開発の背景
「光ファイバー温度測定システム」は、1本の光ファイバーを温度センサーとして、多数のサーバや通信機器類が設置されたデータセンター内の詳細な温度分布をリアルタイムで正確に把握できるシステムです。
従来の温度センサーではセンサー設置ポイントのみの測定のため、より詳細な温度分布が把握できず、効率的な空調設定の変更ができませんでした。
本システムでは、光ファイバーを用いることにより10cm間隔で温度を測定できるため、詳細な温度分布をリアルタイムに可視化できます。これにより、空調設定(風向、風量、温度設定等)をきめ細やかに調整し、温度環境の適正化が可能になるため、データセンターの電力削減に貢献できます。
特長
1. 1本の光ファイバーで1万箇所以上の温度測定が可能
富士通研究所が開発したアルゴリズムにより、光ファイバーで1万箇所以上の温度分布を10cm間隔で正確に、かつリアルタイムに測定できます。また、専用のソフトウェアにて、温度分布をグラデーション表示いたします。
2. 温度測定方法
ラマン散乱光 ( 注1 ) により温度を測定するため、サーバや通信機器等の電気信号に影響を与えずに測定可能です。
3. コスト比較
従来の温度センサー方式とのコスト比較において、約600ポイント(100ラック)以上(注)の規模で安価となります。
注)従来型ポイント式温度センサーの設置数
4. リアルタイムな検知技術によりリスク低減
あらかじめ設定した温度(しきい値)を超えた場合は、温度異常としてリアルタイムに検知できるため、故障などのリスク低減に貢献できます。
ソフトウェアの画面イメージ
システムイメージ
サービス体系
測定器・ソフト、設置工事、現調、SE作業、保守まで含めたトータルソリューションとしてご提供いたします。
お客様のデータセンターの規模に応じて、6種類の測定器をご用意しており、光ファイバー長 24kmまで測定できます。
参考価格
約2,000万円
データセンター:100ラック、300㎡相当 (ラック前面・裏面、天井、床下の温度を測定)
測定器・ソフト、設計・設置工事・現調、SE作業、初年度保守を含む
販売目標
今後3年間 約10億円
特特許について
本技術については、株式会社富士通研究所が特許出願済です。
注釈
注1 | 物質にレーザー光などの強力な光を照射すると、その光の波長に対し、わずかに長い波長と短い波長の光が散乱する。これをラマン散乱光と呼び、物質の温度に応じて強度が変化する性質をもつ。 |
報道関係者お問い合わせ先
富士通ネットワークソリューションズ株式会社
総務人事部(広報担当)
TEL:044-210-6512
お客様お問い合わせ先
富士通ネットワークソリューションズ株式会社
ソリューション開発本部 販売推進統括部
TEL:044-210-6522
URL: https://www.fujitsu.com/jp/fnets/contact/