Skip to main content

English

Japan

世界初、100Gbps光ネットワーク用DP-QPSK LN変調器を販売開始

2009年9月14日

- 小型、低駆動電圧(3.5V以下)で、商用システムを実現 -

当社は、将来導入が見込まれる毎秒100ギガビット(以下、100Gbps)の光ネットワーク用として、DP-QPSK(注1)方式に対応した小型で、低駆動電圧で動作するLN変調器(注2)の開発に成功し、2009年12月1日より販売開始します。

本製品を採用することで、高信頼、低消費電力、高品位の伝送品質を実現する商用システムの構築が可能となります。

100G DP-QPSK LN

近年、クラウドコンピューティング、インターネットを利用した動画配信などの新たなサービスの普及により、通信トラフィックが急激に増加しており、これに対応するため、次世代の100Gbps基幹光ネットワークシステムの研究開発が活発化してきています。この中で、さまざまな光伝送信号の符号化方式が検討されていますが、信号レートを上げずに大容量化を実現するとともに、伝送路や中継ノード通過の際に発生する信号歪に対する耐力、帯域の効率性に優れているDP-QPSK方式の伝送技術が必要となります。また、この伝送技術は、OIF(注3)で標準化されつつあります。

これまで、商用の光ネットワークシステムを構築するために必須となる、小型、かつ低電圧で動作する広帯域な光変調器が求められてきましたが、DP-QPSK方式に対応した変調器は構造が複雑化することなどにより、小型で低電圧・広帯域特性を実現することが大きな課題でした。

今般、当社は、上記課題を解決し、商用の光ネットワークシステムに搭載可能なDP-QPSK用の小型、低駆動電圧LN変調器の開発に成功しました。

本製品の特長

  1. 筐体内にDP-QPSK機能を集積した小型LN変調器を実現
    DP-QPSK信号を生成する変調光回路、偏波直交多重光回路を筐体内に集積化し、7" x5"サイズのトランスポンダに適用できる小型LN変調器を実現しました。
  2. 広帯域、低駆動電圧(3.5V以下)を実現
    高品質なDP-QPSK信号を生成するためには、光応答周波数特性の広帯域化が必須となります。DP-QPSK方式では、データレート100GbpsのDP-QPSK信号を生成するために、25Gbpsの変調信号で駆動する必要があるため、既に製品化済の40GbpsのLN変調器と同等の技術を用いて、25GHzの広帯域を実現しました。また、駆動電圧を3.5Vにまで低減させ、商用システムへの搭載に適した実用的な光変調器を実現しました。
  3. 使いやすいインターフェース
    複数の高速電気信号入力端子を変調器の片側に近接して配置することで、駆動回路側でこれらの電気信号間の時間遅延差を特別に調整することなく、DP-QPSK信号を生成することが出来ます。
    また、上記高速電気信号と変調器制御用DCバイアス信号に、それぞれ別の入力端子を設けたことで、両信号を合成する筐体外側の電気回路が不要になります。

サンプル販売価格、および出荷時期

品名 販売価格(税別) 出荷時期
100G DP-QPSK LN変調器 個別見積り 2009年12月1日

販売目標

2010年度: 5億円
2011年度: 10億円

関連ホームページ

  • 国内サイト:http://www.fujitsu.com/jp/foc/
  • 海外サイト:http://www.fujitsu.com/jp/foc/en/

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

(注1) DP-QPSK
Dual Polarization Differential Quadrature Phase Shift Keyingの略。偏波直交多重多値デジタル信号の変調方式で、直交するそれぞれの偏波に対し、変調された4つの光位相(0°、90°、180°、270°)に、それぞれ2ビットのデータを割り当てることのできる方式。

(注2)LN変調器
電気光学効果を持つニオブ酸リチウム(LN:LiNbO3)の結晶を用いた光変調器のことで、電気信号を光信号に変換する光部品。入力電気信号を、光の強度信号に変換する強度変調器や、光の位相信号に変換する位相変調器がある。LN光変調器は、光信号を生成する際に付随的に発生する波長のゆらぎが非常に小さいことが特長で、高ビットレート、長距離伝送、波長多重伝送に適する。

(注3)OIF
Optical Internetworking Forumの略。データ網側の装置であるIPルータと光ネットワーク側の装置であるWDM(Wavelength Division Multiplexing)装置との間のインタフェースの標準化を行う機関。

日付: 2009年9月14日

本件に関するお問い合わせ

富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
営業統括部
マーケティング部
icon-telephone  電話: 044-754-3135(直通)
icon-mail  E-mail: foc-contact-pr@ml.jp.fujitsu.com