管理会計システム・ソフトを選ぶときに比較すべき5つの比較項目 その1

2019年12月6日更新

企業が管理会計システムや管理会計ソフトを導入するためには、機能や価格だけでなくどのような点に注意し比較、検討する必要があるのでしょうか。本記事では、管理会計システムやソフトを導入する際の課題について解説します。

管理会計システムやソフトの5つの導入課題

財務会計システムのデータを掘り下げ、会社の現状や課題を見える化する管理会計システムは、その導入方法や設定方法に答えがないという独特の難しさがあります。場合によっては、経営陣の意思にそぐわない管理会計システムとなってしまい、せっかく導入したシステムが意思決定に使われないという可能性もあります。

それでは、管理会計システムやソフトを導入する際、検討するべき課題にはどのようなものがあるのでしょうか。

他のシステムと連携させる際、数値に整合性を持たせる

管理会計システムは、日々発生する取引を記録し、財務諸表を作成する財務会計システムとは異なります。財務会計システム上の数値データを掘り下げて、商品別、顧客別、事業部別といった視点で数値分析・レポート化できるようにしなければなりません。

しかし、財務会計システムが持っている仕訳データは、仕入れや売上といった勘定科目ごとの数値データを持つに過ぎません。何を仕入れたのか、何を販売したのか、誰に販売したのか、といったデータは持っていないのです。

このため、管理会計システムには、財務会計システム上の仕訳データに加えて、仕入先や販売先、事業部別といった情報を統合させてデータ分析する必要があります。多くの場合、すでに社内に導入済みの販売管理システムや在庫管理システム、生産管理システムと連携させる必要があります。

この時に問題になるのが、データの整合性です。販売管理システムに入力されている売上データや、在庫管理システムに入力されている在庫データと、財務会計システムがもっている売上や棚卸資産のデータとの間で、数値の不整合が発生しやすいのです。このような数値の不整合は、計上ルールの違いや、受注取り消しや売上値引といったイレギュラー処理が原因で発生します。

いずれにしても、システム間で数値の違いが発生することは、正確な経営判断が難しくなるとともに、内部統制の観点からも望ましいことではありません。異なるシステム間であっても、データの整合性が取れる管理会計システムやソフトを導入する必要があるといえるでしょう。

様々な切り口で分析できる柔軟性をもたせる

顧客のニーズが多様化し、経営環境が劇的に変化するようになりました。経営者が経営判断を下すためには、自社の置かれている状況を多角的に分析する必要があるといえます。経営判断を後押しするために、管理会計が果たす役割は決して小さくないといえます。

しかし、管理会計上で従来と同じ、商品別や店舗別、事業部別の売上や利益分析だけでは、経営者のニーズに十分に応えることができるといえません。場合によっては、商品別と店舗別を組み合わせた2次元の思考でデータ分析をする必要があるかもしれません。前年同期比を商品別や店舗別に、確認する必要に迫られることもあるでしょう。収益性だけではなく、自社の財務の健全性をも分析し、資金調達方法の判断材料にするかもしれません。重要なことは、経営者の現状の見える化要求に対し、迅速かつ正確に対応できる柔軟性が、管理会計システムに求められているということです。

変化の激しい現在の経営環境においては、トップが頻繁に交代することも珍しくありません。このような場合、従来の経営者とは全く異なる視点で、管理会計システムを使って経営状況を分析するかもしれません。このような場合であっても、管理会計システムは柔軟性を持って経営者のニーズに答える必要があります。

経営者が見やすいレポート機能を兼ね備える

管理会計システムは、多くの場合、経営者の経営判断といった意思決定を支援することを目的とします。つまり、管理会計システムは、経営者のためのシステムという側面があるのです。しかし、経営者によってはシステムを自ら直接操作して、必要な情報を入手するのが難しい場合があります。

したがって、経営企画室などの部門の担当者が、経営者に代わって管理会計システムを操作し、必要な情報を入手し、それをレポートにまとめて経営者に提出する形式を取ることが一般的になるでしょう。つまり、管理会計システムには、すぐれたレポート機能が求められているのです。

レポート機能としては、グラフィカルなインターフェースが必要不可欠です。経営判断に役立つ情報を、表形式やグラフで視覚的に分かりやすく表示できる機能が求められると言えそうです。企業によっては、すでに経営層に対し、現状の経営状況を、何らかの形でレポートにまとめて経営会議などで使っているかもしれません。このような場合は、現状のレポートと連携できる機能がある管理会計システムを選定する必要があります。

非会計データを考慮に入れた管理会計システムを構築する

顧客のデータが多様化する中、競合に対する優位性を築いていくためには、もはや損益だけを考慮に入れた会計データだけでは経営判断を下すことが難しくなってきました。非会計データをも考慮に入れて、現状の経営状況を見える化する必要に迫られているのです。

たとえばアパレル業界であれば、季節要因や流行の色といったデータを考慮に入れて、品揃え戦略やプロモーション戦略に反映させる必要があります。場合によっては、展示方法別の売上分析が必要になるケースもあるでしょう。

その他にも、ネットとリアルの両方の店舗運営をしているのであれば、週末の天気予報のデータから、ネットの店舗に対するプロモーションを強化する方策を採用するかもしれません。SNS上のデータを取得し、プロモーション戦略や製品開発戦略に役立てる場合もあるでしょう。

管理会計には答えはありません。しかし、会計データだけにとどまっていては、経営戦略の視野が狭まってしまう危険性があります。視野を広げて多様化する顧客ニーズに応えるために、非会計データを積極的に管理会計システムに取り込む姿勢が重要になります。

内部統制システムに管理会計システムを役立てる

上場企業であれば、金融商品取引法に基づき、内部統制システムの構築が求められます。内部統制では、「業務の有効性と効率性」・「財務報告の信頼性」・「法令遵守」・「資産保全」の4つの目的を達成するための仕組みが、業務の中に組み込まれていることが求められます。

とくに「財務報告の信頼性」については、粉飾決済などの不正会計が後を立たないことから、株主などのステークホルダーから強く求められているといえるでしょう。しかし、従来の財務会計システムだけでは、取引に伴う仕訳データしかなく、財務データの信頼性を確認することはできません。場合によっては、取引をモニタリングし、不正を早期に発見する仕組みが求められることもあるでしょう。

接待費やプロモーション費用などの、費用面から正しくお金が使われているかどうかを確認するケースも少なくないはずです。部門別で接待費の利用状況を可視化することは、無駄遣いを抑制するためにも重要な機能になるでしょう。

近年では、働き方改革への注目度の高まりから、従業員の残業や、有給取得状況を内部統制の観点から確認することも重要度が増しています。自社の事業が正しく正確に行われているかどうかを、管理会計の視点から確認することも重要になるのです。

以上、管理会計システム・ソフトを導入するときのよくある5つの課題をご紹介しました。それでは次回のコラムでは、この課題をふまえて、管理会計システム・ソフトを導入するときにどのような比較項目で検討すべきか?をご紹介します。

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著者プロフィール

株式会社富士通マーケティング
ソリューション事業本部 GLOVIA会計・人事給与事業部 会計ビジネス部 プロジェクト課長 稲田 智

2000年、富士通株式会社入社。業務パッケージGLOVIAシリーズの設計・開発に従事。
2010年より株式会社富士通マーケティング。経営管理、会計の製品企画や拡販に従事。
現在は次世代ERPであるGLOVIA iZの構想立案・製品企画に取り組む。

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