニケーションの第一線で活躍する4人のプロフェッショナルをお招きし、各々の専門とする分野について講演・対談いただきました。

<第1部>
地域×コミュニケーションの本質

講演シビックプライドとコミュニケーション
講師紫牟田 伸子さん

1人目は紫牟田伸子さん。紫牟田さんは街をいかに持続させていくかというテーマに注目し、シビックプライドに関する著書も出されている編集家/プロジェクトエディター/デザインプロデューサーです。
情熱と勢いのあるトークで会場を沸かせた講演では、人と街の関わり方について国内外を問わず様々な事例を取り上げ、シビックプライドには社会参画の視点、都市アイデンティティの視点、熱狂的愛郷心の視点があることを指摘。「街が生き生きしていれば、人も生き生きする。人が生き生きしていれば、街も生き生きする。」「人が、街をつくるものだけれど、街も、人をつくるのだと思う。」という印象的なフレーズを交えながら、主体的に街と関わり、街を自分ごと・自分たちごととして捉えていくことの重要性を強調されていました。受講生の中にも、自分たちの街の誇りや肯定感の重要性を再認識した人が多かったようです。

紫牟田さんのセッション

講演コミュニケーションデザインの「いま」と「これから」
講師山崎 亮さん

2人目は、コミュニティデザイナーの山崎亮さん。山崎さんは様々な地域や現場で行政・住民と一緒にプロジェクトを進められてきた経験があり、笑いを交えつつ、その具体的な内容をご紹介くださいました。
数多くの実績をあげておられる山崎さんですが、ご本人いわく「あくまで実施したのは住民であって、自分はそれを少し手助けしただけ」。外部から専門家を呼んで依頼するのも良いが、それだけでは瞬発的に発信力が上がっても長くは続かない。持続的に発信し続けるには、その地域の住民自身が、自分ならではの誇りを持って活動していく必要があると、主役が住民であることを強調されていました。実際のプロジェクトにおいても住民向けのスキルアップ講座に力を入れており、情報発信力、カメラ撮影、文章力向上などの講座を経て、山崎さんが離れた後も、住民が自分たちだけで情報発信をできるようになったそうです。

山崎さんのセッション

<第2部>
地域×コミュニケーションの可能性

講演地域に必要なのは「魅力の編集」
講師松永 光弘さん

対談を挟んでの第2部は、具体的にどのように発信やコミュニケーション形成を行なっていくかというところに重きを置いたプログラム。
1人目は編集家/コミュニケーション コンサルタントの松永光弘さん。編集の力を活かして書籍出版のほか、ブランディングや広報支援、研修・セミナー企画など多岐に渡る活動をされており、今回の講演では「編集」するとはどういうことかについて、様々な例を挙げながら解説いただきました。松永さんによれば、編集とは「組み合わせのなかで価値や意味を引き出すこと」。1枚の写真の意味が、隣に並べる写真を変えるだけで違ってくるように、地域活性化においても、意図的に「編集」を行うことによって、新しい魅力を発見することができる・・・・・・と。全く新しいモノやコトをゼロから生み出すのは難しくても、既存のモノやコトに関係付けるものを変えるだけで新しい価値や意味を見いだすことができる、というお話は、魅力発信のハードルが一気に下がりそうと思えるものでした。

松永さんのセッション

講演ファンが育つコミュニケーションとは
講師佐藤 尚之さん

2人目はコミュニケーションディレクターの佐藤尚之さんです。佐藤さんは今いるファンをベースに考えるのが先決かつ本筋という「ファンベース」を提唱されており、ファンの育成という観点からお話しいただきました。
コアなファンは黙っていても観光に訪れたり、製品を買ってくれたりするし、パレートの法則にあるように売り上げの大半はそのコアな一部のファンが支えている。また、ファンは周囲へ好きな地域や商品をアピールして新規顧客や新規ファンを増やしてもくれる。なのに、多くの自治体や会社では、コアなファンは重要視されていない。ファンを大切にすることは非常に重要なことだ、と佐藤さんは強調されていました。
ファンに対するアクションをどこから始めるか、という会場からの質問について佐藤さんは、ファン・ミーティングの開催をすすめておられました。特にミーティングの具体的な手法や事例については強い関心を持つ受講者も多かったようで、うなずきながら熱心にメモを取る姿が数多く見られました。

佐藤さんのセッション

今回のセミナーは、開始前から受講者同士で名刺交換や雑談をする様子などが見られ、大変熱気のある雰囲気となりました。講演と対談では4人の講師が伝えたいことがぎゅっと濃縮され、一言も聞き漏らすまいと受講者が真剣に耳を傾けている様子が印象的でした。4人の講師それぞれの立場や経験から地域活性化に活かせる話を聞くことができ、新たな考え方を得られたのではないかと思います。

講演・対談の風景


  • ごあいさつ
    富士通エフ・オー・エム(株)
    執行役員 野村

  • 紫牟田さんのセッション

  • 山崎さんのセッション

  • 紫牟田さんと山崎さんの対談

  • 松永さんのセッション

  • 佐藤さんのセッション

  • 松永さんと佐藤さんの対談

  • 今後のご案内
    富士通エフ・オー・エム(株)
    片岡小百合

  • 受講者の様子

  • 懇親会

  • 懇親会

  • 懇親会

受講者の声

地域に必要なのは、魅力の編集といっていただいたことで、「コミュニケーション」の大事さを再認識、活動の指針となりました。

会社員(クリエイティブ関連)

シビックプライドとファンベースのどちらも私の仕事のバイブルです。今回そのお二人と生のお話を聞くことができて、ますます学びが深まりました。

自治体職員

事例を具体的に紹介していただき、自分の仕事に活かすポイントを考えながら話を聞くことができました。

学校・教育機関 関係者

今までになかった視点を体験できてすごく楽しかったです。講師の先生方も素晴らしい方々でした。

会社員(クリエイティブ関連)

「人が生き生きしていればまちが生き生きする」は素敵な言葉だと思いました。

自治体職員

地域づくりには、まず自らがまちを愛する気持ちを高め、伝えることから始まること。コアファンを盛り上げていくことを学べました。コアから広げるという話は新鮮でした。

自治体職員

地域が中心とならないと、地域は持続しない。そのヒントを得ることができたと思います。

自治体職員

すべてに新しい発見があり、著書や参考文献を購入し、勉強しようと思いました。

学校・教育機関 関係者

すべて興味深く、自分自身の思考の整理になりました。新たな展開の道筋が見えました。

NPO法人 関係者

今後の開催予定

わかる総合講座

発信・コミュニケーションの第一線で活躍する8人の講師による8 回の連続講座を通じて、いま地域に必要とされる発信力・コミュニケーション力の要点や知っておくべき課題などについて学ぶ。2020年2月6日(木曜日)より開講となります。(8回で1セット。1回のみの受講はできません)

講師プロフィール

紫牟田伸子 編集家、プロジェクトエディター、デザインプロデューサー

美術出版社、日本デザインセンターを経て、2011年に個人事務所、2017年株式会社Future Research Institute設立。「ものごとの編集」を軸に企業や社会・地域に適切に作用するデザインを目指し、地域や企業の商品開発、ブランディング、コミュニケーション戦略などに携わる。主な著書に『シビックプライド 都市のコミュニケーションをデザインする』『シビックプライド2 都市と市民のかかわりをデザインする』(共同監修/宣伝会議)、『シビックエコノミー 私たちが小さな経済を生み出す方法』(編著/フィルムアート社)など。

山崎亮 コミュニティデザイナー

studio-L代表。社会福祉士。大阪府立大学大学院、東京大学大学院修了。博士(工学)。建築・ランドスケープ設計事務所を経て2005年にstudio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどを数多く手がける。

松永光弘 編集家

「編集を世の中に生かす」をテーマに、出版だけでなく、ブランディングや広報、研修・セミナー、社会人向けスクールのプロデュースなど、さまざまな活動に取り組む編集家。顧問編集者として、ロボットベンチャーをはじめとした企業などのサポートにもあたっている。広告やデザインを中心に、15年にわたって日本を代表するクリエイターたちの書籍を数多く手がけてきた実績をもち、コミュニケーションやクリエイティブの領域にも明るい。自著に『「アタマのやわらかさ」の原理。クリエイティブな人たちは実は編集している』(インプレス)がある。

佐藤尚之 コミュニケーションディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。(株)ファンベースカンパニー チーフファンベースディレクター。復興庁復興推進参与。一般社団法人助けあいジャパン代表理事。大阪芸術大学客員教授。電通を経て2011年に独立して(株)ツナグ、2015年にコミュニティ運営を行う(株)4thを設立。2019年には(株)ファンベースカンパニーに参画。著書に『明日のプランニング』(講談社現代新書)、『ファンベース』(ちくま新書)ほか多数。「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

お問い合わせ

富士通エフ・オー・エム株式会社 ビジネスプロデュース室
TEL : 06-6945-4519 / E-mail : fom-bp@cs.jp.fujitsu.com
主催:富士通エフ・オー・エム株式会社
協賛:富士通 PLY OSAKA

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