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Japan

海外市場攻略に向け、経営の“見える化”のために導入した損益管理システムが、リスク対応力強化につながるとは、予想もしていませんでした!

業務改善例

食品製造業C社 様

製造
経営力強化

2014年09月17日更新

年商 100億円 部署 従業員数 285名

背景

人口減による縮小が予測される国内食品市場。食品メーカーにとって、海外市場の攻略が事業継続のために欠かせない戦略となりつつあるいま、経営の見える化と管理損益の迅速な把握は、足元を固める意味からも喫緊の課題となっています。

課題・問題

なんとかしなければ、この店を孫に継がせられない!

社長の朝は早い。
早朝、6時30分には誰よりも早く出社する自分のことを、ビルのガードマンははたして社長だと気が付いているかどうか、と石崎は嗤う。

石崎義彦68歳。創業天保三年という北陸地方でも指折りの老舗和菓子屋の6代目社長である。和菓子屋というがその実態は、およそ180年続く和菓子店舗を中心に、茶席に使う茶菓子から洋菓子やスイーツまで幅広く製造する菓子メーカーである。
年商はおよそ100億円。業績はわが国の食品業界同様に長期低迷傾向をたどっているが、この春に開業が予定されている北陸新幹線の最寄り駅では、土産物売り場に並ぶ商品の1/3が自社製になるだろうと囁かれるほど、地元では圧倒的知名度を誇る。

そんな石崎が誰よりも早く出社するのには訳がある。何代も続いたこの店を孫に継がせられないのではないかと考えると、のんびり寝てはいられなくなるのだ。
「あの記事を読んでからですよ、その思いがとくに強くなったのは」 石崎が驚愕したという記事は、今年5月に日本創生会議の人口減少問題検討分科会が発表した「成長を続ける21世紀のために『ストップ少子化・地方元気戦略』」の提言に関するものである。
元総務相の増田寛也氏が座長としてまとめたものだが、提言は、このまま人口減少を放置すれば2040年には子づくりの適正年齢である20~30代の女性が全国の半分の市町村で50%以上減少し、「消滅可能都市」になるというのだ。
少子・高齢化に伴う人口減少の問題など十数年も前から声高に叫ばれ、なんとなく予想していたつもりだった。だが、状況は思いのほか差し迫っていたのだ。具体的数字を突きつけられ、石崎は唸った。このままでは地域が生き残れず、地元に支えられた店舗も会社も存続できなくなる・・・。

経営者として、何からはじめるか? その答えは経営の「見える化」だった。

「企業としてどんな手を打つべきかなんて、わざわざ高いコンサル料を払って偉い先生にお伺いを立てなくても、わかっているんですよ」
農林水産省は今年の白書でも、新たな需要分野の開拓や海外展開の促進を訴えかけている。長期縮小傾向に歯止めのかからない国内食品市場から、思いきって海外市場に成長の場を求めろ、と発破をかけているのだ。
「しかし、『言うは易し、行うは難し』でね。地方の中堅企業にはヒト、モノ、カネ、すべてが不足しているんです。海外に打って出るのはあまりにリスクが大きい」

だが、食品業界関係者に勇気を与えるニュースもある。昨年末、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が和食を無形文化遺産として登録することを決定したのは記憶に新しい。
「和菓子屋にとっては強力な追い風です。これで低迷していた需要も拡大が期待できるとなれば、新製品開発にも弾みがつき、海外進出の可能性だって探れなくはない。問題は、新市場に挑む勇気があるかどうかです」

 今になれば幸いと思えるが、ハードが老朽化、メンテナンスサポート期間切れで保守費用も高額になっていたことや、百貨店との新規取引に成功したこともあり、今年七月、システムを一新することを決断した。
「リスクを最小限に抑え、チャンスをつかむためにはまず、会社全体を俯瞰して、迅速な経営判断ができるようにしていかなければならない。そこで、役員会で経営を“見える化”できるような本格的IT化の検討を指示したのです」
だが、社内は、製造、販売、管理ともそれぞれの業務で多くの問題を抱えており、部門間の連携より、自部門の問題解決を強く主張。全体論議はなかなか進まなかった。

課題解決のポイント
1 人口の減少が進む地方都市。食品業の事業継続として今なにをなすべきなのか?
2 決断したのは、システムを一新し、経営の“見える化”に取り組むこと

解決策

損益を日次で管理することで、現場の姿が“見えて”きた!

そんな中、システム担当者2人がある展示会で、耳寄りな話を聞いてきた。
「生産と販売に必要なシステムが統合されていて、管理システムと繋げることで日々の管理損益が分かる、と言うんです。今までは月次でしか分からなかった損益が、日々の段階で予想できる。正直、びっくりしましたよ」
それが富士通マーケティング(以下、FJM)の食品製造業向け販売管理システムだった。

FJMの食品製造業向け販売管理システムを構成しているのは、販売管理、生産管理、物流管理、発注/仕入管理、支払・債務管理と管理損益の6つの機能。
月末にならなければ確定できなかった各種経費等を概略で計算する考え方を業界で初めて採用し、仕入運賃、保管料など原料諸掛を費用項目別に試算することにより日々の損益を把握し、支払い管理と連動させている。
金融対策上のメリットもあるし、部門別や得意先別、単品別などの帳票も標準で12種類用意されており、製品単位などでの日次決算もできる。加えて、トレーサビリティー機能があり、賞味/消費期限・製造日管理・不定貫管理もできる。
「思いきって6つの機能が搭載されたFJMの食品製造業向け販売管理システムを一括導入することにしました。古参の役員たちからは徐々に導入を進めてもいいんじゃないかと異論もあがりましたが、改革はドラスティックな方が効果も大きい。孫子も言っているでしょ、『兵は拙速を尊ぶ』とね」

全社を統一するシステムを採用したことで、二重入力やマスタ二重化といったムダが排除でき、生産、販売、それぞれの部門でロスの発生を抑え、最適計画の立案が可能となった。その結果、経営の“見える化”が実現できた、と石崎は誇らしげな顔をした。
「何より、大きかったのは役員、社員の意識の高揚かもしれません。それぞれ現場の姿が“見える”だけに、議論も活発化し、連携もとれ、風通しの良い企業風土に急速に変わってきたような気がします」

迅速な損益管理がリスク対応力を強化。めざすのは海外市場攻略!

この7月には、海外でまたしてもずさんな食材処理事件が発生し、日本の会社も大きな被害を受けた。ここ数年、産地や原材料、消費・賞味期限を偽る食品偽装問題や有害物質の混入をはじめ、食品の製造管理をめぐる事件や事故が国内外で頻発している。

「わが社は海外に生産拠点こそないものの、輸入原材料を使っています。また、洋菓子の原材料となる乳製品やフルーツ、和菓子では小豆などを国内各地の生産者から納入してもらっています。それを考えれば、こうした事件にいつ巻き込まれるとも限らないわけです」
FJMの食品製造業向け販売管理システムに期待を寄せているのは、経営の見える化に加え、管理損益の迅速な把握を通じた万全のリスクマネジメントの実現だ。

鶏肉事件の後で、早速、原材料データを見ながら役員たちとリスク管理について話し合いました。海外からの調達に限らず、万一、こうした不祥事や事件・事故が発生した場合、その時点での損益状況が予想できる食品製造業向け販売管理システムを活用すれば、ただちに物流や生産ラインを役員会の直接管理下に置き、被害を最小限に食い止めることができるでしょう」
そのほか、風評被害の抑制など、迅速な対策の立案に活かせるメリットはきわめて大きい、と石崎は断言する。

「これからの和菓子メーカーは、日本食文化の無形文化遺産登録をチャンスと捉え、国内市場を固めたうえで、外国人客への認知度を向上させ、積極的に海外市場開拓に挑まなくてはなりません。地方の老舗であればなおさらです。そうすることが、長い年月社業を支えてくださった地元に、雇用の創出という形で貢献することにもつながるんだと思います。ウチもね、まずは百貨店、量販店との結びつきを強め、海外販売に向けた地歩を築いて行くつもりですよ」
石崎は老舗菓子舗の店主らしからぬ、精悍な笑みを浮かべながら語ってくれた。

解決後の効果・結果
1 生産・販売・物流・発注/仕入・支払い・損益管理まで、システムによって業務がつながった
2 今まで月次でしかわからなかった損益を、日次で予測できるように
3 トレーサビリティー機能、賞味/消費期限や製造日管理までも実現
4 全社統一システムの採用で、二重入力やマスタ二重化といったムダを排除。各部門でロスの発生を抑制
5 経営の見える化と管理損益の迅速な把握で、業務基盤の強化を実現。海外展開を含む 業容拡大を通じて事業継続と地域社会への貢献をめざす

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