世界で初めて、FPC型100G/400G対応LN変調器を販売開始
2014年3月7日
- SMT型ドライバとの直接接続による光通信装置の小型化、実装性の大幅な改善を実現 -
当社は、現在導入が進んでいる毎秒100ギガビット(以下100G)超の光ネットワーク用として、100G DP-QPSK (注1)、400G DP-xQAM (注2)方式に対応したFPC (注3)型の小型、低駆動電圧のLN変調器 (注4)の開発に成功し、2014年7月1日より販売開始します。 本製品を採用することで、SMT型 (注5)ドライバとの直接接続による光通信装置の小型化、実装性の大幅な改善を実現することが可能となります。

近年、スマートデバイスの急速な普及によるモバイルブロードバンドサービスの拡大、及びソーシャルネットワークサービス、クラウドコンピューティング、動画配信などのインターネットサービスの更なる普及による、通信トラフィックの急激な増加に対応するため、100G光ネットワークの導入が急速に進んでいます。また、次世代の400G光ネットワークの研究開発も活発になっています。
この中で、コアネットワークにおいては、長距離、大容量化の要求に対応するため、デジタルコヒーレント送受信方式 (注6)を用いた100G光ネットワークの普及が拡大し、また更なる大容量化をめざした400G光ネットワークの研究開発も活発となり、100G、及び400Gコヒーレント光トランシーバの送信部に使用される、100G DP-QPSK、400G DP-xQAM変調方式に対応した高性能な100G/400G DP-IQ LN変調器 (注7)が、必要不可欠となっています。
今般、当社は、世界で初めて、SMT型の小型100G/400G DP-IQ LN変調器の製品化に成功しました。本製品を採用することにより、デジタルコヒーレント送受信方式の100G、及び400Gコヒーレント光トランシーバの送信部のより小型化、実装性の大幅な改善が可能となり、光通信装置の更なる小型化が実現できます。
本製品の特長
- 従来体積比で約1/2の小型化と表面実装化を実現
LN変調器チップの変調効率を改善したチップ設計および新規プロセス技術を採用することにより、従来の100G DP-QPSK変調器と同じ駆動電圧で、従来体積比で約1/2の小型化を実現しました。また、従来の100G DP-QPSK変調器で採用していたGPPO RFインターフェースをFPC RFインターフェースへ変更することでプリント基板へ直接表面実装することが可能となりました。
- 100G DP-QPSKおよび 400G DP-xQAM変調方式をサポート
LN変調器チップの特性を改善するとともに2つのIQ変調器と偏波ビームカプラを集積することで100G DP-QPSKおよび 400G DP-xQAM変調方式をサポートすることができます。
- OIF仕様に準拠
本100G/400G DP-IQ LN変調器はOIF仕様に準拠しています。
尚、本製品サンプルを、3月11日から13日まで、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されるOFC 2014展示会へ出展する予定です。
販売価格、および出荷時期
販売価格、および出荷時期
製品名 |
販売価格(税別) |
出荷時期 |
100G/400G DP-IQ LN変調器 |
個別見積り |
2014年7月1日 |
関連ホームページ
- 国内サイト: http://www.fujitsu.com/jp/foc/
- 海外サイト: http://www.fujitsu.com/jp/foc/en/
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈
(注1) Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keyingの略。デジタル信号の位相変調方式のひとつで、P偏光、S偏光のそれぞれについて、変調された4つの光位相(0、90、180、270°)に2ビットのデータを割り当てることのできる方式。
(注2) Dual Polarization-x Quadrature Amplitude Modulationの略。デジタル信号の位相変調方式のひとつで、P偏光、S偏光のそれぞれについて、変調された光振幅および光位相に多ビットのデータを割り当てることのできる方式。
(注3) Flexible Printed Circuitsの略。高周波信号を伝送する電気インターフェースのひとつでプリント基板上の表面実装に対応。
(注4) LN変調器:電気光学効果を持つニオブ酸リチウム(LN: LiNbO3)の結晶を用いた光変調器のことで、電気信号を光信号に変換する光部品。入力電気信号を、光の強度信号に変換する強度変調器や、光の位相信号に変換する位相変調器がある。LN光変調器は、光信号を生成する際に付随的に発生する波長のゆらぎが非常に小さいことが特長で、高ビットレート、長距離伝送、波長多重伝送に適する。
(注5) Surface mount technologyの略。表面実装。プリント基板に実装する方法のひとつ。
(注6) 受信する光信号と単色光を干渉させた後に受光器で電気信号に変換し、デジタル信号処理を施すことで伝送路で発生する波形歪みを補償する方式。従来必要だった光分散補償器やその挿入損失補償用の光増幅器を削減できるため、システムの小型化、低コスト化が可能。
(注7) Dual Polarization-In-phase Quadratureの略。デジタル信号の位相変調方式のひとつで、P偏光、S偏光のそれぞれについて、変調された光振幅および光位相に多ビットのデータを割り当てることのできる変調器の構造。
日付: 2014年3月7日