世界最小サイズのCPO光トランシーバ技術を開発
お知らせ
2024年9月24日
富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
世界最小サイズのCPO光トランシーバ技術を開発
富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社(以下「当社」)は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))の研究プロジェクトの委託研究により、VCSEL、MCF、電気ICを超小型・高密度に集積するCPO光トランシーバ技術を開発しました。本技術の適用により、1cm3未満の25Gb/s×16チャネルCPO光トランシーバを実現し、世界最小サイズを達成しました。消費電力もビット当たり5pJ/bitと、最少クラスを実現しています。
本技術の詳細は、2024年9月22日(日)からドイツ・フランクフルトで開催されている国際会議「50th European Conference on Optical Communication (ECOC 2024)」にて発表します。本発表の成果は、古河電気工業株式会社と東京工業大学との共同研究によるものです。
【学会名】
50th European Conference on Optical Communication (ECOC 2024)
【発表論文】
Th2C.1: An Ultra-Compact CPO Transceiver based on 1060-nm Single-Mode VCSEL Array and Multi-Core Fibre
【概要】
データセンタのトラフィックが急増する中、近距離の高速・大容量データ伝送の重要性が増し、光ファイバを伝送媒体とした光インターコネクトが大きな役割を果たしています。一方、データセンタの消費電力も重要な問題として顕在化し、より少ない消費電力でデータ伝送することが必須となっています。これらの課題を解決すべく、スイッチASICの極近傍に配置する小型のCPO(Co-Packaged Optics)光トランシーバなど、新たな形態の光トランシーバ開発が活発に進められています。
今回、1060nm結合共振器型VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)とマルチコアファイバ(MCF)、電気ICを超小型、高密度に集積するCPO光トランシーバ技術を開発しました。VCSELと電気ICとを両面フリップチップ実装する、独自のパッケージング構造を採用しています。本技術を適用することにより、1cm3未満の25Gb/s×16チャネルCPO光トランシーバを実現し、400Gb/s光トランシーバで世界最小のサイズを達成しました(図1)。また、スイッチ近傍配置により電気伝送の電力を削減し、消費電力はビット当たり5pJ/bitと、最少クラスを実現しています。CPO光トランシーバの超小型サイズを活かした高密度配置により伝送容量を拡大するとともに、MCFによる空間多重伝送でファイバあたりの伝送容量を16倍に増大させることが可能です。
図1 開発したCPO光トランシーバ
【意義】
今回開発した技術は、今後ますます需要が増大する小型・低電力の光トランシーバに適用できる技術であり、データセンタ内のスイッチ装置の小型化・低消費電力化への貢献に加え、AI 処理能力の向上などへの展開が期待できます。
本研究成果の一部は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究(J012368C00101, J012368C07901)により得られたものです。
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2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は、世界全体が2030年までに達成すべき共通の目標です。当社のパーパス(存在意義)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」は、SDGsへの貢献を約束するものです。
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