全波長帯域で波長可変可能なXFP MSA仕様に準拠したDWDM用小型10ギガビット光トランシーバを販売開始
2011年3月1日
- 全波長帯域での波長可変により、DWDM光ネットワークの小型化、低価格化、効率化を実現 -
当社は、全波長帯域〔Cバンド(注1)〕で波長可変可能な、XFP(注2)MSA(注3)仕様に準拠した、DWDM(注4)用小型10ギガビット(以下10Gbps)光トランシーバを2011年4月より販売開始します。
本製品の投入により、XFPトランシーバの製品ラインナップの充実をはかりました。

近年、スマートフォンの急速な普及によるモバイルブロードバンドサービスの拡大、及びクラウドコンピューティング、動画配信などのインターネットサービスの更なる拡大により、通信トラフィックが急激に増加しています。
大容量の光ネットワークを実現するために、複数の波長の光信号を一本の光ファイバを利用して伝送するDWDM方式が多く用いられています。DWDM光ネットワークにおいて、波長可変光トランシーバは、ネットワークに実際に使用されている状態のまま対応する波長を設定により切り替えられるという特徴があるため、部品種類を減らしDWDM光ネットワーク全体を低コストで実現し、次世代ネットワークにおけるROADM(注5)機能を実現する部品としても重要になっています。
また、現在、10Gbps DWDM光ネットワーク用の全波長帯域での波長可変トランシーバとしては、主に300pinタイプ(注6)の大型のものが用いられており、今後ネットワーク全体のさらなる小型化、大容量化に向けては、光トランシーバのさらなる小型化が求められています。
今般、当社は、全波長帯域(Cバンド)で波長可変可能な、XFP MSA仕様に準拠した、DWDM用小型10Gbps光トランシーバを開発し、2011年4月より販売開始します。これにより、Cバンドを利用した10Gbps DWDM光ネットワークにおいて、一種類のXFPトランシーバですべての波長をカバーすることができるため、固定波長タイプのXFPトランシーバに比べて大幅な在庫削減が可能となります。また、波長切替により、ネットワークの低コスト化、効率化が可能となります。さらに、300pinタイプからの置換えにより、ネットワークの大幅な小型化が可能となります。
製品の特徴
- XFP MSA仕様に準拠
- Cバンドにおいて、50GHz ITU-Tチャンネルグリッドで、88波の波長設定が可能。
- 最大3.5Wの低消費電力を実現
尚、本製品サンプルを、来る3月8日から10日まで、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されるOFC/NFOEC (Optical Fiber Communication Conference and National Fiber Optic Engineers Conference) 2011展示会へ出展する予定です。
販売価格、および出荷時期
製品名 |
販売価格(税別) |
出荷時期 |
XFP トランシーバ |
個別見積り |
2011年4月 |
販売目標
2011年度:10億円
関連ホームページ
- 国内サイト: http://www.fujitsu.com/jp/foc/
- 海外サイト: http://www.fujitsu.com/jp/foc/en/
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈
(注1) Cバンド
WDM技術で利用する1530~1570nmの波長帯域の呼称。
(注2) XFP
10 Gigabit Small Form Factor Pluggable の略。活線挿抜可能な光トランシーバの一つ。
(注3) MSA
Multi-Source Agreementの略。製品のパッケージサイズ、ビン配置、およびスペックなどを複数のベンダー間で共通化する事で、製品の安定した供給体制を確立するためのベンダー間の取決め。
(注4) DWDM
Dense Wavelength Division Multiplexing(高密度波長多重伝送方式)の略。波長の違う複数の光信号を同時に利用することで、光ファイバを多重利用する方式。
(注5) ROADM
Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexerの略。電気変換を介さず、光のまま経路を切り替える手法の一つであり、波長資源の有効活用が可能。
(注6) 300pinタイプ
光モジュールの製品規格の一つであり、300pinの電気コネクターを用いる。
日付: 2011年3月1日