開発した技術

当社は、従来からコヒーレント通信市場に向けて、最先端の光送信器、光受信器を世界に先駆けて製品化し、2021年にコヒーレントLN変調器の販売台数が100万台を突破し、世界トップシェアを維持、コヒーレント通信用光コンポーネント市場をリードしてきました。(*2)。
当社が長年培ってきたLN変調器の知見を活かすと共に、薄膜LN変調器の構造パラメータとプロセスパラメータを最適化する技術を用いることで、世界で初めて実用可能なレベルでDCドリフトを安定化させ、20年間の長期信頼性技術を確立しました（図３）。

図２．薄膜ＬＮ変調器（断面図）

図３．ＤＣドリフト特性

・低波長依存性
近年の伝送ビットレートの高速化に伴い、WDMシステムにおける波長効率の観点から、従来のC-band帯から、Super C-band (C++band)帯やL-band帯への波長拡張性ニーズが高まっています。
LN変調器は、InP変調器などに比べ波長依存性に優れており、C/L band帯へのシームレスな波長領域の拡張が可能です。当社の薄膜LN変調器により光ファイバーの伝送容量拡大が可能となり、次世代大容量光ネットワークへの貢献が期待されます。

・優れた制御性
InPなどの化合物半導体変調器に比べ線形性が高く、TEC（Thermo Electric Cooler）による温度制御を必要としない為、制御性、省電力性に優れます。

今後の展開

本薄膜ＬＮ変調器を搭載した、128Gbaud HB-CDMのサンプル提供開始を2022年4月に計画しております。また、今回開発に成功したプロセス技術と、超広帯域への設計の最適化により、200GBuadへの実用化に向け、更なるテクノロジーのイノベーションを進めて参ります。

当社は2021年10月27日～29日に幕張メッセにて開催される第21回光通信技術展(FOE2021)への出展を予定しております。ご来場の際はぜひFUJITSUブースへお立ち寄りください。(*4)

当社のSDGsへの貢献について

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標（Sustainable Development Goals：SDGs）は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス（存在意義）である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。