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第01回 電子カルテ導入による業務効率化とそのメリット

今を生き抜く病院戦略

株式会社MMオフィス 代表取締役  工藤 高 氏

2017年08月04日更新

医事部門のIT化を黎明期から見続けてきた

筆者が新卒で都内総合病院医事課に入職したのは1982年4月であり、同院ではレセプトコンピューター未導入であった。当時の医事課は熟練を要する手書きレセプト職人の世界だった。入職2年目にレセコンが導入されたときは、まだまだ職人ではなかったために正直言うとホッとした。一方、産業革命時に蒸気機関を壊そうとしたギルドの職人たちと同様な手書きレセプトに慣れた諸先輩の嘆きはよく聞いた。人生初は富士通のレセコンだった。当時はインターネットの概念すらなかったため、通信コミュニケーションの重要性を加味したICT(Information and Communication Technology)は想像すらできなかった。医事部門のIT化はこのように1970年から80年代のレセコン化から始まった。80年代には検査科などの部門システム、医事会計のオーダリングシステム、90年代後半から電子カルテが登場してきた。そして、2010年代には地域医療連携システムや遠隔診療システムが登場してきた。筆者はその推移をずっと見続けてきた。
現在、筆者のクライアント病院は20病院強あるが、そのうち7割程度で電子カルテが導入されている。病床規模が大きいほど、電子カルテ導入率が高い。最近の若手医師や看護師は研修医や看護実習のときから電子カルテ使用が当たり前で手書きカルテに慣れていない事が多い。大学病院の若手医師が中小病院へ日当直等で来ると手書きのカルテ記事や処方せんの記載が「大変だ」という声がよく聞かれる。これはPACS(画像情報システム)未導入でフィルム読影の医療機関に行った若手医師からも聞く。電子カルテやPACSの黎明期は全く逆の声だったのだ。要するにどちらで最初にトレーニングしたかで違うわけだ。

なるべくカスタマイズをしなくてよい電子カルテ導入が必要

電子カルテの「導入によるコストパフォーマンスの定量化」はなかなか難しい。弊社クライアントでは医事課のカルテ管理部門の職員3人は医師事務作業補助者へ配置転換可能になり、医事課人件費年間1,000万円強は軽減された。一般的なる電子カルテ導入のメリット、デメリットは図表のようになる。
電子カルテ導入の効果は遅れて発生することが多い。導入当初はオペレーションに慣れていないため、不満が先に立つ。ただし、電子カルテ導入1年くらい経つと電子カルテ無しでの診療は考えられないと言う。注意点はあまりカスタマイズ(手直し)を求めないことだ。致命的なソフトの問題は別だが、操作性等で多少、気に入らない部分についてカスタマイズを求めるとコストと時間が発生するからだ。電子カルテはカスタマイズ無しで使用できるシステムを導入することによって初期費用を抑えることが重要である。
導入実績が多い電子カルテは多くのユーザーの意見を取り入れた汎用型であり、それに自院の診療スタイルや記録様式を合わせる必要がある。マニアックな職員による自院のやり方を反映させたシステムになることは多々あるが、そこに莫大な費用が発生する。たとえばパソコンのワープロソフトや表計算ソフトの使い勝手が悪いからとカスタマイズを求めることはない。つまり、「変えるよりも現状システムに慣れよ」が重要になってくる。

一般的な電子カルテ導入のメリット、デメリット

メリット

  1. 手書きカルテ等と比較して見やすい診療記録、検査結果、レントゲン画像
  2. 若手の医師、看護師の電子カルテでないことへの不安が払拭される
  3. 職種間での情報伝達、データ共有が簡単になってチーム医療に貢献
  4. オーダ情報が薬局や放射線部門、栄養部門などのシステムと連動し、再入力の手間や間違いも減少
  5. カルテ開示がプリントアウトで即刻可能になり、検査結果も即刻プリントアウト可能になったため外来迅速検体検査加算が増加
  6. 院内で場所を占拠していた紙カルテ庫が不要になる
  7. カルテの出し入れや予約準備、搬送、検査伝票貼りをしていた医事課カルテ管理部門職員を配置転換できる

デメリット

  1. 停電すると何も出来ない
  2. 導入コストやランニングコストが発生する
  3. 診療報酬上の点数評価がない
  4. 紙カルテと違って一気に大量のデータ漏洩や喪失のリスクがありセキュリティ対策が必要

2018年同時改定における遠隔診療拡大に電子カルテは必須のツール

ICT関連では2018年度同時改定において遠隔診療システムに大きな追い風が吹きそうだ。4月14日の日経新聞に「オンライン診療を優遇 18年度報酬改定、ICTで医療効率化」という記事が掲載されていた。日経によると「政府は情報通信技術(ICT)の活用で医療と介護の効率化を進める。電子機器で遠隔からデータを集めるオンライン診療や、介護を支援する見守りセンサーの導入などを促進。2018年度に予定する診療報酬と介護報酬の同時改定で、事業者らへの優遇措置を盛り込む。遠隔地の高齢者支援や介護の人手不足などの課題解決につなげる」としている。遠隔診療によって「糖尿病などの生活習慣病の患者から血圧・血糖のデータを定期的に受け取り、日常的な健康指導や疾病管理の質を高めるようなケース。患者に向き合う回数は増え、早期の介入で重症化を防ぎ、トータルで医療費を抑える。遠隔の服薬指導も可能」としている。
「ICTを活用した遠隔診療」はすでに中医協総会でも議論されている。現在の「遠隔診療に対する診療報酬上の取扱い」は「医師対医師のケース(D to D)」で放射線画像や病理画像を読影した場合や、「医師と患者(D to P)」では電話等による再診と心臓ペースメーカーの遠隔モニタリングがある。D to Pの診療に関して厚労省は「対面診療が原則であり、遠隔診療はあくまで補完的な役割であることから、診療報酬上の評価のためには、対面診療に比べて患者に対する医療サービスの質が上がるという科学的なデータが必要」としている。医師が自ら診察しないで治療することや処方せんを交付することは医師法で禁止されている。ただし、問診や触診などの情報をテレビ電話などで把握可能な場合、対面診療を補完するときに限定して遠隔診療との組み合わせが認められている。これらの要件が拡大していくことが確実視されている。その際の必須のツールは電子カルテであろう。

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著者プロフィール

工藤氏

株式会社MMオフィス
代表取締役  工藤 高 氏

1982年、日本大学経済学部卒業後、都内の(社医)河北総合病院に入職。
その後、複数の病院を経て1999年に現在のMMオフィス設立。
診療報酬制度の分析に基づく病院経営戦略コンサルティングを得意としている。
日経ヘルスケア巻頭コラム「病院経営最前線」を連載しており、関東学院大学大学院で医療経済学の講義も担当している。

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