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Japan

超小型100G/200G集積コヒーレントレシーバを販売開始

2015年3月19日

~超小型サイズ、高性能、低消費電力の超高速光ネットワーク向け装置を実現~

当社は、毎秒100ギガビット(以下100G)超の光ネットワーク用として、OIF(注1) 2.0に準拠し、100G DP-QPSK(注2)、200G DP-xQAM(注3)方式に対応した、超小型の集積コヒーレントレシーバを2015年4月より販売開始します。本製品は、90度ハイブリッド(注4)、バランスド・レシーバ(注5)、偏光分離機能、VOA機能(注6)、モニター機能(注7)をPLC技術(注8)、マイクロアセンブリ技術を駆使して、高集積化、高密度実装化により、超小型サイズを実現しました。

本製品を採用することで、小型、高性能、低消費電力の超高速光ネットワーク向け装置を実現できます。

近年の急激な通信トラフィックの増加により、コアネットワーク、及びメトロネットワークにおける、更なる長距離、大容量化、高密度実装化の要求に対応するため、コヒーレント方式(注9)を用いた100G光ネットワークの普及が拡大しており、また、次世代の100G超光ネットワークの研究開発も活発になっています。

そのためのコヒーレントトランシーバについては、コアネットワーク向け装置のみならず、メトロネットワーク向け装置においても、高性能かつ小型なコヒーレントレシーバの要求が高まっています。

今般、当社は、90度ハイブリッド、バランスド・レシーバ、偏光分離機能、VOA機能、モニター機能などの多機能をPLC技術による部品の集積化・小型化およびマイクロアセンブリ技術による部品の高密度実装化を行い、従来の高性能を維持したまま、従来比約1/4(注10)のコヒーレント方式に対応した100G DP-QPSK、200G DP-xQAM復調方式の超小型集積コヒーレントレシーバの製品化に成功しました。

本製品を採用することにより、PLCの高い光学特性を維持しながら、デジタルコヒーレント方式の光トランシーバ受信部の大幅な小型化が可能となり、コアネットワークからメトロネットワークまで様々な用途の超高速光通信装置への搭載による、更なる小型・高密度実装、高性能、低消費電力が実現できます。

本製品の特長

  1. 従来の性能、多機能を維持しながら超小型化を実現
    デジタルコヒーレント方式の受信モジュールには、光強度を調整する光強度減衰機能(VOA)や、入力光強度を観測する入力強度モニター機能が求められます。今回、当社では従来の性能や機能をそのままに、PLC技術とマクロアセンブリ技術を駆使し、各部品のさらなる小型化設計、高密度実装設計により、従来比(OIF 1.2 type1を基準とした体積比)で約1/4の小型化に成功しました。
  2. 100G DP-QPSK、および200G DP-xQAM変調方式をサポート
    高い光学特性を有するPLC素子の小型化設計と、部品の最適化配置により、多数の機能を集積することができ100G DP-QPSK及び200G DP-xQAM変調方式をサポートしています。
  3. 次世代DSPに対応
    デジタルコヒーレント方式は、アナログ信号をデジタル処理することにより、伝送路で生じる波形歪みを補償しながら100G及び400Gの高速伝送を実現します。このため、デジタル処理を担うDSP素子には高い性能が求められ、DSP素子の消費電力に課題がありました。近年、DSP素子の低消費電力化が活発に進められ、今回当社が製品化に成功した集積コヒーレントレシーバは、これら次世代の低消費電力DSP素子の信号インターフェースに対応しています。
  4. OIF 2.0に準拠した形状、特性、インターフェース
    パッケージ形状、電気光学特性、低速及び高速の電気端子配置等はすべて業界標準規格であるOIFで定められた仕様に準拠しており、OIFに準拠したトランスポンダ、トランシーバへの搭載が容易です。

尚、本製品サンプルを、3月24日から26日まで、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されるOFC2015展示会の当社ブース(#900)にて展示する予定です。

関連ホームページ

  • 国内サイト:http://www.fujitsu.com/jp/foc/
  • 海外サイト:http://www.fujitsu.com/jp/foc/en/

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

(注1)OIF:Optical Internetworking Forumの略。光ネットワーク機器と、その部品全般に係わる業界標準(IA:Implementation Agreement)の推進を行うフォーラム標準化団体。

(注2)Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keyingの略。デジタル信号の位相変調方式のひとつで、P偏光、S偏光のそれぞれについて、変調された4つの光位相(0、90、180、270°)に2ビットのデータを割り当てることのできる方式。

(注3)Dual Polarization-x Quadrature Amplitude Modulationの略。デジタル信号の位相変調方式のひとつで、P偏光、S偏光のそれぞれについて、変調された光振幅および光位相に多ビットのデータを割り当てることのできる方式。

(注4)90度ハイブリッド(Hybrid):コヒーレント信号を復調するヘテロダイン、イントラダイン受信方式に必要な光部品。受信光信号と局部発振光をミキシングして、バランスド・レシーバへ合成光信号を出力するデバイス。

(注5)バランスド・レシーバ(Balanced receiver):受信方式のひとつで、90°ハイブリッドから出力される正相、逆相の光を受ける2つのフォトダイオードからなり、それらのフォトダイオード電流の差分を利用することで受信特性を向上できる方式。

(注6)VOA機能(Variable Optical Attenuation):光の強さを可変減衰させる機能。受信する光信号強度に応じて減衰量を調整することにより、広い光入力ダイナミックレンジを実現する機能。

(注7)モニター機能:受信する光信号強度を検出する機能。デジタルコヒーレント送受信方式で使用される高強度の局発光を抑圧して、受信信号のみを検出することが求められる。

(注8)PLC:Planar Lightwave Circuitの略。シリコンまたは石英基板上に光が伝搬する導波路を、光波長オーダを超える精度で形成した光回路チップ。

(注9)受信光信号を局部発振光(受信側に配置する単色光)と干渉させた後に受光器で電気信号に変換し、デジタル信号処理を施すことで伝送路で発生する波形歪みを補償する方式。従来必要だった波長分散補償器やその挿入損失補償用の光増幅器を削減できるため、システムの小型化、低コスト化が可能。

(注10)OIF 1.2 type1を基準とした体積比。

日付: 2015年3月19日

本件に関するお問い合わせ

富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
マーケティング部
icon-telephone 電話: 044-754-3135(直通)
icon-mail E-mail: foc-contact-pr@dl.jp.fujitsu.com